ペイトリオッツを離れた理由を語るトム・ブレイディ 「20年間ニューイングランドで学んだことを新しいチームに持っていきたい」

Jacob Hancock

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スーパーボウルを6回制し、スーパーボウル最優秀選手賞(MVP)に4回輝き、NFL年間最優秀選手賞(MVP)を3回獲得し、プロボウル(オールスター・ゲーム)に14回選出され、19年のNFLシーズンに渡って活躍し、ほぼ間違いなく史上最高選手だとみなされていても、トム・ブレイディはまだ満足していない。

将来の殿堂入りが確実とされるこのクオーターバックは『The Players Tribune』(訳者注:元ニューヨーク・ヤンキーズのデレック・ジーター氏が主宰するウェブサイト。各スポーツ界の大物選手らが手記や動画を寄稿することで有名)にエッセイを発表し、自身のモチベーションがどこから来たか、なぜ長年慣れ親しんだペイトリオッツを離れ、バッカニアーズへ移ることを決めたのか、などについて書き綴った。

「ペイトリオッツにいる間、数多くのベテラン選手たちが僕のメンターだった。彼らは僕が再契約したときもスーパーボウルで勝利したときも、そして僕が結婚した時も、いつも支えてくれた。彼らは僕が人間として成長し、そして自分の家族を持つに至るまで見守ってくれた。優勝することはもちろんだが、年上のチームメイトからのサポートはチーム競技をする中で素晴らしい部分だ。だから若い選手たちが人間としても選手としても成長することを助けることは、僕にとっては大きな意味を持つ。僕は20年間ニューイングランドで学んだ多くのことを新しいチームに持っていきたい。だが今は、自分自身についても証明しなくてはいけないことがある」。

リーグきっての最弱チームの1つであるバッカニアーズの若い才能ある選手たちのメンターになること、どうやらブレイディがタンパベイ行きを決めた理由はそれのようだ。ブレイディは下のように続けた。

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「前にも言った通り、1つのチームで20年間プレイしたことは素晴らしい出来事であり経験だった。だが、同じことを長年繰り返していては、いつかは自分自身の挑戦心を失くしてしまう。慣れ親しんだリズムは心地よく素晴らしいものだ。だがそれと同時に他のリズムへの視野が失われ、まだ成し遂げてはいないすべてのことに気がつかなくなってしまう」。

何年にもわたって、フットボールの専門家たちはペイトリオッツが成功した理由を分析しようとして、それを2つの要因のうちのどれかであると決めつけようとしてきた。ブレイディが偉大なのか、それともヘッドコーチのビル・ベリチックの戦術が優れているのか、である。もしブレイディが古巣に留まって現役を終えたとしたら、ブレイディはベリチックが作り上げたシステムの一部にしか過ぎなかったと主張する専門家の数は多くなるだろう。

今、ブレイディは自分自身を証明するチャンスをタンパで手に入れた。駒の揃ったオフェンシブ・プレイヤーたちとはるかに知名度が低いヘッドコーチであるブルース・アリアンと一緒に。

「僕はこのスポーツで誰も成し遂げてはいないことに挑戦している。そのことをとても楽しみにしているし、自分にはできると信じている。そんなチャンスをくれるチームがあるなら、そこを選ばない理由はない。人間には自分のすべてをかけなくてはいけない時がある。やってみよう。自分に何ができるか見てみよう」

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「僕は皆に僕が何をできるかを見せたいと思っている」。

(翻訳:角谷剛)

Jacob Hancock