日曜のNFLの試合前に放送される番組は、心温まる笑いが起きることで知られる。だが、今季に関してはあまり笑える状況ではない。
NFLのテレビ視聴が低調なのは、試合前の『ESPN』『NBC Sports』『CBS Sports』の長寿番組にも影響した。特に痛手を受けたのが、『ESPN』の「Sunday NFL Countdown」だ。視聴者数は15%もダウンした。
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31年務めたクリス・バーマンの後を継ぎ、サマンサ・ポンダーがホスト役を務める『ESPN』の「Countdown」は、2017年シーズン開幕からの9週間で平均113万8000人の視聴者数を記録している。2016年同時期の129万9000人から14.8%、2015年同時期の152万5000人から25.4%のダウンだ。
最も多くの視聴者数を誇るスポーツ番組、『NBC』の「Football Night in America」も、平均視聴者数は735万9000人と、昨季から7.2%ダウンした。『CBS』の「The NFL Today」は、330万人で昨季から5.7%ダウンしている。今季もほぼ同数なのは、10年にわたり日曜の試合前に放送されているトップ番組「Fox NFL Sunday」のみ。平均視聴者数470万5000人は、昨季から0.6%のアップだ。
NFLの試合前に放送される全番組のうち、『ESPN』の「Countdown」はオフシーズンに最も大きな変更に踏み切った。31歳のポンダーが、より経験のあるトレイ・ウィンゴやスージー・コルバーを差し置いて「Countdown」のホスト役に就いたことは、多くの関係者を驚かせた。「Countdown」でバーマンのパートナーを務めたトム・ジャクソンは2年前に引退。『ESPN』はランディ・モス、チャールズ・ウッドソン、マット・ハッセルベックに加え、テレビ界では新人となるレックス・ライアンを雇った。
「Countdown」の新たなプロデューサーとなったマシュー・ギャレットとチャド・ミニッティロは、セットから番組のオープニンググラフィックまですべてを変えた。伝統的なテレビデスクの周りにパーソナリティーたちが集まるのではなく、ポンダーたちがカウチに座って互いに向き合い、キャストやアダム・シェフター、クリス・モーテンセン、ルイス・リディックらの間を小型カメラが滑らかに動くなど、よりオープンな雰囲気になっている。
「Countdown」の視聴低迷について、テレビ関係者は複数の理由を指摘する。テレビ視聴は全般的に下降しており、スポーツ番組もその例外ではない。一部の保守的な視聴者は、明らかにバーマンやジャクソンなど旧メンバーの重々しさを懐かしんでいる。ハリケーン・イルマが南東部を破壊した第1週、「Countdown」の視聴率は33%もダウンした。番組はそれから挽回したが、大きな穴は空いたままだ。NFLの選手たちがコリン・キャパニック同様に国歌の途中で抗議していることに、多くのファンはうんざりしているとみられる。ドナルド・トランプ大統領も、リーグが選手たちを国歌中に立たせるまではNFLをボイコットするように支持者に求めた。
(後編につづく)
原文:NFL TV numbers decline infecting ESPN's 'Sunday NFL Countdown,' other pregame shows
翻訳:Hiroaki Nakamura