パパ・ジョンズのようなNFLのスポンサーたちがパニックになるのも不思議ではない。2017年のレギュラーシーズンも折り返し地点を迎えたが、かつてはドル箱だったテレビ放送の数字はいまだ下降しているのだ。
『Sporting News』が入手したニールセン社の分析によると、シーズン開幕からの8週間で平均視聴者数は1477万2000人。2016年シーズン前半戦の1554万9000人から5%のダウンだ。サンフランシスコ・49ersのコリン・キャパニックが国歌の途中でひざまずき、人種差別に抗議して議論を呼ぶ以前の2015年同時期は、1816万7000人。今季はそれから18.7%もダウンしている。
先週末は日曜午後に2つのビッグマッチがあった。シアトル・シーホークスがヒューストン・テキサンズを41-38と下した試合と、ダラス・カウボーイズがライバルのワシントン・レッドスキンズを33-19で沈めた試合だ。視聴者を引きつけるカウボーイズですら、数字を救うことはできなかった。
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ニールセンによると、第8週の平均視聴者数は1268万5000人。2016年第8週の1352万6000人からは6.2%、2015年第8週の1703万6000人からは25.5%のダウンだ。『Sports Media Watch』によれば、カンザスシティ・チーフスがデンバー・ブロンコスを29-19で下したマンデーナイトの一戦は、「マンデーナイト・フットボール」の第8週で過去最低の視聴率・視聴者数だった。
パパ・ジョンズ創設者のジョン・シュナッターは11月1日の会議で、自身のピザチェーンの売り上げに損害を与えたとして、国歌をめぐる論争とロジャー・グッデルNFLコミッショナーの対応を非難している。
シュナッターは「NFLは選手とオーナーを満足させられなかった現在の大失敗を解決せず、我々を傷つけた。NFL上層部はパパ・ジョンズの株主たちを傷つけたのだ」と述べた。
また、シュナッターはグッデルが昨季のうちに芽をつみ取っておくべきだったとし、「リーダーシップはトップで始まる。これはひどいリーダーシップの例だ」とも述べている。
どの会社かによらず、スポンサーが心配していれば、NFLの生放送に高い広告料を設定している『CBS』、『NBC』、『Fox』、『ESPN』にとっては良くない知らせだ。
テレビ視聴の不調の原因は数多い(『Fox』のジェームス・マードックCEOは木曜夜からの試合の飽和を非難している)。だが、国歌途中の抗議に関する問題はそのリストの上位にある。
ドナルド・トランプ大統領と同じく、カウボーイズのオーナーであるジェリー・ジョーンズも、選手たちが国歌斉唱時に立つことを望み、拒む選手をベンチに置くとも脅した。『ESPN The Magazine』によると、ジョーンズは抗議する選手たちに対してより同情的なグッデルに反発する急先鋒だ。トランプ大統領は大勢の支持者に対し、グッデルが全選手を国歌斉唱時に立たせるまでNFLをボイコットするように呼び掛けた。
この件に関してNFLをボイコットしているグループは2つある。「#BoycottNFL」のファンたちは、抗議が非国民的・反アメリカ的とみており、「#NoKaepernickNoNFL」のファンたちは、フリーとなったキャパニックが仕事を見つけるまでボイコットするとしている。
今週、NFLのオーナーたちと選手たちによるミーティングが開かれたが、その前にはテキサンズのオーナー、ボブ・マクネアが「刑務所を管理する囚人たち」と発言したことが発覚。選手側とオーナー陣の関係は悪化した。
パートナーとスポンサーを満足させるために、NFLはシーズン後半戦で数字を挽回させる必要がある。だが、アーロン・ロジャース、オデル・ベッカムJr、J.J.・ワットといったスター選手たちが負傷でシーズン絶望となった今では、難しい注文と思われる。穴埋めのために、いわゆる補てん的な広告や無料広告を始めなければいけないかもしれない。
ジョーンズやシュナッターがそれぞれの道を行くなら、NFLは近いうちに「それが嫌なら結構」というコミッショナーによって率いられることになるかもしれない。今後も注視しよう。
原文:NFL TV numbers' plunge deepens; one major sponsor points finger at Goodell