NFLパワーランキング:狂乱のFA期間を終え、ブロンコスとブラウンズが急上昇。シーホークスとファルコンズが順位を落とす

Jacob Camenker

NFLパワーランキング:狂乱のFA期間を終え、ブロンコスとブラウンズが急上昇。シーホークスとファルコンズが順位を落とす image

2022年のNFLフリーエージェント(FA)期間が始まる前から、いくつかのトレードは噂になっていた。しかしながら、ここまでの大騒ぎになるとは誰も予想しなかったはずだ。アーロン・ロジャース、ラッセル・ウィルソン、そしてデショーン・ワトソンがトレードされるという噂は確かにあった。しかし、どのチームが実際に獲得に動くと思われていただろう。

驚くべきことにそれらは実現した。結果として、2022年3月はNFLの歴史のなかでも稀な狂乱の月となった。

ロジャースは元のチームに残留し、ウィルソンとワトソンはどちらもドラフト1巡目指名権を含む大型トレードで新チームへ移籍することになった。ワトソンのトレードはマット・ライアンも移籍させ、クリーブランド・インディアンズのベイカー・メイフィールド時代を終わらせた。カーソン・ウェンツもトレードされた。そして、トム・ブレイディが現役引退を発表してからわずか40日後に復帰することを明らかにした。

NFLで最高のレシーバーであるダバンテ・アダムスとタイリーク・ヒルもトレードされ、大型契約を勝ち取った。ワトソンはNFL史上最高の保証金額を含む契約延長を手に入れた。

驚くべきことに、これらはFA期間の前と最中に起きたトレードだけに限った話である。これら以外にも、特にAFCの有力チームがリーグの行方に大きなインパクトを与える契約がいくつか結んだ。

FAが巻き起こした灰はようやく落ち着いたように見える。しかし、まだFAの第2波で契約を結ぶだろう何人かの重要な選手たちがいる。FAの後で、どのチームが一番になるだろうか。あるAFCのチームがNFLのトップに躍り出ることになった。

Josh-Allen-01132022-Getty-FTR

NFL パワーランキング2022

1. バッファロー・ビルズ

今FAで獲得し、攻撃陣の穴を安いベテラン選手たちで埋めたのだ。ロジャー・サフォールド(オフェンシブガード)、OJ ハワード(タイトエンド)、デューク・ジョンソン・ジュニア(ランニングバック)、そしてジェイミソン・クラウダー(ワイドレシーバー)といった面々だ。彼らの才能は証明済みであり、スーパーボウル進出の準備は整った。

2. タンパベイ・バッカニアーズ

バッカニアーズはおそらくNFLでも最高のFA結果を得ただろう。その理由はトム・ブレイディ(クォーターバック)が引退撤回を決めたことにつきる。引退を発表してから40日後、この44歳のクォーターバックが現役復帰を発表したのはFA期間が始まる前夜だった。

ブレイディの発表によって、バッカニアーズはクリス・ゴッドウィン(ワイドレシーバー)、カールトン・デイビス(コーナーバック)、レナード・フォーネット(ランニングバック)、ライアン・ジェンセン(センター)といった選手たちをチームに残留するよう説得することができた。それだけではなく、ラッセル・ゲージ(ワイドレシーバー)とローガン・ライアン(セイフティ)をチームへ引き寄せることにも役立った。さらにシャキール・メイソン(ガード)をニューイングランド・ペイトリオッツからトレードで獲得し、アレックス・カッパ(ガード)に代わる攻撃ラインの右側を補強した。弱体化したNFCの中で、最高のチームのひとつになったようである。

3. シンシナティ・ベンガルズ

ベンガルズと同地区のライバルであるクリーブランド・ブラウンズはデショーン・ワトソン(クォーターバック)を獲得したが、ベンガルズが成功した今オフシーズンの補強はそれにも勝るかもしれない。最大の弱点であった攻撃ライン陣を一新したのだ。

ベンガルズは昨年のレギュラーシーズンでジョー・バロウ(クォーターバック)がリーグ最多の51回もサックされることを許し、プレーオフでも19回を加えた。この問題を解決するために、ベンガルズはアレックス・カッパ(ガード)、テッド・カラス(センター)、ラエル・コリンズ(オフェンシブタックル)と契約した。このチームが現在抱える最大の問題は2番目のコーナーバックを誰に任せるかであるが、それは2022年NFLドラフトで解決できる。

4. カンザスシティ・チーフス

チーフスがFA期間で行ったことを高く評価はできない。パトリック・マホームズ(クォーターバック)がいる限り、依然としていいチームではあり続けられるだろう。しかし、最高のレシーバーであるタイリーク・ヒルを失ったことで、スーパーボウル57制覇のチャンスはかなり小さくなった。ヒルと引き換えにトレードで獲得した選手たちは長期的にはチームの財産になるかもしれない。だが、激戦区となった今年のAFCコンファレンス内では大きく後れを取る結果になった。

ヒルに代わるワイドレシーバーとして、チーフスはジュジュ・スミス=シュスターとマルケス・バルデス=スキャントリングを加えた。しかし、それで足りるだろうか。そしてシャルバリウス・ワード(コーナーバック)とタイラン・マシュー(セイフティ)を失ったことで、守備陣の第2列は弱体化していないだろうか。こうした疑問がチーフスのパワーランキングにおける順位を他のAFCトップチームに下に置くには十分な要因となった。

Andy-Reid-Patrick-Mahomes-012422

5. ロサンゼルス・ラムズ

ラムズの状況はチーフスと似ている。依然としてカンファレンス内でトップチームのひとつではあるが、オフシーズンでいくつかの手痛い損失があった。ボン・ミラー(ラインバッカ―)を失ったことがその最大ではあるが、ダリオ・ウィリアムズ(コーナーバック)もFAで失ってしまった。

その間、3人の先発攻撃メンバーがチームを去った。アンドリュー・ウィットワース(オフェンシブタックル)が引退し、オースティン・コーベット(ガード)がカロライナ・パンサーズとFAで契約し、ロバート・ウッズ(ワイドレシーバー)がテネシー・タイタンズへトレード移籍したのだ。アレン・ロビンソン(ワイドレシーバー)をウッズの代わりに獲得したように、ラムズはこの3人の代わりを既に見つけている。しかし、攻撃ライン陣の戦力には少なからず疑問が残る。

これらの損失はラムズをプレーオフ争いから除外するほどのものではない。しかし、ミラーが抜けた穴と攻撃ラインの弱点を補強しない限り、トップチームにはなれないだろう。

6. ロサンゼルス・チャージャーズ

チャージャーズはこのオフシーズンで最も補強に成功したNFLチームのひとつだ。攻守両面で若返りを果たした。まずFAではトップ選手のマイク・ウィリアムズ(ワイドレシーバー)を3年総額6000万ドル(約73億5000万円)でチームに引き留めた。そして守備陣にはさらに大きな補強を行った。

ジョーイ・ボーサ(ラインバッカ―)に加えて、カリル・マック(ラインバッカ―)をトレードで獲得した。マックはNFL最優秀守備選手賞に選出されたこともある選手だ。この2人のコンビはパスとランのどちらの攻撃に対しても強力な守備力を作り出すだろう。さらにJ.C.ジャクソン(コーナーバック)も2列目に加わった。ジャクソンはキャリア通算で25個、直近2シーズンで17個のインターセプトを記録している。

スター選手ではないが、オースティン・ジョンソンとセバスチャン・ジョセフ=デイという2人の安定したディフェンシブタックルも加わり、チャージャーズの守備力は向上した。

7. グリーンベイ・パッカーズ

パッカーズは2022年NFLオフシーズンで最大の目標を達成した。アーロン・ロジャースをチームに引き留めたのだ。それ以外には目立った補強はしていない。

2021年で守備陣の主力を担った選手とは何人かと再契約を結んだ。デュボンドレ・キャンベル(ラインバッカー)、ラスル・ダグラス(コーナーバック)といった選手たちだ。攻撃ライン陣にはデビッド・バフティアリ(オフェンシブタックル)とエルグトン・ジェンキンス(ガード)が昨シーズンを棒に振った故障から復帰する。ロバート・トニャン(タイトエンド)も同様だ。

ただ、ダバンテ・アダムス(ワイドレシーバー)をトレード放出したことで、レシーバーのポジションに大きな穴が開いてしまった。今のところ、アレン・ラザード(ワイドレシーバー)が最有力候補である。パッカーズはパス攻撃面で、ベテラン選手を再生させるか、あるいは新人選手を抜擢するかの選択を迫られるかもしれない。

MVPを2回受賞したロジャースがいる限り、パッカーズのパワーランキング順位が大きく下がることはない。それでも、アダムスを放出したことは大きな痛手であり、スーパーボウルに再進出を果たすことは難しいと言えるだろう。

8. デンバー・ブロンコス

ブロンコスの昨シーズン戦績は7勝10敗だった。ヘッドコーチのビック・ファンジオが指揮を執り、テディ・ブリッジウォーターとドリュー・ロックの2人が先発クォーターバックを任された。今年からはラッセル・ウィルソンがクォーターバックに、そしてナサニエル・ハケットがヘッドコーチになる。

他にもアップグレードはある。

ブロンコスはAFCでトップを狙える存在になった。もともと攻撃陣には実力派選手が顔を揃え、守備力ではNFLでもトップクラスの力を持っていたのだ。ランディ・グレゴリー(ラインバッカー)と契約し、サンフランシスコ・49ersからD.J. ジョーンズ(ディフェンシブタックル)とクワウン・ウィリアムス(コーナーバック)の2人も加わった。これらの補強によって、2022-23年の守備力はさらに上がるだろう。

ブロンコスに不利な材料があるとすれば、それは強豪チームがひしめくAFC西地区に所属していることだ。もし新しいコーチング・スタッフとクォーターバックの連携に時間がかかるようなことがあれば、それを挽回することは難しくなる。2015年のスーパーボウル制覇以来となるプレーオフ進出がなるかどうか、来年1月にはブロンコスの名前を何回も聞くことになるだろう。

Russell-Wilson-120921-GETTY-FTR

9. サンフランシスコ・49ers

49ersはワイルドカード扱いになる。2022年はトレイ・ランスを先発クォーターバックとして起用する計画である。ランスは昨シーズンに2試合で先発し、鮮明な印象を残した。しかし、今シーズンにどこまで成長できるか。ランスのパフォーマンスがチームの浮沈を決めるカギとなる。

49ersは何人かの主力選手を失っている。ラーケン・トムリンソン(ガード)、クワウン・ウィリアムス(コーナーバック)、そしてD.J. ジョーンズ(タックル)らである。しかし、その代わりに将来性のあるシャルヴァリウス・ワード(コーナーバック)を獲得した。ランスが2021年NFLドラフト全体3位指名に相応しい実力を発揮できれば、49ersは今年も上位を狙えるチームである。

10. ダラス・カウボーイズ

チーフスやパッカーズと同様、カウボーイズも2022年NFLオフシーズンで何人かの主力選手を失った。年俸4000万ドル(約49億円)以上のクォーターバックを抱える以上、いつかは避けては通れないことだ。

4人のトップレシーバーのうち2人を失った。アマリ・クーパー(ワイドレシーバー)とセドリック・ウィルソン(ワイドレシーバー)だ。そして守備ライン陣からは2人の先発選手、コナー・ウィリアムス(ガード)とラエル・コリンズ(ディフェンシブタックル)を失った。パス・ラッシャーのランディ・グレゴリー(ラインバッカー)も一度は再契約に合意したが、結局チームから去った。

こうした損失はあるが、その一方でマイケル・ギャラップ(ワイドレシーバー)、ダルトン・シュルツ(タイトエンド)、レイトン・ヴァンデル・エッシュ(ラインバッカー)、そしてジャイロン・キアース(セイフティ)はチームに引き留めた。グレゴリーが抜けたパス・ラッシャーの穴はトレードで獲得したダンテ・ファウラー(ディフェンシブエンド)が埋めるだろう。だからこそ、カウボーイズにはプレーオフ進出を狙う力があるし、NFC東地区ではやや差は縮まりつつあるものの依然としてトップチームである。

11. クリーブランド・ブラウンズ

ブラウンズはデショーン・ワトソン(クォーターバック)を獲得し、それにアマリ・クーパー(ワイドレシーバー)も加わった。ブラウンズがAFC北地区を制することを予想する声は多い。実際のところ、スポーツブックメーカー各社のオッズはその通りになっている。3大メジャー社がブラウンズをベンガルズより同地区内で上位に挙げているのだ。

AFC北地区チーム FanDuel DraftKings Sports Interaction
クリーブランド・ブラウンズ +185 +175 +165
シンシナティ・ベンガルズ +220 +200 +205
ボルティモア・レイブンズ +200 +225 +215
ピッツバーグ・スティラーズ +850 +850 +800

これは驚くべきことである。ワトソンによってクォーターバックがアップグレードされたことには疑いの余地はない。しかし、このチームにはまだ大きな問題がいくつか残っているからだ。まず何よりも、ワトソンは私生活上のルール違反を理由にNFLから出場停止処分を受けるのではないか。その答えはおそらくイエスだ。そしてワトソンが不在になる期間中、ブラウンズはジャコビー・ブリセット(クォーターバック)を先発させるしかない。

それ以外にも、ブラウンズはワトソン獲得の資金を調達するために、JCトレッター(センター)を解雇し、守備ライン陣の大規模な再編に手をつけたところだ。クーパーを獲得した後で、ジャービス・ランドリー(ワイドレシーバー)も解雇したため、レシーバーの選手層も薄くなっている。

ブラウンズは2022-23年にプレーオフ進出を狙うチームであることは間違いない。全体的な戦力は高いし、センターと守備ライン陣に空いたポジションを狙う若手選手も多い。それでも、このチームをベンガルズや他のAFCチームより上に評価するのはまだ気が早すぎるだろう。まずはワトソンの状況がどうなるかを見なくては、AFCチャンピオンシップ制覇の可能性を語ることはできない。

12. テネシー・タイタンズ

タイタンズはFA期間の初期に所属選手との再契約に集中した。なかでも、ハロルド・ランドリー(ラインバッカー)との長期契約をフランチャイズ・タグ期限前に結べたことは大きかった。そしてベテランのベン・ジョーンズ(センター)とも再契約した。

そうした意味では、あまり活発なオフシーズンではなかった。しかし、ロバート・ウッズ(ワイドレシーバー)とオースティン・フーパー(タイトエンド)を低予算で獲得したことは評価しても良い。それぞれのポジションでチーム2番目をアップグレードできたからだ。

タイタンズが失った選手も何人かいる。まず、フリオ・ジョーンズ(ワイドレシーバー)を解雇した。2人の先発オフェンシブガード、ロジャー・サフォールドとデビッド・ケッセンベリーがチームを去った。それでも、ライアン・タネヒル(クォーターバック)と攻撃陣の実力は損失を補っており、AFC南地区を連破するチャンスは十分にある。

Derrick-Henry-011922-GETTY-FTR

13. インディアナポリス・コルツ

コルツはFA期間にいくつかのトレードによって大幅な補強に成功し、タイタンズとの差をなくした。

最初に、コルツはロック・ヤ・シン(コーナーバック)の代わりにヤニック・ガコウエ(ディフェンシブエンド)を獲得することで、パス・ラッシュをアップグレードした。ロバート・マシスが引退して以来、この部分が手薄だったのだ。ガコウエはその穴を埋めるには十分であろうと思われる。そして、もちろん、マット・ライアン(クォーターバック)を獲得したことは大きい。かつてのドラフト全体3位指名のライアンは、このチームがアンドリュー・ラックの引退以来手にする最高のクォーターバックになるだろう。

コルツにはまだ埋めるべき穴がいくつか残っている。2人の先発攻撃ライン要員を失ったが、マット・プライアー(タックル)はエリック・フィッシャーにとって代わると思われる。レシーバーとコーナーバックも手薄だ。これらの穴を埋めることができれば、コルツはトップ10チームに入ることができる。今のところは、ライアンとガコウエの加入したことだけでも、AFC南地区とAFCワイルドカード争いで脅威の存在になったと言える。

14. ラスベガス・レイダース

レイダースの今シーズンここまでの動きを一言で表現するならば、派手だったと言えるだろう。ます最初にジョシュ・マクダニエルズを元ヘッドコーチのジョン・グルーデンと暫定ヘッドコーチのリッチ・ビサッチアの後釜に据え、そのままの勢いでFA市場になだれ込んだ。

最も驚くべき動きはダバンテ・アダムス(ワイドレシーバー)をトレード獲得したことだった。レイダースはオークランドに本拠地を置いていた時代からずっと大物レシーバーを必要としていた。アダムスはまさにそのような選手だ。デレック・カー(クォーターバック)とはカリフォルニア州立大学フレズノ校でチームメイトだったこともあり、気心が知れている。このコンビはチームのパス攻撃能力を大きく高めるだろう。

守備陣に関しては、ヤニック・ガコウエ(ディフェンシブエンド)とロック・ヤ・シン(コーナーバック)とトレード交換することで、第2列の補強を図った。ヤ・シンは安定した実力を持つ先発要員であり、レイダースにとっては2番目のコーナーバックを任せられる選手だ。ガコウエの代わりとしてチャンドラー・ジョーンズ(ディフェンシブエンド)を獲得した。ジョーンズはキャリア通算で107.5回のラッシュ記録を持ち、ニューイングランド・ペイトリオッツ時代にはマクダニエルズの下でプレイしたこともある。

レイダースはまだ第2列にいくつか穴があり、攻撃ライン陣は2021年のオフシーズンで削減した影響が残ったままだ。しかし、意外なプレーオフ進出を果たした前年より、さらに戦力が上がっていることは間違いない。唯一の問題は、AFC全体と、西地区のすべてのチームも強化されているということだ。

15. ボルティモア・レイブンズ

レイブンズは今オフシーズンにあまり多くの材料がなかった。ラマー・ジャクソン(クォーターバック)との契約はそのうちに延長しなくてはならない。FA市場に出る多くのベテラン選手を抱え、そのうちの何人かは手放すことになった。それでもチーム全体としては戦力アップに成功したと言える。

レイブンズが結んだ最大の契約はマーカス・ウィリアムズ(セイフティ)だ。ウィリアムズは直近5年間ニューオーリンズ・セインツのスターだった選手だ。懸念材料だったチャック・クラーク(セイフティ)の隣でプレイするポジションの穴がこれで完全に埋まった。そして、引退したアレハンドロ・ビジャヌエバ(オフェンシブタックル)に代わり、モーガン・モーゼス(オフェンシブタックル)と契約した。さらにチームを去った何人かの守備ライン陣に代わり、マイケル・ピアース(ディフェンシブタックル)とも契約した。これらの動きは評価できる。

ブラッドリー・ボーズマン(センター)を失ったのはレイブンズにとって痛手になるかもしれないが、2022年NFLドラフトで14番目の指名権を活かして、例えばタイラー・リンダーバウム(アイオワ大)のような選手を指名することができるだろう。目立った損失と言えば、それひとつくらいで、これはレイブンズにとっては朗報ではないだろうか。昨シーズンに故障で途中離脱した多くの選手が2022年には復帰してくることで、チームはより良い位置を狙える状態にある。

16. アリゾナ・カーディナルス

カーディナルスのここまでのオフシーズンにはあまり良い話がない。カイラー・マーレイ(クォーターバック)を巡る騒ぎへの対応に追われたうえ、多くの主力選手が他チームへ去ってしまった。主だった名前だけでも、チャンドラー・ジョーンズ(ディフェンシブエンド)、クリスチャン・カーク(ワイドレシーバー)、ジョーダン・ヒックス(ラインバッカー)、チェイス・エドモンズ(ランニングバック)、A・J・グリーン(ワイドレシーバー)と言った選手たちだ。

その結果、カーディナルスの選手層は昨年のように厚くはない。若返りはしたが、才能に恵まれてはいない。マーレイ、ディアンドレ・ホプキンス(ワイドレシーバー)、そしてジェームズ・コナー(ランニングバック)ら、何人かの一流選手はチームに留まっているが、新たな戦力と呼べるのは元ドラフト1巡目指名選手のジェフ・グラッドニー(コーナーバック)くらいだ。

これではチームが上を目指すには足りないだろう。昨シーズン開幕7連勝をしたときのカーディナルスか、あるいは終盤6試合のうち5試合に敗北したカーディナルスか、我々はどちらのバージョンを目にすることになるだろうか。

kyler-murray-120521-getty-ftr.jpg

17. フィラデルフィア・イーグルス

イーグルスはFA期間にひとつの大型契約を結んだ。ハーソン・レディック(ラインバッカー)を加入させ、パス・ラッシュをアップグレードしたのだ。元テンプル大学のスター選手であり、直近2シーズンで23.5個のサックを成功させている。過去数シーズン、イーグルスが大きく欠いていた部分だ。

それ以外では、イーグルスは概ね停滞している。ジェイソン・ケルシー(センター)の復帰は攻撃ライン陣を助けるだろうが、ブランドン・ブルックス(ガード)が引退したことは痛手になる。ジェイレン・ハーツ(クォーターバック)を助けるレシーバーと2列目の補強がまだ必要だ。それでもNFCカンファレンスのワイルドカード枠争いに絡んでくるチームであるように見える。

18. ピッツバーグ・スティーラーズ

ベン・ロスリスバーガー(クォーターバック)の後に、ミッチェル・トゥルビスキー(クォーターバック)を呼び寄せることを補強と呼ぶのは奇妙に聞こえるかもしれないが、実際にはその通りなのだ。昨シーズンのロスリスバーガーは長いパスを投げられなくなっていた。パスの平均距離は6.7ヤードにしか過ぎなかったのだ。これは2021年シーズンのクォーターバック中、2番目に短い距離だった(最下位はデトロイト・ライオンズのジャレッド・ゴフ)。ワイドレシーバーにはチェイス・クレイプール、ディオンテー・ジョンソン、そしてジュジュ・スミス=シュスターと才能あふれる選手たちがいたにも関わらず、ロスリスバーガーは彼らを生かすことができなかった。

トゥルビスキーは2020年に9試合で先発し、パス平均距離は7.8ヤードだった。ロスリスバーガーより動きも速く、全体的にもっと試合を作ることができる。

トゥルビスキーに加えて、スティーラーズは2人の攻撃ライン要員を加えた。ガードとセンターができるスター選手のジェームズ・ダニエルズとメイソン・コール(センター)だ。リーバイ・ウォレス(コーナーバック)とマイルズ・ジャック(ラインバッカー)の加入はチーム最大の弱点を補うだろう。さらにブライアン・フローレスもコーチング・スタッフに加えた。

スティーラーズが昨年より良いチームになったことは間違いない。問題は激戦区のAFCでプレーオフ進出を狙うには上がつかえているということだ。

19. マイアミ・ドルフィンズ

ドルフィンズの2022年NFLオフシーズンの課題はオフェンスの補強だった。それは完了した。

ドルフィンズは3つの攻撃ポジションでカギとなる2人ずつの選手を加えた。まずワイドレシーバーにタイリーク・ヒル、そしてセドリック・ウィルソンも加わった。FA市場で最高の攻撃ライン選手だったテレン・アームステッド(タックル)とコナー・ウィリアムス(ガード)と契約し、攻撃ラインの左側を固めた。

これらの動きに加えて、2人のランニングバック、チェイス・エドモンズとラヒーム・モスタートとも契約した。トゥア・タゴバイロア(クォーターバック)は強力な武器を手に入れたことになる。3年目のシーズンを迎えるタゴヴァイロアが次の段階へ進めるかどうか、そしてブライアン・フローレス(前ヘッドコーチ)を欠いた守備陣が機能するか、この2つが問題になる。

20. ニューイングランド・ペイトリオッツ

ペイトリオッツが2021年にしたような補強を2022年も続けるかどうかは疑問である。ビル・ベリチック(ヘッドコーチ)のオフシーズン戦略の基本方針は低予算であるからだ。

その結果として、ペイトリオッツは多くの才能を失った。スター選手のJ.C.ジャクソン(コーナーバック)はチームを去り、2人の主力ガードをFA(テッド・カラス)とトレード(シャキール・メイソン)で失った。最も経験があるラインバッカーの2人、ドンタ・ハイタワーとカイル・ヴァン・ノイは未だに契約を結んでいない。

2年目のNFLシーズンを迎えるマック・ジョーンズ(クォーターバック)が飛躍することを期待する声は多い。しかし、ペイトリオッツの攻撃ライン陣は手薄になったし、レシーバーたちも補強できていない。現時点で、このチームがAFC内で浮上するチャンスに期待するのは楽観的に過ぎる。しかし、ベリチックはどんなときでもチームの競争力を高める方法を見出すことができるだろう。

Bill-Belichick-122621-GETTY-FTR

21. ミネソタ・バイキングス

バイキングスのファンにとっての朗報は、チームは第1列の7人に何人かの補強を成功させたことだ。2人のラインバッカー、ザダリウス・スミスとジョーダン・ヒックスが加入し、パス・ラッシュがアップグレードされた。悪いニュースとしては、コーナーバックが手薄であることと、攻撃力がほとんど向上していないことがあげられる。

カーク・カズンズ(クォーターバック)を擁するバイキングスが安定したチームであることは証明済みである。しかし、カズンズが成功するためには強力なサポートを必要としている。何人かのトップクラスの選手はいるが、それ以外の選手を引き上げて、プレーオフに進むことができるだろうか。未知数の部分が大きい。新ヘッドコーチのケビン・オコンネルとスタッフにとっては、厳しいチーム再建の道になるかもしれない。

22. ワシントン・コマンダース

カーソン・ウェンツ(クォーターバック)をトレードで獲得したことは、費用の面では高くついた。それでもコマンダースにとっては、ここ数年間の課題だったクォーターバックのアップグレードになったことは間違いない。実際のところ、ウェンツの2019年におけるパサー・レイティングは94.6で、これはコマンダースが直近5年間すべてで記録した数字より高いのだ。

シーズン 合計パサー・レイティング
2021 85.8
2020 80.1
2019 83
2018 78.1
2017 93.9

ウェンツはカーク・カズンズがコマンダースに在籍していた頃以来の最高のクォーターバックである。ウェンツは不安定であるが、それでもコマンダースは今よりもっと上を目指すことができる。

ウェンツがそれほどまでにアップグレードであるならば、コマンダースのパワーランキン

グが浮上しない理由はなにか。それはFAで他に目立った成果がなかったからだ。ブランドン・シェルフ(ガード)、ランドン・コリンズ(ラインバッカー、セイフティ)、そしてマット・ヨアニディス(守備ライン)といった主力選手を失い、新たに加入した戦力と言えばアンドリュー・ノーウェル(ガード)くらいである。

コマンダースはまだレシーバー、タイトエンド、ラインバッカー、2列目に補強を必要としている。この穴を埋めない限りは、ワイルドカード枠争いに絡むことは難しいだろう。ウェンツが2020年以前の調子に戻るなら話は別になるかもしれないが。

23. ジャクソンビル・ジャガーズ

ジャガーズは今年だけではなく、NFLの歴史においても、FA期間で最も活発に動いたチームのひとつである。スポーツ専門局『ESPN』のマイク・ライス記者はジャガーズがFAに費やした保証金額が1,7530万ドル(約214億7500万円)になったと報じている。これはそれまで最高額だった2021年のペイトリオッツより1230万ドル(約15億円)高額となる新記録である。

すべての契約が経済的観点からは賢明であったとは言えない。とりわけ、クリスチャン・カーク(ワイドレシーバー)と結んだ年俸1800万ドル(約22億円)の4年契約は破格の大盤振る舞いと呼べるだろう。それでも、ジャガーズが大幅な補強に成功したことには疑いの余地はない。カーク、ゼイ・ジョーンズ(ワイドレシーバー)、そしてエバン・エングラム(タイトエンド)はトレバー・ローレンス(クォーターバック)の強力な武器になる。フォーリー・ファトゥカシ(タックル)、フォイ・オルオクン(ラインバッカー)、そしてダリアス・ウィリアムズ(コーナーバック)はジャガーズの守備陣を全体的に底上げする。

ジャガーズはベンガルズのような躍進を遂げ、2022-23年のポストシーズン争いに食い込めるだろうか。それはさほど突飛な予想ではない。ローレンスがより良く守られ、本領を発揮できれば、ワイルドカード枠に近づくかもしれない。ただ、このチームにはまだ信頼性が欠けている。アーバン・マイヤー(前ヘッドコーチ)が1年間の在任中にかき回した混乱から、チームが完全に立ち直ったとは言えないからだ。

24. ニューオーリンズ・セインツ

セインツは将来のために避けようのない年俸抑制に取り組み続けている。今オフシーズンはデショーン・ワトソン獲得レースに参加し、そのための資金を作った。しかしワトソンを獲得できなかったため、その代わりにジェイミス・ウィンストン(クォーターバック)を呼び戻した。

ウィンストンは暫定的なクォーターバックとしては悪くない選択肢だ。しかし、テレン・アームステッド(オフェンシブタックル)をFAで失い、ウィンストンを支える戦力が弱体化してしまっている。それ以外には、攻撃陣の面々はあまり変わっていないが、ショーン・ペイトン前ヘッドコーチが退任した後で、彼らがどのように機能するかは未知数である。

守備面では、セインツが行った唯一の目立った動きと言えば、マーカス・ウィリアムズ(セイフティ)をマーカス・メイ(セイフティ)に代えたくらいだ。これは年俸抑制の一例でもある。

セインツは2022-23年もプレーオフに進出するのは難しいだろう。チーム再建がまだ途上なのだ。しかし、それもそろそろ終わっていなければいけない時期だ。少なくとも、次からのいくつかのオフシーズンでは、年俸抑制は解除しなくてはならない。

alvin-kamara-12022019-getty-ftr.jpg

25. デトロイト・ライオンズ

ライオンズは昨シーズンを0勝10敗1分けで始め、世間の嘲笑を浴びた。しかし、シーズン終盤は持ち直したし、常にハードなプレイを見せた。NFCでいくつかの有力チームが戦力を落としていることから、ライオンズの今シーズンの戦績はそれほど悪くはならないかもしれない。

ジャレッド・ゴフ(クォーターバック)は昨シーズンあまり多くの長いパスを投げなかったが、それはレシーバーに恵まれていなかったせいもある。今シーズンはDJチャーク(ワイドレシーバー)がFAで加入し、その状態はやや好転した。ライオンズの目立った補強はそれくらいではあるが、主力選手をチームに引き留めることには成功した。トレイシー・ウォーカー(セイフティ)、チャールズ・ハリス(ラインバッカー)、そしてジョシュ・レイノルズ(ワイドレシーバー)といった選手たちだ。

ライオンズはまだプレーオフを狙えるチームではない。しかしリーグの最下位グループからは脱出できるだろう。フリーエージェント市場での大きな動きはないが、ダン・キャンベル(ヘッドコーチ)はチームを正しい方向へと導いている、

26. シカゴ・ベアーズ

2022-23年のベアーズが躍進できるかどうかは、ジャスティン・フィールズ(クォーターバック)がどれだけ進化できるかにかかっている。フィールズにとっては困難な仕事になるかもしれない。ベアーズは攻撃ライン陣から3人の選手とアレン・ロビンソン(ワイドレシーバー)を失っているためだ。

守備陣も再編成中である。カリル・マック(ラインバッカー)を、第2巡目を含むドラフト指名権と引き換えにトレード放出したためだ。ベアーズはマックに代わる選手を見つけるだろうが、パス・ラッシュが戦力ダウンしたことは否めない。アキエム・ヒックス(ディフェンシブエンド)も戻ってきていない。

ベアーズには好材料を見つけることは難しい。新しい経営体制の下で、年俸抑制を図っているようにも見える。今シーズンは苦しい戦いになるだろう。

27. カロライナ・パンサーズ

パンサーズは先発クォーターバックにデショーン・ワトソンを獲得したかった。ラッセル・ウィルソンでも、他の誰でもよかったかもしれない。その代わり、チームが現在手にしているのはサム・ダーノルド(クォーターバック)である。

ブラッドリー・ボーズマン(センター)とオースティン・コーベット(ガード)が加入したことで、パンサーズの攻撃ライン陣の戦力は上がる。しかしダーノルドがクォーターバックにいるのでは、あまり多くは望めない。守備陣もコーリー・リトルトン(ラインバッカー)とザビエル・ウッズ(セイフティ)など、いくつかの補強があったが、それでも十分ではない。

28. ニューヨーク・ジャイアンツ

ジャイアンツは少なくとも攻撃ライン陣を立て直そうとしている。マーク・グロウィンスキー(ガード)、ジョン・フェリシアーノ(センター)、そしてマックス・ガルシア(ガード)と契約し、ダニエル・ジョーンズ(クォーターバック)の守りを強化した。控えのクォーターバックにタイロッド・テイラーも加えた。それ以外に大きな動きはない。

ジャイアンツはジョーンズを中心にチームを再建しようとしているが、それに必要な補強をFAで行っていない。年俸総額を抑制しようとしているためだ。そのため、与えられた戦力からすると、ジャイアンツの成績不振を責めることは難しい。それにしても、オフシーズンの動きも評価できるものではない。

daniel-jones-102220-getty-ftr

29. シアトル・シーホークス

チーム再建はシーホークスにとって正しい選択だった。NFLでも屈指の激戦区にあって苦しんでいたのは、ラッセル・ウィルソン(クォーターバック)の周りに十分な才能を集めることができなかったからに他ならない。ウィルソンをトレード放出し、その引き換えにドラフト高順位指名選手とノア・ファント(タイトエンド)を獲得したことは、長期的にはチームを押し上げるはずだ。

しかしながら、今季2022-23年のシーホークスはNFL最弱のチームのひとつに見える。ジミー・ガロポロ、ベイカー・メイフィールド、あるいは新人を獲得しない限り、先発クォーターバックにはドリュー・ロックを据えるしかない。そうなると、今季はラン攻撃と守備陣に頼らざるを得ない。

残念なことに、シーホークスの守備陣はむしろ弱体化している。ボビー・ワグナー(ラインバッカー)とDJリード(コーナーバック)がチームを離れ、昨シーズンからパスに対する防御力には問題があったためだ。大物クォーターバックを獲得しない限りは、シーホークスの2022-23年は最悪に近い結果になってしまうだろう。

30. アトランタ・ファルコンズ

たった5年前、ファルコンズの攻撃陣はNFL最高のひとつだった。それが現在では最悪のひとつになってしまっている。攻撃ライン陣は戦力不足であるし、直近の2年間で主力ワイドレシーバーを3人も失ってしまった。フリオ・ジョーンズ、カルバン・リドリー、そしてラッセル・ゲージだ。そしてマット・ライアン(クォーターバック)をドラフト3巡目指名権と引き換えにトレード放出してしまった。

マーカス・マリオタ(クォーターバック)と契約したことは、ファルコンズにとっては悪くない賭けだったかもしれない。健康でさえあれば、いい働きができる選手だ。そうであっても、攻撃陣にはコルダレル・パターソン(ランニングバック)とカイル・ピッツ(タイトエンド)以外に目ぼしい戦力がない。

ファルコンズは守備面ではコーナーバックにいいコンビを持っているが、それだけだ。NFCの最下位グループに位置するチームのように見える。

31. ニューヨーク・ジェッツ

ジェッツはフFAで良い仕事をした。2列目に2人の先発要員を加え、攻撃ラインの戦力アップを続け、長年の課題だった2人のタイトエンドと契約した。

ロバート・サレー(ヘッドコーチ)とジョー・ダグラス(GM)が懸命な努力をしているが、ジェッツは未だに再建の途上にある。守備陣にはもっと戦力が必要であるし、攻撃陣はザック・ウィルソン(クォーターバック)にもっとサポートを必要としている。2年目のウィルソンは進化するだろうが、ジェッツがワイルドカード枠争いに何らかの絡むとすれば、それは大きな飛躍と呼べるだろう。

32. ヒューストン・テキサンズ

テキサンズはここ数年トレードで放出した選手のことばかりが最大の話題になってきた。今年もまた大物クォーターバックのデショーン・ワトソンをブラウンズへ放出し、その代わりに6つのドラフト指名権を得た。資金面では大きな余裕ができたが、テキサンズが上位を狙えるようになるまでには長い時間がかかるだろう。

テキサンズの大部分は短期契約のジャーニーマン(流しの職人肌選手)たちと最近のドラフト指名選手で構成されている。3巡目指名で獲得したデービス・ミルズ(クォーターバック)に宝石の価値を見出しているようだが、2022-23年はそれを確かめる年になるかもしれない。

仮にミルズが凄い選手であったとしても、テキサンズはAFCの他チームからは大きく見劣りする。ここ数年で3人目のヘッドコーチとなるラビー・スミスはNFLには5年振りの復帰であり、その手腕は未知数だ。

(翻訳:角谷剛)

▶アメフト観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう

Jacob Camenker

Jacob Camenker Photo

Jacob Camenker first joined The Sporting News as a fantasy football intern in 2018 after his graduation from UMass. He became a full-time employee with TSN in 2021 and now serves as a senior content producer with a particular focus on the NFL. Jacob worked at NBC Sports Boston as a content producer from 2019 to 2021. He is an avid fan of the NFL Draft and ranked 10th in FantasyPros’ Mock Draft Accuracy metric in both 2021 and 2022.