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NFLでのキャリアを開始したばかりのカイラー・マレーの活躍ぶりは2019年のドラフトで彼を全体1位指名したアリゾナ・カージナルスにとってはまるでホームランのようだ。そのマレーがプロ野球の世界でスターになる可能性があったことすら忘れてしまいそうになる。
MLBとNFLのドラフト両方で1巡目指名を受けた選手は史上1人しか存在しない。そう、それはもちろんマレーのことだ。もしマレーがかつてのボー・ジャクソンやディオン・サンダースのように2つのスポーツを掛け持ちすることを決心すれば、マレーの拘束権利はまだオークランド・アスレチックスが握っている。現在のところ、マレーはNFLでもっともダイナミックな活躍を見せる若きクオーターバック(QB)たちの1人だ。
だが、マレーが野球選手として実際にどれだけ優れていたのか、あるいはどれだけ優れた野球選手になり得たか疑問に思う人もいるかもしれない。我々が野球選手としてのカイラー・マレーについて知っていることを紹介しよう。
カイラー・マレーの高校野球成績
米国の高校スポーツ専門サイト『MaxPreps』にはマレーの高校時代の野球成績が2シーズン分残されている。アレン高校(テキサス)の2年生のとき、マレーの打率は.302で、5本の2塁打、2本の3塁打、2本の本塁打に20個の盗塁が記録されている。そして、同高校の4年生のときは、マレーの打率は.286で、1本の2塁打、2本の3塁打、1本のホームランとなっている。3年生のときの成績が『MaxPreps』には記載されていないが、スポーツサイト『The Undefeated』の記事によると、この年こそがマレーの最高のシーズンで、9本の本塁打を放ったということだ。
マレーの高校野球選手としての情報はこれら以外にはあまり見つけることができない。高校卒業時にはドラフト指名を受けなかったが、それはマレーが大学で2つのスポーツを掛け持ちすることを望んでいたことが明らかだったためだと思われる。野球選手のスカウティングを専門とするPerfect Game社はマレーを全米の高校野球選手のうちで68番目の有望株選手とランクしている。
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マレーはアンダーアーマー社が選ぶオールアメリカン選手に野球とアメフトの両方で選ばれた史上初めての選手でもある。スポーツ専門サイト『Bleacher Report』によると、スカウトたちは高校時代の頃からマレーに注目していたが、マレーはテキサスA&M大学で2つのスポーツを掛け持ちすることを選んだということだ。
カイラー・マレーの大学野球キャリア
マレーはオクラホマ大学に転入するまで、テキサスA&M大学ではプレイしなかった。オクラホマ大学ではマレーは2シーズンを野球チームで過ごしている。
最初のシーズンではマレーは苦しんだ。打率は.122で外野の守備でも苦労したと『The Undefeated』が伝えている。「私のオクラホマ大学1年目に野球をしているところを見たら、誰もが私はガラクタだと思うでしょうね」とマレーは『The Undefeated』に言った。
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マレーにとって最大の難関は時間をやり繰りすることだった。オクラホマ大学の野球チームとアメフトチームは同じ時期に活動するため、マレーは同じ時間に2つの場所にいることを求められたのだ。オクラホマ大学の野球コーチであるスキップ・ジョンソン氏はマレーが野球チームの練習に参加したことは両手で数えられるほどしかなかったと『The Undefeated』に述べている。マレーはただ試合の時にだけ現れ、それでも2年目には好成績を残している。
大学野球の2年目にはマレーは本来の力を発揮した。打率.296、本塁打10本、盗塁10個を記録している。もしマレーの才能がMLB球団のレーダーに引っ掛からなかったとしたら、それはマレーのこの成績は練習時間が限られる中で挙げられたという事実が見落とされていたからだ。2017年には控え選手ながらもアメフトでの才能を見せ始め、上記の2018年の野球成績はマレーが全米大学アメフト最優秀選手(ハイズマン・トロフィー)を受賞したシーズンと同年のものなのだ。
M3 | Kyler Murray gets all of it for his 10th home run of the season.
— Oklahoma Baseball (@OU_Baseball) May 18, 2018
OU 5, Kansas 0 pic.twitter.com/nUKEJcFLRF
カイラー・マレーとオークランド・アスレチックス
2018年のMLBドラフトでオークランド・アスレチックスはマレーを全体9位で指名した。マレーはのちにMLBとNFLのドラフト両方で1巡目指名を受けた史上初の選手になる。アスレチックスはマレーと契約することは容易なことではないと知っていた。そこで、マレーを繋ぎ止めるために、オクラホマ大学のクオーターバック(QB)として最後のシーズンを送ることを許可した。そしてマレーはハイズマン・トロフィーを勝ち取ったのだ。
アスレチックスが最初にマレーと交わした契約では契約金は490万ドル(約5億2千万円)であったが、マレーがアメフトを選ぶ可能性が大きくなるにつれて、報道では1,400万ドル(約14億8千万円)まで上乗せしたと言われている。しかし、それでも十分ではなかった。マレーはNFLドラフトにエントリーすることを決め、アリゾナ・カージナルズから全体1位指名を受け、すべてのエネルギーをNFLに注ぐことにしたのだ。
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カージナルズが全体1位指名のマレーに支払うことを義務付けられた金額はおよそ3,500万ドル(約36億9千万円)だった。もしマレーが野球を選んでいた場合、今でもマイナーリーグでプレイしているはずだ(少なくとも通常の年だとしたらである。2020年のマイナーリーグは行われなかった)。そしてパトリック・マホームズが証明したように、クオーターバックが生み出す金額はマイク・トラウトのレベルをはるかに上回るものになっていくと思われる。
もしマレーが野球をしたいと思ったとしたら、アスレチックスに所属することになる(トレード禁止条項がある)。アスレチックスは依然としてドラフト指名時に得たマレーの拘束権利を保持している。マレー自身はこの1月に2つのスポーツをプレイする可能性について述べている。ボー・ジャクソンとディオン・サンダースがいた時代の再来を望む人たちにとっては、マレーはその可能性を完全に否定はしていない。
「スポーツが排他的になる理由が理解できません。どちらか1つを選ぶように求められ、仕方なく私はそれをしました。しかし、先のことはわかりません。私は楽しみにしています。ただ、今のところはアメフトに集中していいます」。
(翻訳:角谷剛)