選手たちのコメントから垣間見えた、イーグルスメンバーの固い絆

David Steele

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フィラデルフィア・イーグルスの選手たちは、伝統あるホワイトハウスへの式典を欠席することになった。そして彼らはソーシャルメディアや自身の声をつかって、メッセージを発信した。

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イーグルスの選手たちはそれぞれにそれぞれの思いを主張したが、彼らが語ることはすべて、同じ結論を共有していた。ホワイトハウスは、イーグルスのスーパーボウル制覇を祝うため5日に予定していた表敬訪問を中止することで、彼らの団結を阻もうとしたのかもしれない。しかしイーグルスの選手たちは散り散りになることも黙り込むこともしなかった。

「僕たちは今週まで100パーセント団結してきた。これ以上団結するのは数学上も不可能だ」ディフェンシブエンドのクリス・ロングは、イーグルスのロッカールームでそう言った。

ロングと共に声を大にしてNFL選手の権利を守り抜こうとしていたマルコム・ジェンキンスは、いち早くホワイトハウスへの訪問を行わないと宣言した一人だ。彼はロングから12個ほどロッカーを挟んだ所で、大勢の記者に向かってメッセージボードを掲げた。その内の一つには「クリス・ロングは年俸全額をエデュケーショナル・イニシエーチブスに寄付した」と記されていた。

記者に対して口を開いた選手や、短いながらも質問に応じる姿勢を見せた選手たちは皆、すべての質問に真っ向から応じていた。質問の内容は、ドナルド・トランプ大統領からの招待が取り下げられたことから、式典が中止になる経緯をどのように見守っていたのか、トランプ大統領がチームに対して行ったことや、ホワイトハウスでのセレモニーへ出席しようとしていた選手の人数や名前にまで至った。

チームのオーナーであるジェフリー・ルーリーは4日の夜に渡航を中止し、唯一の声明となる、実に中途半端なコメントを発表した。そして、ハウイー・ローズマンGMは一切のコメントを控えている。同日、ダグ・ペダーソンヘッドコーチは8分間を超える会見を開いたが、優勝チームがホワイトハウスで表彰されることがいかに“特別”であるかという内容以外の質問は避け続けた。

自身のコメントを求められたペダーソンコーチは、「これまでにあなた方が見聞きしたことがすべてだ。議論の余地はない」と話した。

ドナルド・トランプ大統領は、イーグルスとその選手たちに対し「彼らの行いはプレジデントの意に反するものだ。プレジデントは、国家斉唱の際には誇りを持って立ち上がるべきだと主張している」と発言し、選手たちの決断が「誠意を欠いた」ものであり、「彼らはファンを見捨てた」と批判した。その後、少なくともイーグルスがミーティングを終えた6日午後までに、NFLコミッショナーであるロジャー・グッデルの口から大統領のその発言に対するコメントは出ていない。

グッデルについて尋ねられたロングは「彼は何と答えた?」と記者団に問うた。彼が未だ無言を貫いていることを伝えると、ロングは次のように答えた。「彼は一言も発していないのかい? なら、僕は彼をかばう発言はしないよ。彼が選手たちのために立ち上がろうとしないのなら、僕には一切関係のない話だからね」。

「僕のチームメイトは皆すばらしい人たちだ。信心深い人や地域のために奉仕している人がいて、立場の弱い人を助けている人もいる。そんなこと、本当だったらしなくてもいいことなのに。だから、コミッショナーが何をしたいのかは知らないけど、僕には関係のないことさ」

ロング自身もトランプ大統領へ向けてのコメントは控えたが、かつてニューイングランド・ペイトリオッツ時代にホワイトハウスの式典をボイコットしたことを取り上げ、加えて「ドナルド・トランプについては、僕はこの3年間たくさん話してきた。これ以上話す必要があるとは思えないよ」と発言した。

彼はトランプ大統領への発言こそ避けたが、大統領いわくイーグルスのファンらしい(だがとてもそうとは思えない)出席者たちについては、意見を漏らした。

ロングはすました表情で「知らないよ」と語り、「その有名人たちを知っているか、IMDbを見て確認しないとね」と続けた。

一方、タイトエンドのザック・アーツは、現在と過去のチームメイト(主に、現在カロライナ・パンサーズ所属のトリー・スミス)と共に、試合前後に祈りを捧げるためにヒザをついたイーグルスの選手をあたかも国歌斉唱中にヒザをついたかのように報道したFOXニュースの記事を非難した。その後、FOX側は写真の誤用は「手違い」であったとツイートした

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画像: イーグルスTEザック・アーツ「このロッカールームの仲を引き裂くことは何者にも不可能だ」

アーツは、ロッカールーム内に信心深い選手がどれだけいるのかを引き合いに出し、「正直言って、僕が望むこの話の行く末は、FOXが僕に謝罪するのかしないのか、はっきりしてもらうことだけだ。彼らが謝るのが筋だと思っていたが、べつに彼らの謝罪を必要とはしていない」。

センターのジェイソン・ケルスは、チームメイトたちの意見に賛同し、様々な人がいる大きな組織で起こりがちな問題をものともせず、彼らはお互いを認め、尊敬しあっていると主張した。

「率直に言うと、この国はもう少しこの事に関心を向けることができると思うよ」。彼はそう語った。「僕たちは選手たちによるすばらしいグループを作り上げた。すばらしい街にすばらしいチームとすばらしい組織を有している。僕たちは特別なグループだ。昨シーズンの結果からも分かるように固い絆で結ばれているし、これからもそれを証明していく」。

招待が取り消される以前は10名弱の選手が式典に出席するらしいと報道されていたが、ケルスは「きっと皆、各々自分の判断でそう決めたんだよ。チームや他の選手からのプレッシャーを感じていた選手はいないと思うよ」と語った。

アーツもこの意見に同意した。「皆の心がいつも一つであることはロッカールーム内の全員が分かっていることだと思う。皆が愛と尊敬の念を持ってお互いに接していたよ」。そう語ったアーツは続けて、「このロッカールームの仲を引き裂くことは何者にも不可能だ」と話した。

大勢の記者団が全米から駆けつけた今月の練習でも、アーツや他のイーグルスの面々は、少なくとも表向きは、困惑の表情を見せはしなかった。

「今回のホワイトハウスの一件よりも難しい難問に対処してきた」アーツはそう語る。「だから、今日もいつもと変わらない一日さ」。

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原文:Signs, words, actions prove Eagles not shaken by White House snub

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

David Steele

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David Steele writes about the NFL for Sporting News, which he joined in 2011 as a columnist. He has previously written for AOL FanHouse, the Baltimore Sun, San Francisco Chronicle and Newsday. He co-authored Olympic champion Tommie Smith's autobiography, Silent Gesture.