キング牧師記念日とスーパーボウルの絆に歴史あり(前編)

David Steele

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30代前半かそれより若い人は、生まれた時からキング牧師の生誕日は祝日だった。しかし、40代かそれより年上の人は、全米の多くの連邦や州や地方の議員や市民たちが、この日を祝日にするために最後まで戦い抜いたことを記憶しているだろう。

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そして、1993年1月に開催された第27回スーパーボウルを鮮明に覚えているはずだ。

もちろん、ダラス・カウボーイズが4年間で3度の優勝を果たすきっかけとなった試合であり、オーナーのジェリー、ヘッドコーチのジミー、QBトロイとRBエミットがそろった初めての試合である。また、バッファロー・ビルズが3年連続で敗退を喫した試合でもある。この日の試合が記憶に残っている最大の理由は、元々予定されていたアリゾナ州のサン・デビル・スタジアムではなく、カリフォルニア州パサデナのローズボウルで開催されたからである。

この試合の2年以上前に、NFLは、アリゾナ州市民にこう言った。「もし、キング牧師を敬わないのであれば、アリゾナで試合は開催しない」。

事実関係を明確にすると、NFLがその試合をアリゾナで開催すると決定した1990年までに、キング牧師の生誕日は国民の祝日となっていた。しかしながら半数近くの州では、祝日になっていなかった。信じられないほどの論争を巻き起こした、そのような州の1つがアリゾナ州である。

スポーツが、論争の場になった。今と変わらず、NFLの試合やスーパーボウルには観客が大勢詰めかけていた。NFLは、その人気をキング牧師のために利用したのだ。アリゾナ州や全米のフットボールファンに、キング牧師の生誕日を休日にするよう、働きかけた。

これは、NFLに限ったことではなかった。

このスーパーボウルのムーブメントは、影響力が絶大だった。NBAは、1987年のリーグミーティングをアリゾナ州スコッツデールで開催しない決定を下した。NFLに比べると小規模だが、同じような影響をもたらした。この舞台裏の決定は、フェニックス・サンズに影響を及ぼした。1990年は論争の渦中にあり、アリゾナ州がキング牧師の生誕日を祝日にすることに反対し続ける限り、他のメジャースポーツのイベントの開催地に影響を及ぼす可能性もあった。

当時のコミッショナー、デビッド・スターンの言葉は、低い声で語られた無抵抗なものだったが、同時に非常に鋭いものだった。「居心地のいい場所ではないようだ」。

後編へ続く)

David Steele

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David Steele writes about the NFL for Sporting News, which he joined in 2011 as a columnist. He has previously written for AOL FanHouse, the Baltimore Sun, San Francisco Chronicle and Newsday. He co-authored Olympic champion Tommie Smith's autobiography, Silent Gesture.