2022-23シーズン開幕目前、NFL先発QB格付けランキング:不動の座につくのはやっぱりブレイディ、2番手グループにはカズンズら

Joe Rivera

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現地時間9月8日、NFLの2022-23シーズンがいよいよ開幕する。ここでは、ゲームの行方を左右する各チームのクォーターバックたちを格付けしてランキング。32チームの各QBたちの資質と期待値から5つにグループ分けし、ジョー・リベラ(Joe Rivera)記者が解説する。

2022-23シーズンを占う、司令塔ランキング

NFLのチームは2種類に分かれる。チームの象徴ともいえる不動のクォーターバック(以下、QB)を持っているチームと、持っていると考えているチームだ。

NFLのチームがチームの核となる司令塔を見つけることは簡単ではない。現在のNFLがどれだけ攻撃に偏重しているにもかかわらず、各チームが唯一無二の選手を見つけるための窓はかつてないほど小さくなっている。

例えば、サム・ダーノルドを思い出してほしい。2018年ドラフトで全体3位指名を受けたダーノルドはニューヨーク・ジェッツに3年間在籍し、プロ4年目はトレード先のカロライナ・パンサーズでパッとしなかった。同じ年のドラフトでクリーブランド・ブラウンズから全体1位指名を受けたベイカー・メイフィールドは、今ではパンサーズの先発QBの座を射止めたと思われている。このようにQBたちを巡る糸は目まぐるしく交錯しているのだ。

先に述べたように、NFLにはチームの核となる司令塔を持つチームと、それを持つと考えているチームがある。しかし、全32チームの先発QBたちの安定性に焦点を当てると、さらに細かく5つのグループに格付けすることができる。

  • 不動の座グループ:チームを象徴するQBであることに疑う余地がない選手
  • 2番手グループ:やや格が落ちる選手と、若い有望株選手
  • 売り出し中グループ:成長途上であるが、実力を証明しないといけない選手
  • 崖っぷちグループ:先発QBにはなれても、厳しいシーズンが予想される選手
  • 穴埋め要員グループ:チームの急場をしのぐだけの選手

以下は全32チームのQBを格付けグループごとに並べたものだ。

不動の座グループ

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トム・ブレイディ(タンパベイ・バッカニアーズ)

ブレイディに関して、疑問はひとつしか残っていない。あとどれだけ現役でいるのか、である。

ブレイディが(もう一度)引退を発表すれば、フォックス・スポーツとの高額契約が待ち構えている。すでに一回、引退とその撤回を行なったことで、引退後の未来図がかえって少し見えてきたと言えるかもしれない。もしブレイディがもう一度ロンバルディ・トロフィー(スーパーボウルの優勝トロフィー)を獲得してからの結末を望んでいるとすれば、それは2022年になるか、あるいは2023年になるかは分からない。しかし、引退するまでブレイディがほかのチームに移籍することはないだろう。

パトリック・マホームズ(カンザスシティ・チーフス)

チーフスの攻撃陣は昨季から以前よりやや破壊力が落ちた。基本に立ち戻る必要があるだろう。マホームズはシーズン序盤にあまり調子が上がらなかった。それでもAFCチャンピオンシップ・ゲームまで駒を進めた。

マホームズがNFLでも屈指の存在であることは、AFCディビジョナルでのバッファロー・ビルズ戦で証明された。ジュジュ・スミスシュスター、マルケス・バルデス=スカントリング、スカイ・ムーアといった選手たちでチーフスのワイドレシーバー陣は刷新されている。マホームズが彼らをどう使い、新たな地平へと登りつめるかが見どころである。

ジャスティン・ハーバート(ロサンゼルス・チャージャーズ)

ハーバートに関する唯一の懸念はコーチである。

ハーバートは2020-21年のルーキーシーズンに見せたパフォーマンスがまぐれではなかったことを、2021-22シーズンの素晴らしい活躍で証明した。すべての分野で目覚ましい成長を遂げたが、ブランドン・ステイリー(ヘッドコーチ)が試合中に下した決断はしばしばチームを混乱させた。特に2021-22シーズンの最終戦はひどかった。

ステイリーの采配が的を射るようにさえなれば、ハーバートがいる限り、チャージャーズはトップを狙うことができるチームだ。強敵がひしめくAFC西地区にあっても、である。

ジョー・バロウ(シンシナティ・ベンガルズ)

バロウは誰にも不可能と思われたことを成し遂げた。低迷を続けていたベンガルズを、プロ入りからたった2シーズンでスーパーボウル56まで導いたのだ。バロウのフィールド上でのパフォーマンスに加えて、ロッカールームにおけるリーダーシップによるところが大きい。

バロウは常に冷静である。大学時代のチームメイトであるジャマール・チェイス(ワイドレシーバー)とのコンビはNFLでも威力を発揮している。バロウがNFL全体でも一握りしかいない最高峰の選手である所以だ。

ジョシュ・アレン(バッファロー・ビルズ)

アレンはNFLで最もユニークな才能を持った選手かもしれない。大柄でありながら、機動力に富み、そして不思議な勝負勘を持っている。MVP級の司令塔へと登りつめてきた道のりはNFLの歴史でも他に類を見ない。

低迷していたビルズがスーパーボウルを狙える位置まで上ってきたのはアレンの功績だ。そしてその勢いは止まるどころか、衰える様子も見えない。

アーロン・ロジャース(グリーンベイ・パッカーズ)

2021-22シーズンを通して、ロジャースとパッカーズの関係はいくらかギクシャクしていたが、それでもロジャースは2年連続のMVPを受賞するという形でシーズンを終えた。

ロジャースは今も2回目のスーパーボウル制覇を狙っている。パッカーズはここ数年間、マット・ラフルアー(ヘッドコーチ)の下で上手く機能している。そのことはチームにとって(ロジャースの新たな契約にとっても)良き兆候である。

ラマー・ジャクソン(ボルティモア・レイブンズ)

ジャクソンは契約に関してゴタゴタが続いており、このグループに属する他の司令塔たちと比べると、その座はやや不安定に見える。しかし、どうやらその問題も2022-23シーズン開幕までには解決するようである。

ジャクソンもまたNFLに存在するユニコーンである。グレッグ・ローマン(攻撃コーディネーター)率いるタレント集団との連携も完璧だ。2021-22シーズンはジャクソンにしてはやや不調に終わったが、今シーズンは再びMVP級の活躍を見せても不思議ではない。

マシュー・スタッフォード(ロサンゼルス・ラムズ)

スタッフォードの2021-22シーズンは疑う余地なくチームの核となる司令塔の座を安泰にした。多くの人はそれを否定したがっていたにもかかわらずだ。

このグループに属するほかの司令塔たちと同様、スタッフォードとショーン・マクベイ(ヘッドコーチ)率いる攻撃陣との連携は完璧だ。だからこそ、昨シーズンのラムズは地元でのスーパーボウルを制覇するという、これ以上ない結果を出すことができた。

スタッフォードが健康である限り、あるいは昨シーズンのように故障と上手く折り合いをつけることができれば、ラムズは今シーズンもスーパーボウルを狙える位置にある。

ダック・プレスコット(ダラス・カウボーイズ)

プレスコットに関しては疑問符がつく。リーグきってのQBであることは間違いないが、どのチームにいるべき選手なのだろうか。これについては議論の余地がある。

カウボーイズはプレスコットと長期の契約を結ぶことに躊躇していたように見えた。しかし、結局カウボーイズはそれを選び、プレスコットは見事にその期待に応えてみせた。長期契約を結んでいることと、チームからの信頼が厚いことで、プレスコットはこのグループに属する資格がある。少なくとも、近いうちに別のチームに移籍することはない。

2番手グループ

(Getty Images)

ライアン・タネヒル(テネシー・タイタンズ)

タネヒルがタイタンズに移籍してからの復活劇は1年半にも及んだ。まだ故障が完全に癒えたとは言えないながらも、2021-22シーズンでタネヒルは21個のタッチダウンを成功させ、14個のインターセプトを喫した。プレイオフではベンガルズに僅差で敗退した。

タネヒルがタイタンズに残る時間はどうやら短くなってきたようだ。チームの2番手QBであるマリク・ウィリスはすでにプレシーズンで出番を獲得している。もしタネヒルが2020-21シーズンのような成績を残せないようであれば、今シーズンがタイタンズでの最後のシーズンになるかもしれない。

ラッセル・ウィルソン(デンバー・ブロンコス)

ウィルソンは優れたQBであるが、シアトル・シーホークスでの最終年は明らかに調子を落としていた(指を怪我した影響もあるが)。そしてキャリアを通して好不調の波が激しい。

新天地に移り、シーホークス時代のようにラン攻撃を重視しない攻撃戦略は、ウィルソンを再びリーグ屈指のQBグループへ押し戻すかもしれない。ウィルソンは契約最終年のシーズンを迎え、今のところ更新の気配はない。

カーク・カズンズ(ミネソタ・バイキングス)

カズンズはバイキングスがほかに良い選択肢を持たず、それでも手放すことは恐れたがゆえに、チームに留まっているような選手に見える。

QBとしては厳しい立場に置かれながら、カズンズのこれまでの貢献度は間違いなく平均以上だった。しかし、QBのトップ10に入るとは言い難い。それで十分ではないか、と言う人も多いだろう。

バイキングスは新たなヘッドコーチとしてケビン・オコンネルをチームに迎えた。今シーズンの攻撃陣は様変わりするだろう。カズンズにはチームをプレイオフへ導くことが期待されている。

ザック・ウィルソン(ニューヨーク・ジェッツ)

ジェッツのトレーニングキャンプでウィルソンは好調を伝えられていたが、不運な怪我に見舞われ、シーズン序盤の何試合かを欠場することになってしまった。ウィルソンがどれほど成長したかどうかをNFLが知るまでには、しばらく時間がかかる模様である。

ウィルソンの潜在能力は抜群だ。強肩であり、機動力に富み、意表をついたプレイを選択する度胸もある。攻撃陣を活かす方法を学ぶこと、シーズンを通して健康であること、ジェッツがウィルソンに望むのはこのふたつだ。

ウィルソンは2021年ドラフト組である。同年組にはトレイ・ランスとトレバー・ローレンスがおり、3人ともこの2番手グループに属している。彼らが真にチームの核として認められるには、まだまだ証明しなくてはならないことが多くある。

トレイ・ランス(サンフランシスコ・49ers)

ランスには49ersの先発QBとなる道が開かれている。非公式であるが、今シーズンオフからチームがジミー・ガロポロと袂を分かつ動きを見せているからだ。

ランスの能力は未知数である。2021年には2試合にしか出場せず、ボールを触ったのも179回でしかない。身体
能力はずば抜けており、カイル・シャナハン(ヘッドコーチ)率いる攻撃陣にとって大きな戦力になるだろう。しかし、それはまだ証明されたわけではない。ランスの才能がNFLでどう活きるか、新たなヘッドコーチの戦略に
フィットするか、今シーズンの見どころのひとつになる。

トレバー・ローレンス(ジャクソンビル・ジャガーズ)

ローレンスの2021-22シーズンは不運が重なった。前ヘッドコーチのアーバン・マイヤーがその多くの責を負うが、チーム内に故障者が続出したこともあった。それでも、ローレンスが2021年ドラフト全体1位指名に相応しいパフォーマンスを見せたとも言い難い。

ジャガーズはローレンス獲得に大金を投じ、さらに何人かの才能ある選手を手に入れた。なかでもクリスチャン・カーク(ワイドレシーバー)の契約はあっと驚くものだった。そしてQBの能力を引き出すことでは定評があるダグ・ピーダーソンを新たなヘッドコーチに迎え入れた。ローレンスにとっては好材料が増えた。

ジャガーズの攻撃陣にはまだいくらかの課題は残っているが、それでもローレンスが実力を発揮するための地盤はある程度整ったとみてよい。多くのファンが「何十年にひとり」と認めた評価が正しかったかどうかが明らかになるだろう。

デレック・カー(ラスベガス・レイダース)

カーがQBとしてリーグのどの位置にあるかは議論の的になってきたが、今シーズンはさらに厳しいものになるだろう。AFC西地区は才能あるQBで溢れているからだ。

好むと好まざるとにかかわらず、カーはパトリック・マホームズ、ジャスティン・ハーバート、そしてラッセル・ウィルソンと比べられることになる。カーは1シーズンでタッチダウン30個以上を記録したことがこれまでのキャリアで1度しかない。それも2015年のことだ。カリフォルニア州立大学フレズノ校でチームメイトだったダバンテ・アダムス(ワイドレシーバー)がチームに加わったことで、レイダースの攻撃力は増すはずである。

売り出し中グループ

(Getty Images)

カイラー・マレー(アリゾナ・カーディナルス)

マレーに関するニュースはカーディナルスとの間に何かしら新たな展開があったことを想像させるが、その詳細はなおも不明である。

カーディナルスがマレーに保証した契約金額は膨大なものだ。しかし、その契約条項にはいくつか不可解な部分があった。悪名高い「自習時間」条項もそれに含まれる。もっとも、この条項はあとになって契約から取り除かれた。

チームを象徴するQBなら、動画を見て勉強しろ、などと命令されることなどありえない。そしてマレーは自分が準備不足のQBとして見なされることに対して強く反発した。それでもカーディナルス組織側がマレーには何かしらの改善が必要であると考えたことは、両者の間には解決するべきことが多く残っていることを意味する。

マレーはNFLで4年目のシーズンを迎える。機動力もパス能力も2022年のNFLにおいて完璧の素材だ。しかし、次のレベルに上がるためには、シーズン終盤からの勝利数を増やすことが必要とされている。

マック・ジョーンズ(ニューイングランド・ペイトリオッツ)

ジョーンズとペイトリオッツ攻撃陣との連携は上手く行っているように見える。しかし、2022-23シーズンに向けて、小さな懸念がある。

トレーニングキャンプに関する報道のなかには、ペイトリオッツ攻撃陣の問題を指摘するものがある。コーチングスタッフのひとりであるマット・パトリシアが指令を出していたが、その肩書は攻撃コーディネーターではない。どうやら、チームは新たな布陣を調整している模様である。

同じ年にドラフトで指名されたほかのQBと比較すると、ジョーンズはさほど天性の身体的才能に恵まれているわけではなさそうだ。しかし、ルーキーシーズンの成績は評価されるべきものだった。ペイトリオッツを象徴するQBに成長するまで、それほど長くはかからないだろう。

デイビス・ミルズ(ヒューストン・テキサンズ)

混乱を極めた2021-22シーズンのテキサンズにあって、ミルズは誰もが驚く成長を遂げた。

アマチュア時代のミルズは、ある時点では最優秀のオールラウンダー選手と思われていた。しかし故障があったため、テキサンズは2021年ドラフトの3巡目でミルズを指名するという幸運を得た。

ミルズがチームを象徴するようなQBと見なされるまでには、証明するべきことはまだ多く残っている。しかし、2021-22年シーズンを通してゴタゴタが続いたチーム内にあって、ドラフト3巡目とは思えないような成績を挙げたことは、テキサンズにとって喜ばしい拾い物だったはずだ。

崖っぷちグループ

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(Getty Images)

ジェイレン・ハーツ(フィラデルフィア・イーグルス)

ハーツはイーグルスとの契約3年目を迎える。新ヘッドコーチのニック・シリアニの指揮で十分な働きをした。しかし、イーグルスはこのオフシーズン中に補強策を模索していると思われていた。

噂にあがった補強策とはラッセル・ウィルソンとデショーン・ワトソンのことである。2人ともハーツよりは格上のQBだ。しかし、チームはハーツを先発QBとして信頼を置き、他のQBを探すことはなかった。

トゥア・タゴバイロア(マイアミ・ドルフィンズ)

タイリーク・ヒル(ワイドレシーバー)はドルフィンズに移籍して以来、タゴバイロアを褒めたたえるコメントを連発している。3年目のシーズンを迎えるQBにとっては安心材料のはずだ。

タゴバイロアはNFL入り後ここまで相次ぐ故障に悩み続けてきた。新ヘッドコーチのマイク・マクダニエルはヒルとジェイレン・ワドル(ワイドレシーバー)をフルに活かす道を探すはずだ。タゴバイロアにとっては言い訳がきかないシーズンになる。

ダニエル・ジョーンズ(ニューヨーク・ジャイアンツ)

ジョーンズに関しては分からないことが多い。

  • もしジョーンズが期待以上の活躍をしたら、ジャイアンツは契約を更新するべきなのか。
  • もしジョーンズが平均程度の成績で終われば、ジャイアンツはドラフトで新しいQBを指名するべきなのか。
  • もしジョーンズが不調で終われば、ジャイアンツはトレード放出をしなかったことを後悔するのか。

ジョーンズはここまでターンオーバー(オフェンスがディフェンスにボールを奪われて攻守交代すること)と故障の問題を抱えてきた。新たな攻撃陣との連携も課題だ。4年目のシーズンを迎え、問題は山積みで、まさに正念場に立たされている。

カーソン・ウェンツ(ワシントン・コマンダース)

インディアナポリス・コルツはウェンツを再生させることはできなかった。再びNFC東地区に戻ってきたことがウェンツに良い結果をもたらすだろうか。

コマンダースはノースカロライナ大学のサム・ハウエルを2022年NFLドラフトの5巡目で指名した。しかし、ハウエルはまだウェンツにとって緊急の脅威にはならない。コマンダースのヘッドコーチであるロン・リベラはそれほどQBというポジションに重きを置いていないようでもある。そのことがウェンツを巡るトレード騒動に表れている。

ジャスティン・フィールズ(シカゴ・ベアーズ)

フィールズを崖っぷちグループに入れたのは、昨シーズンの成績が不調であったからであって、フィールズの将来が危ういという意味ではない。

ただし、ベアーズにおける将来は疑問符がつく。フィールズをドラフト指名したときの首脳陣がチームからいなくなっているのだ。新GMのライアン・ポールズは前任者から受け継いだQBの問題を注視している。フィールズは2021年シーズンにも時々はっとするような輝きを見せた。その能力をもっと安定して発揮できるかが焦点になる。

もしベアーズがひどいままで終わり、フィールズもぱっとしなかった場合、ベアーズは2023年のNFLドラフトでQBを獲得するチャンスが出てくる。そうなるとフィールズは別のユニフォームを着て来シーズンを迎える可能性が高くなる。もしフィールズが真の実力を発揮すれば、ベアーズはQBについて悩まなくてもよくなるはずだ。

ジャレッド・ゴフ(デトロイト・ライオンズ)

ライオンズのワイドレシーバー陣は補強され、攻撃ラインは健康であればNFLでも最高クラスだ。ゴフはこれからのキャリアを左右する重要なシーズンを迎える。

ライオンズはやや小粒だが興味深い素材が揃っていた2022年ドラフトでQBの獲得を選択しなかった。その代わり、トレードで得た指名権でジェイムソン・ウィリアムズを獲得して、ワイドレシーバー陣を補強した。再構築が急務であったとはいえ、かなり危険な試みのようにも思える。

穴埋め要員グループ

(Getty Images)

ミッチェル・トゥルビスキー(ピッツバーグ・スティーラーズ)

トゥルビスキーは次の、そしてたぶん最後の、NFL先発QBになるチャンスを迎える。2022年ドラフト1巡目指名のケニー・ピケットに今年何事もなければ、この新人がポジションを奪う日はさほど遠くないと思われるからだ。

マット・ライアン(インディアナポリス・コルツ)

コルツはこれまでもベテランQBたちが引退直前に見つける臨時の居場所か最終寄港地になってきた。フィリップ・リバース(2020年)、カーソン・ウェンツ(2021年)、そして今はマット・ライアンである。

コルツがライアンをトレードで獲得したことは間違いではない。2021-22シーズンの成績を見る限り、ライアンにはまだ余力が残っている。しかし、ライアンの年齢(37歳)と契約内容からすると、引退の日は近づいていると見るべきだ。ライアンが2023年以降コルツに留まらないことは明らかだ。

マーカス・マリオタ(アトランタ・ファルコンズ)

ライアンが去ったあとのファルコンズで、代わりに入ったのがマーカス・マリオタである(そして新人のデズモンド・リダー)。ライアンはかつてヘッドコーチのアーサー・スミスと短い期間だが同じチームにいたことがある。スミスがテネシー・タイタンズの攻撃コーディネーターとして初のシーズンだった2019年のことだが、その頃マリオタはライアン・タネヒルの控えに置かれていた。

リダーの評価からすると、マリオタの2年契約は「1年は確約、2年目以降についてはあとで決める」といったものになりそうだ。1年でマリオタを解雇した場合に発生する違約金が極めて少額であることも考慮の対象になるはずだ。

ベイカー・メイフィールド(カロライナ・パンサーズ)

メイフィールドはパンサーズ移籍後の今シーズンで好成績を挙げ、次のオフシーズンで大型契約を狙いたいところだろう。それがパンサーズになるか、別のチームになるかは分からないが。今のところ、メイフィールドが結んだのは1年契約であり、今シーズンに好成績を挙げれば、金額を上積みさせるチャンスがある。

メイフィールドはすでに(とても低い)ハードルをひとつクリアしている。先発QBの座をサム・ダーノルドとの競争に勝ち、手に入れたのだ。次のハードルは、健康を維持することだろう。

ジェイミス・ウィンストン(ニューオーリンズ・セインツ)

ウィンストンはセインツから期待されていたが、昨シーズン途中で前十字靱帯(ACL)断裂の怪我により離脱した。しかし、セインツはウィンストンをQBとして長期的な視野で評価している。新ヘッドコーチのデニス・アレンが指揮するこのチームには疑問が多い。なかでも、その最大の焦点はウィンストンである。

ジャコビー・ブリセット(クリーブランド・ブラウンズ)

ブリセットは出場停止処分を受けたデショーン・ワトソンの穴埋めとして、ブラウンズの先発QBに指名された。これまで多くのチームを渡り歩いてきた「ジャーニーマン」である。急場をしのぐためのスポット的な役割以外は今のところ期待されていない。

ドリュー・ロック(シアトル・シーホークス)

ロックであっても、あるいはジェノ・スミスであっても、ラッセル・ウィルソンをトレード放出したあとの確固としたプランをシーホークスが持たなかったことは不可解だ。あるいは、チーム組織側がロックの急成長に期待をかけているのかもしれない。それとも今シーズンはそもそも諦め、来年のドラフトで高順位指名権を得ることで、ほかのQB獲得を狙っているとも考えられる。どちらかと言えば、後者ではないだろうか。

原文:NFL QB stability rankings: From franchise guys like Tom Brady to wannabes like Kirk Cousins, and everyone in between
翻訳:角谷剛
編集:スポーティングニュース日本版編集部

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