新時代の到来? パンサーズのE・リード獲得でNFLは変わるか

David Steele

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カロライナ・パンサーズによってエリック・リードの“排除”に終止符が打たれたという事実は、パンサーズがNFLで初めてキャパニック以降、つまり膝つき抗議が始まって以降に就任したオーナーによって経営されているという事実と無関係ではない。

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また、そのオーナーがパンサーズを誰から買ったのか、そしてなぜ買ったのか、も関係している。

デビッド・テッパーは5月にリーグに承認され、7月に正式にオーナーとなった。彼は文字通り、NFLの新たな、ある意味では唯一の門番である。古い門番たちは、選手たちの抗議行動や社会的発言を、まるでステロイドの使用や乱闘と同じように扱い追放してきた。

ジェリー・リチャードソン以上に、その文化にどっぷり浸かっていた者はいない。ついこの間の春まで、チーム創設から24年しか経っていないパンサーズ史上唯一のオーナーだった。

リチャードソンは猛毒だった。その彼の文化もまた、同じく。なぜなら新しいシーズンが、リードとコリン・キャパニックなしで開幕したからだ。フリーエージェントとして獲得可能であったにも関わらず、フットボールとは関係ない理由で接触されなかった。

いや、むしろ逆だ。フリーエージェント市場が開放されて1カ月が経った4月、報道によるとシンシナティ・ベンガルズがリードから、もしベンガルズと契約したら例の抗議をしないよう約束してもらおうとした。同じ頃、シアトル・シーホークスもキャパニックと契約する条件として、同じようなことを求めた。

それは、リードとキャパニックを歓迎しないリーグだった。また、リチャードソンが性的差別や人種差別発言の容疑で捜索される前にチームを売却したリーグでもあった。証拠が十分ではないという批判もあるものの、NFLはリチャードソンの発言や行動にいくつか問題があったことを突き止めた。それは、よく知られていたリチャードソンのイメージ(豪腕、強気な契約交渉、風紀に対する厳しさ)などを面白おかしいものにしてしまった。

そしてまた、オーナーたちが提案した新ポリシー(国歌斉唱中は起立必須だがロッカールームで待機することも可能)は、リーグが待ったをかけ、2カ月も経たないうちに選手会と交渉しなければならないほど、厳しいものだった。

同じ頃、アリゾナ・カージナルスのオーナー、マイケル・ビッドウィルは、最高裁判事の候補者であり、学生時代のクラスメイトである人物を支持する手紙に2度、サインした。その人物は今、数年に渡る複数の性的虐待の罪に問われている。

ある一部のファンたち、ホワイトハウスの人々、そして自身の利益のため横柄になる一部の選手たちに対する恐怖心は、その手のオーナーたちを刺激しかねない。競技に集中し、“政治”を外に置いておくということは、まだ問題として残っている。「私がする通りではなく、私が言う通りにしろ」は今も、NFLの裏モットーになっている。

だが、時代は変わりつつある。テッパーがその手の文化に所属していなかったからだ。

テッパーは今月、抗議を行う選手を非国民だとか非愛国的と言った風に表現することに「とても憤りを感じる。断固として間違っている」と語ったが、オーナーたちの部屋にはそのような人々は決して多くない。ましてや、“ホワイトハウスの男”に媚びる代わりに、たてつくような人はいない。

テッパーが引き継いだジェネラル・マネージャー、マーティー・ハーニーは、リードとの契約を「フットボール上の決断」と言った。全ての優れた選手の契約が当然、満たすべき内容だ。リーグは、直近2度のオフシーズンでキャパニックが契約されなかったのは「フットボール上の決断」だと主張し続けている。インターネット上でさえ、何度そのことがナンセンスであると証明されたことか。

もしテッパーがチームと顧客、従業員、そしてフットボールへの興味に尽くすのであれば、リードと契約したことは正しい動きだ。

それはまた、他の31チームがやっていることとは真逆でもある。彼がチームを買い取った元オーナーについては言うまでもない。

原文:Panthers' Eric Reid signing required new blood to wash away old ownership culture

翻訳:Muneharu Uchino


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David Steele writes about the NFL for Sporting News, which he joined in 2011 as a columnist. He has previously written for AOL FanHouse, the Baltimore Sun, San Francisco Chronicle and Newsday. He co-authored Olympic champion Tommie Smith's autobiography, Silent Gesture.