八村塁のレイカーズデビューに見る4つの効果 レブロン不在時やリバウンドで攻撃に貢献

Stephen Noh

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1月25日(日本時間26日)、八村塁が待望のロサンゼルス・レイカーズでのデビューを飾った。カリフォルニア州ロサンゼルスのクリプトドットコム・アリーナで行われたサンアントニオ・スパーズ戦の第1クォーターに途中出場し、アリーナの観客から拍手喝采で迎え入れられている。

ベンチからの出場となった八村は、22分間のプレイでフィールドゴール7本中4本成功の12得点、6リバウンドと堅実なデビュー戦とした。さらに見事だったのは、出場時のチームの得失点差を示すプラスマイナスがチーム最多の+17だったことだ。

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レイカーズは113-104で勝利し、八村はボックススコアでは分からないような様々な点でも貢献した。それは、まだ1試合ながら、彼がチームにもたらせる価値を示している。

レブロン・ジェームズ不在時の八村塁の活躍

ジェームズと一緒にコートに立った時の八村の攻撃における役割は、比較的シンプルだった。主にコーナーや3ポイントラインの外にとどまり、相手のディフェンスを広げるというものだ。

一方、ジェームズがベンチに座っている時、八村の役割は増えた。ジェームズがいない時にレイカーズの攻撃力が全般的に落ちることを考えれば、驚くことではない。ジェームズがコートにいない時のオフェンシブレーティング(106.7)は、リーグワーストのシャーロット・ホーネッツよりも下回る。

レイカーズは八村を強く頼りにしていた。特に、デザインされた2つのプレイでは、左サイドを空けて八村にポストで仕事させている。最初のプレイで八村はベースラインから巧みなフェイダウェイジャンパーを沈め、2つ目のプレイでは豪快なダンクを狙ってファウルされた。

この左ブロックのエリアは、八村にとって最高の場所だ。ここからのFG成功率は、キャリア通算で49%を記録している。

ダービン・ハム・ヘッドコーチが八村のために用意した最初のプレイは、「ホークカット」と言われるものだ。デニス・シュルーダーのスクリーンで八村はオープンになり、自分が得意とする位置でボールを受けることができた。

レイカーズは今後また、八村のためにこのカットを使うだろう。パスのアングルをオープンにし、左ブロック付近でボールを受けられるからだ。コーチングスタッフが八村の得意とする点を生かすためのアイディアをすでに持っていたことは良い兆候だ。

ラッセル・ウェストブルックとの連係の良さもすぐに明らかになった。試合を通じてウェストブルックは八村に左ブロック付近に向かうように指示し、ハーフコートからアリウープを狙ったパスを出し、守備の準備が整っていない時にコーナーからオープンな3Pを打たせている。

レイカーズが期待する八村塁のオフェンシブリバウンド

レイカーズはオフェンシブリバウンドが優れたチームではない。1試合平均の数字はリーグ24位。八村の加入でそれを変えたいと望んでいるようだ。

彼らは八村に、コーナークラッシュと呼ばれる、コーナーから走り込んでオフェンシブリバウンドを狙う動きを頻繁にさせていた。3Pラインの外からオフェンシブリバウンドを狙わせる場面もあった。

記録の上では、八村のオフェンシブリバウンドは、ほかの選手たちを上回ってボールをはたき、ジェームズに渡した1つだけでしかない。だがこれは、ボックススコアだけでは分からないことが多いという好例だ。

リバウンドで八村は大きな影響を及ぼした。スパーズの選手からボールを弾いてアウト・オブ・バウンズにしたり、ファウルを受けたり、多くの場面でボールに触れていた。

八村は非常に優れたアスリートであり、ディフェンダーたちを上回る跳躍ができるはずだ。レイカーズはそれを試すつもりだと思われる。

トランジションで違いとなる八村塁のエナジー

約20分間、八村はコートのいたるところで顔を見せた。ルースボールを拾おうとコートに身を投げ出した場面も2つある。こういったハッスルプレイは、すぐに彼をファンのお気に入りとするはずだ。

また、八村は単純に懸命に走ることでも大きな違いをつくった。トランジションで反転から前にダッシュすることで、簡単なレイアップにつなげることができたのだ。ジェームズからのバウンズパスで得点した場面もそのひとつである。

速攻時に自分がスコアラーにならなかった時でも、八村はディフェンダーたちの注意を引きつけ、トーマス・ブライアントのようなチームメイトが後方から簡単に得点できるようにしていた。

アンソニー・デイビスがカバーした八村塁の守備の課題

八村は素晴らしいスコアラーだが、ワシントン・ウィザーズで長くコートにとどまることができなかった大きな理由のひとつが、守備における彼の欠点だった。

レイカーズでのデビュー戦でもそういった場面は散見された。だが、守備に関して有数のチームメイトが、ミスをカバーしてくれたのだ。八村は何度かペリメーターでマークしていた選手に抜かれたが、デイビスがヘルプに入る準備をしていたのである。

もう八村は守備で完璧にプレイする必要がない。ミスをした場合でも、それを帳消しにしてくれるチームメイトがいるのだ。

まだ1試合でしかない。だが、八村はウィザーズ時代よりもレイカーズでよりフィットしており、早くも見返りを期待できそうだ。

原文:Four takeaways from Rui Hachimura's debut with Lakers, including major impact in non-LeBron James minutes

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Stephen Noh

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.