【スーパーボウル2023展望】チーフスとイーグルスが激突。ハーフタイムショーやCMも話題

Sporting News Japan Staff

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NFL優勝チームを決定する第57回スーパーボウルが現地時間2月12日、日本時間13日8時30分に、アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックス郊外グレンデールの開閉式ドーム・ステートファームスタジアムでキックオフ。スーパーボウルはアメリカンフットボールの年間王者決定戦という枠に収まらず、アメリカ最大のスポーツ&エンターテインメント・イベントに位置づけられている。

今季スーパーボウルに出場するのは、カンザスシティ・チーフス(AFC)とフィラデルフィア・イーグルス(NFC)。チーフスは2年ぶり5回目の出場で3年ぶり3回目、イーグルスは5年ぶり4回目の出場で2回目の優勝を目指す。

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チーフスQBマホームズ、父はベイスターズの投手

チーフスのレギュラーシーズン成績は14勝3敗でAFC西地区優勝。ポストシーズンのディビジョナルラウンドではジャクソンビル・ジャガーズに27-20、AFCチャンピオンシップではシンシナティ・ベンガルズに23-20と、僅差で勝利を収めている。

注目選手は、クォーターバック(QB)のパトリック・マホームズだ。マホームズという名前に、プロ野球ファンは聞き覚えがあるかもしれない。パトリックの父・パットはMLBでも活躍したピッチャーで、1997年から98年までは横浜ベイスターズに所属。この関係で、パトリックも幼少期のわずかな期間であるが、日本で暮らしているのだ。

学生時代は野球やバスケットボールもプレーしていたというパトリックだが、その才能はアメリカンフットボールで開花。テキサス工科大学のQBとして頭角を現すと、2017年ドラフトでチーフスから1巡指名を受ける。ルーキーシーズンこそ出場機会は限られていたものの、2年目からは先発QBに昇格。AFC西地区優勝に貢献、レギュラーシーズンMVPに輝くも、チャンピオンシップで敗退となる。だが翌シーズンはスーパーボウルを制覇。2020年7月にはNFL史上最高額の10年5億300万米国ドル(当時のレートで540億円)の大型契約が話題となった。

マホームズのパスは今季も健在。パスによる獲得ヤード数は驚異の5250。マホームズにとってキャリア2度目の記録だが、NFLの歴史で5000ヤード超えを複数シーズン達成したQBは、トム・ブレイディとドリュー・ブリーズの2人のみ。ハーソン・レディックら擁するイーグルスはNFL最多の70サックを記録しているが、それでもマホームズを止めることは困難な仕事になるだろう。

イーグルスの攻撃は変幻自在

イーグルスのレギュラーシーズン成績は14勝3敗でNFC東地区優勝を収める。ポストシーズンのディビジョナルラウンドでは、ニューヨーク・ジャイアンツに38-7で大勝。NFCチャンピオンシップも31-7でサンフランシスコ・49ersを退けている。

イーグルスのQBは、2020年ドラフト2巡目、全体53位で指名したジェイレン・ハーツだ。2年目の2021年に先発QBへ昇格。このシーズンは7位でポストシーズンに滑り込むも、ワイルドカードラウンド初戦で敗退となる。そのため、今季イーグルスの下馬評は高くなかったものの、ハーツは好調。パスだけでなく、ランでも相手に脅威を与えるスタイルで、チームをスーパーボウルへと導いている。

ワイドレシーバー(WR)のアーサー・ジュアン・ブラウンとデボンタ・スミス、さらにマイルズ・サンダース、ケネス・ゲインウェル、ボストン・スコットといった優れたランニングバック(RB)がそろうイーグルス攻撃陣。変幻自在の攻撃に、チーフス守備陣は苦しむことになるだろう。

ハーフタイムショー、CMすらも大きな話題に

第57回スーパーボウルでは史上初、両チームの先発QBがアフリカ系アメリカ人になること。チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードにとって、イーグルスが長年率いてきた古巣であること。イーグルスに所属する兄・ジェイソン、チーフスに所属する弟・トラビスによるNFL史上初、ケルシー兄弟対決。試合の見どころを挙げればきりがないが、もう1つ忘れてはいけないのがハーフタイムショーだ。

スーパーボウルのハーフタイムショーは、前半と後半の休憩時間に披露される“出し物”というレベルではなく、それ自体が1つのエンターテインメントとして成立する“権威”あるいは“名誉”あるステージとなっている。当初は、大学のマーチングバンドなどが出演する出し物であったが、1993年にマイケル・ジャクソンが出演、ライブを開催したことで一変。エアロスミス、U2、ポール・マッカートニー、ローリング・ストーンズ、プリンス、マドンナ、ビヨンセ、レディー・ガガといった大物アーティストの出演が定番となっている。

さて第57回スーパーボウルのハーフタイムショーでは、バルバドス出身のシンガーソングライター・リアーナの出演が予定されている。映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』の「Lift Me Up」でアカデミー賞歌曲賞にノミネートされているリアーナだが、パフォーマンスの披露は2018年グラミー賞授賞式以来。その注目度は非常に高く、試合に出場するチーフスWRマルケス・スカントリングがSNSに「自分も見られるのかな?」と投稿するほどだ。

また日本で観戦する場合は目に触れないが、米国で流れる30秒のTVコマーシャルは放映料が7億5000万円と言われており、その30秒の映像も大きな話題となる。アメリカ最大のスポーツ&エンターテインメント・イベント。これは決して過言ではない。


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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。