【後編】NFL長寿番組の視聴率が15%ダウン

Michael McCarthy

【後編】NFL長寿番組の視聴率が15%ダウン image

(前編はコチラ

 

これらの問題にもかかわらず、『ESPN』のコーディネーティングプロデューサーであるセス・マークマンは、「Countdown」のキャストとスタッフを強く信頼している。

マークマンは『Sporting News』に文書で「カメラの前でも舞台裏でも、我々は今季の『Countdown』にワクワクしている」と述べた。

「我々が新たに迎えたサムとレックスは、ランディ、チャールズ、マット、その他のチームのメンバーとすぐにケミストリーを築き上げた。ことしの番組は以前よりもずっと砕けた感じになっている。それは我々の目標のひとつだった。そして、我々は毎週、分析のエキスパートたちや見事な特集、グラウンドで顔の広いレポーターたちと一緒に、NFL全体をカバーし続けている」。

マークマンと上層部が「Countdown」に新たなケミストリーをつくり上げる余地を与えているのは良いことだ。だが、情報筋によると、会社としての『ESPN』は数字を懸念しているという。ポンダーが『ESPN』と「Barstool Sports」のパートナーシップを短命で終わらせたことよりも、「Countdown」に関する議論が繰り広げられているのだ。

ある情報筋は「『ESPN』で話されているのは『Countdown』で起きていることについてだ」と述べた。

「『Barstool』のことじゃない。それは、ささいなことだった」。

『ESPN』のライバルたちは、血の匂いをかぎ取っている。9月、『Fox Sports』のボスであるエリック・シャンクスは『SN』に対し、ことしは3年目となるカリッサ・トンプソンの「Fox NFL Kickoff」が「Countdown」を上回り、東部時間11時から12時に放送されるNFLの試合前番組のトップに立つのではないかと明かした。

カメラの前に立つキャストも、その後ろの人材も、『ESPN』にはまだ多くのタレントがいる。「Countdown」を改善するためにネットワークにできる多くの動きもある。『ESPN』は、日曜にニュースを伝えるジョージーナ・アンダーソンやサル・パオラントニオといったNFL関係者にもっと放送時間を与えられるはずだ。古いニュースの焼き直しよりも、そういった人材が分析すべき新鮮なニュースを伝えることで、「Countdown」は活気づく。

ハッセルベックやモス、ウッドソンといったより若いキャストたちは、『ESPN』が自分たちを雇ったのは、比較的最近まで現役としてプレーしていたからであり、今のゲームや選手たちを知っているからであって、10代のように飛び跳ねて大声を出すことを望まれているからではないということを思い出すべきだ。

NFLとテレビのパートナーにとっては、変革の時期なのだ。今はこの数十年で最も問題を抱え、困難で議論を呼ぶシーズンであり、視聴者は遠ざかっている。

NFLの試合前の番組はすべて、これを警鐘ととらえるべきだ。特に大きく変わった『ESPN』の「Countdown」は、もっと真剣に試合と自分たちのことをとらえるべき時を迎えている。

(完)

原文:NFL TV numbers decline infecting ESPN's 'Sunday NFL Countdown,' other pregame shows

翻訳:Hiroaki Nakamura 

 

Michael McCarthy

Michael McCarthy Photo

Michael McCarthy is an award-winning journalist who covers Sports Meda, Business and Marketing for Sporting News. McCarthy’s work has appeared in The New York Times, Sports Illustrated, The Wall Street Journal, CNBC.com, Newsday, USA TODAY and Adweek.