八村塁 一問一答「自信を持って3Pを打てるようになっている」

NBA Japan

杉浦大介 Daisuke Sugiura

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八村塁(ワシントン・ウィザーズ)

明日のブルックリン・ネッツ戦を控えるワシントン・ウィザーズの八村塁が、2月9日(日本時間10日)のチーム練習後に記者会見に登場した。自身のコンディションや3ポイントショットの調子、8日に迎えた24歳の誕生日、今季残りのレギュラーシーズン全休が発表されたブラッドリー・ビール、エース不在の現在のチームの雰囲気など、様々な質問に答えた。

※前半は英語、後半は日本語での質疑応答。英語でのやり取りは翻訳、質問は要約。


自信を持って3Pを打てるようになっています

――練習を続けてきた3ポイントショットの数字をどう感じている?

八村:ここに来て以来、ずっと練習してきました。上達しているし、自信を持って3Pを打てるようになっています。チームのコンセプトはペイントをアタックし、3Pシューターにパスを出すこと。このチームにはプレイメイクができる選手が何人かいるので、オープンで3Pを決めるのがより容易になっています。

――高確率で3Pを決めるようになり、試投数をさらに増やすつもり?

八村:必ずしもそうではありません。(3Pは)僕のゲームの一部にすぎないですし、最大の長所というわけではないので。ただ、もちろん3Pが打てるのはいいことで、ドライブやリムアタックがしやすくなります。だから今やっていることを続けるつもりです。

――ブラッドリー・ビールの長期離脱を知った際のリアクション。

八村:(そこまで悪いとは)知らなかったので、驚きました。メンフィス(グリズリーズ)でのゲームだったと思いますが、チャージを取った際に彼が痛みを抱えていたのを覚えています。彼はその試合はプレイし続けましたが、次の日、検査を受けなければならなくなりました。(ビール不在は)重大なことです。僕たちのベストプレイヤーが長期欠場するのですから、チーム全体でどうすべきかを見極め、誰かがステップアップし、より一丸となって戦わなければいけません。

――エースが不在となった今のチームのムード。

八村:もちろん良くはありません。ただ、もう受け入れるしかないんです。僕たちはまだレースに残っているのだから、プレイオフに出る手段を見つけなければいけません。これまでも何戦かブラッド(ビール)抜きでプレイしてきています。(残りの陣容で)ケミストリーを養成し、フィルムを見て、どうプレイするかを見極めていきます。

みんながステップアップしなければいけません

――自身がステップアップする機会だと思う?

八村:もちろんです。僕はまだこのチームで10戦(※注:実際は14戦)くらいプレイしたところ。どうやってフィットインしていくかを見て、オフェンスとディフェンスのコンセプトを学んでいるところですが、ただ、去年も、1年目も、僕はブラッドが不在のときにいい仕事ができていました。このチームでもそれはできるはずです。

――やり過ぎようとせず、それでいてこれまで以上に貢献の術を見つけるバランスは難しい?

八村:僕がボールを持つ機会が増えるのでしょう。それだけです。オフェンス時に少し違いが出ます。彼(ビール)はスーパースターなのだから、常にボールを持ち、いつでも得点できる選手です。ただ、このチームにはほかにもプレイメイクし、得点できる選手がたくさんいます。誰が中心になるかとかを気にするのではなく、みんながステップアップしなければいけません。それが鍵だと思います。

――コーリー・キスパートのプレイをどう見ている?

八村:いいプレイをしていると思います。毎日、コーチと一緒に練習しているし、ゲームでもいい仕事ができている。自分の仕事を理解しているし、フィットもいいと思います。

――キスパートはどこを向上できると思う?

八村:プレイメイクですね。僕はカレッジ時代から彼を知っていて、一緒にプレイしました。プレイメイクは今季を通じてもっと向上できると思いますし、そこにフォーカスしていけばチームにとっても大きいし、彼にとってもいいでしょう。

僕の足があれほど上がるとは思いませんでした(笑)

――(現地)5日のゲーム(フェニックス・サンズ戦)でキスパートの顔面を蹴ってしまったあと、何か言われた?

八村:僕の足があれほど上がるとは思いませんでした(笑)。クレイジーでした。バランスを失い、誰かを掴まねばならず、足が高く上がり、コーリーがそこにいたので、顔面に当たってしまいました。すぐに謝りました。クレイジーでした。

――これまで先発だったが、今季はベンチからの出場。そのふたつの役割の違いは?

八村:正直、特にありません。同じスタイルでプレイしています。オフェンス、ディフェンスの両面で積極的に動き、僕の仕事は同じです。リバウンドはもっと取らなければいけないかもしれませんが、それ以外は同じです。

――コンディションは過去と比べて100%?

八村:これまでと比べても最高だと思います。体調はいいし、力強く感じます。コンディションは良く、これまでよりもいいですね。

――今季に臨むマインドセット、アプローチ。

八村:ご存知の通り、序盤戦は休んだので、今は攻守両面でこのチームに適応しているところです。去年とは違うコンセプトでプレイしてますが、慣れてきていると思います。このチームのみんなと一緒にプレイするのが好きだし、楽しいです。ただ、勝たなければいけません。

――ビールの故障離脱でどんな役割を負うことになると思う?

八村:ブラッドはしばらく欠場し、僕はオフェンス面でよりアグレッシブにならなければいけません。チーム全体でもステップアップし、一丸となってプレイするのが鍵になると思います。

※以下、日本語での質疑応答。

いい誕生日を過ごせました

――昨日ですが、誕生日おめでとうございます。

八村:ありがとうございます。

――いいバースデーを過ごせた?

八村:友達と過ごして、家族とも過ごして、いい誕生日を過ごせました。

――苦しい戦いが続くなか、ビールの長期離脱は痛い。

八村:ベストプレイヤーがこうやって長い時間いなくなることになってしまったので、僕らとしても、チームとしても、これからどうやってやっていくかを考えなきゃいけないですし、チーム全体でもっと頑張っていかなければいけないと思います。

体重も増えてきましたし、身体も強くなってきている

――プレイタイムは徐々に増えてきているが、コンディションは?

八村:いいですね。体重も増えてきましたし、身体も強くなってきていると思います。コンディション的にもいいなと思うので、それはいいと思います。

――昨季のピークくらいの状態?

八村:それよりはいいんじゃないかなと思いますね。身体も少しずつ慣れてきました。遠征、連戦などではコンディションがまた違いますが、それも慣れてきたと思うので、いいかなと思います。

――チームメイトとのコート上でのケミストリー。

八村:上がってきていると思います。チームとしては今、苦しい段階なんですけど、チームとしても僕がどういうプレイヤーかっていうのもわかってきてくれているんじゃないかと思います。これからもケミストリーをもっと上げれたらと思います。

僕と彼はすごく似ています

――カイル・クーズマとのケミストリー。

八村:いいと思います。僕と彼はすごく似ています。ポジションも3、4、5(番)ということでだいたい同じ。ディフェンスでもオフェンスの部分でも相手チームを混乱させる部分があると思う。そういうところで僕らが一緒にプレイしているときは結構いいインパクトを与えられているんじゃないかなと思うので、僕も彼とプレイできて楽しいなと思います。

――2歳年上の良い先輩に巡り合えた。

八村:そうですね。2歳違うだけでも彼は僕より何年か(多く)NBAでプレイしています。先輩として僕もいろいろアドバイスとかをもらっているので、すごくいいですね。

――3P成功率が38%で、特にウイングからよく決まっている。

八村:少しずつ調子も上がってきています。3Pは課題とされてきました。シーズン中を通して、ウィザーズに入ってからずっと3Pを練習してきたので、その成果が今、出てきているんじゃないかなと思います。

――ディフェンスではこれまで通り1〜5番までスイッチしてよく守っている。

八村:それも1年目からやってきました。僕もどんどん慣れてきて、1番から5番までを守れるようになってきているんじゃないかなと思います。

いいダンクだったと思います

――(現地)1月11日のオクラホマシティ・サンダー戦では強烈なベースラインのリバースダンクを決めたが、あれはキャリアの中の何番目のダンクか。

八村:そこまでリバースダンクはしないので、違うカテゴリーに入るんじゃないかなと思います。でも、いいダンクだったと思います。

――復帰前、チームメイトたちはみんな自分の状況に理解を示していた。

八村:遅れて入ったんですけど、チームは僕の状況を理解してくれていました。トミー(シェパードGM)、オーナーもはじめ、コーチもそうですし、チームメイトからも自分の時間をかけてやっていいって言われてきていたので、そこはすごく助かりましたね。

――自分のハイライトをたくさん見ていたという話だが、気に入っているプレイは?

八村:去年のプレイオフの(フィラデルフィア)76ers戦とかよく見てましたね。(3Pを決めたあたりとか)そこらへんですね。

――クーズマはNBAに入ってから様々な役割をこなして経験豊富だが、どういうところが一番参考になる?

八村:彼も1番から5番まで守れたり、オフェンスでもできる選手なので、彼のドライブとかそういうところは僕もすごく勉強になってるなと思いますね。

取材、一問一答構成:杉浦大介 @daisukesugiura


【動画】八村塁 練習後記者会見|2022.2.9

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杉浦大介 Daisuke Sugiura

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東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。