NFLが大麻について新たな方針を打ち出す:労働協約が定める画期的な新ルールと選手達への影響

Austin Anderson

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米国内では大麻を合法化する州が増えつつあるが、未だに連邦レベルでは違法だ。だが、米スポーツ界では今、大麻容認の動きを見せ始めている。

NFLの新たな労働協約は様々な変化をもたらす。そこには禁止薬物に関する新たな方針も含まれる。これからは選手たちは大麻の検査で陽性となっても、出場停止の処分を受けなくなる。

新労働協約は大麻検査を行う時期を現在のトレーニング・キャンプ開始4か月前から2週間前へと大幅に縮小する。そして検査結果で陽性とする基準も現行のTHC(訳者注:酩酊作用がある大麻成分)の含有量を35ナノグラムから150ナノグラムへと大幅に緩和する。

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NFLは大麻を処罰の対象としてきた方針を変更し、それを必要とする選手たちへ救済措置を差し伸べる方向へと進んでいる。もしある選手がトレーニング・キャンプ開始まで2週間以内の期間に大麻検査で陽性とされたときは、その検査結果は選手とリーグの双方から指名された医療専門家たちによって審査されることになる。そしてリーグ役員会はその選手が治療を必要とするかどうかを決定する。

旧労働協約は大麻使用に関してはるかに厳しいガイドラインを設けていた。過去に違反歴がない選手たちはオフシーズン中に1度検査を受けた。レギュラーシーズン中は毎週1チームあたり10人の選手たちが無作為抽出で選ばれて検査を受けた。もし陽性とされた場合は、禁止薬物濫用に対するプログラムが適用された。2度目の違反で2試合分の減給、3度目の違反で4試合分の減給、4度目の違反で4試合の出場停止、5度目の違反で10試合の出場停止、そして6度目の違反は1年間の出場停止の処分が下された。

ここ数年では、ジョシュ・ゴードンとランディ・グレゴリーがともに大麻検査で複数回に渡って陽性とされたことを理由に厳しい出場停止処分を受けている。新労働協約では、彼らと同じことをしても、その結果は大きく異なることになる。

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新労働協約では競技パフォーマンスを向上させるための薬物についても方針が変わる。

  • 覚醒剤または利尿薬の検査で1度目の違反は2試合の出場停止
  • アナボリック・ステロイドの検査で1度目の違反は6試合の出場停止
  • 禁止薬物の使用及び隠ぺい行為は8試合の出場停止
  • 覚醒剤または利尿薬の検査で2度目の違反は5試合の出場停止
  • アナボリック・ステロイドの検査で2度目の違反は17試合の出場停止(訳者注:NFLのレギュラーシーズンは現行16試合。新労働協約で17試合になる)

労働協約はNFLが処分を下す際の手続きも変更する。コミッショナーが決定する代わりに、新ルールでは「中立的な判断機関」がほとんどの場合において正式な処分を下すことを規定しており、このことによりコミッショナーの権限はある程度縮小されることになる。

(翻訳:角谷剛)

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