【注目スタッツ】ラプターズのアヌノビーのスティールと3P:最も価値あるロールプレイヤーになれる理由

Micah Adams

【注目スタッツ】ラプターズのアヌノビーのスティールと3P:最も価値あるロールプレイヤーになれる理由 image

"Stat Just Happened "(注目スタッツ)は、ある重要なスタッツが実際にコートでどのように展開されたかを検証するシリーズ。その目的は、隠された真実を明らかにし、特定の数字がほかの数字よりも重要な意味を持つことを示すためだ。

今回は、トロント・ラプターズのフォワードのOG・アヌノビーに焦点を当てる。

※この記事内のスタッツは11月6日時点のもの

1

『Stathead』によると、シーズンを通して1試合平均の3ポイントショット成功率が40%以上、かつ、3.0スティールを記録した選手はNBA史上1人しかいない。

殿堂入りしたジョン・ストックトンが1991-92シーズンにユタ・ジャズで達成している。スティールの数がはるかに多く、3P数がはるかに少なかった時代だ。

開幕からの10試合を通して、ラプターズでアヌノビーがやっていることはまさにそれだ。ジャズでのストックトンの役割とは当然かなり異なってはいる。6フィート7インチ(約201cm)で232ポンド(約105kg)のアヌノビーは、ストックトンよりもはるかに多くのことを求められ、すべてのポジションをガードするという不可能な任務まで課されているのだ。

表面的には、アヌノビーは長い間、現在のポジションレススタイルのバスケットボールにおいてすべてのチームが切望する優秀な原型の3&Dのロールプレイヤーのプロトタイプとして見られてきた。

スター選手以外で、2022年のチーム作りに最も需要があるスキルはシュート力とディフェンスの万能性で、この2つなしにチームとして成功しようとするのは無駄足になりかねない。例を挙げるなら、レブロン・ジェームズ以外のロサンゼルス・レイカーズといったところか。

何年もの間、バスケットボール界 —とラプターズファン— は、アヌノビーが飛躍するのを待ち続けてきた。もちろん、彼はいつもショットを打てるし、いつでも守ることができた。しかし、段階的な成長は退屈で、NBAのご意見番たちはすぐに飽きてしまい、さらなる成長を絶えず望むがゆえに、何かしらきっかけがある度に、彼に対して「どれだけ成長したのか」という厳しい目が向けられるようになっていった。

  • それは2019年のNBA優勝後にカワイ・レナードが去ったあとに起こった。
  • 2020年後半にアヌノビーが新たに4年7200万ドルの延長契約を結んだあとにも起きた。
  • そして昨年、アヌノビーのオフェンス面での役割をより大きくすることを視野に入れ、ラプターズがスコッティ・バーンズをドラフトで指名したあとにも起きている。

アヌノビーが決してならないであろう選手になるのを私たちが待っていたなか、気付けば彼はまさにすべてのチームが欲しがるような選手へと開花していた。

10月31日(日本時間11月1日)のアトランタ・ホークス戦で見せた6つのスティールが良い例だ。実際にそのすべてを見てみよう。

彼はいたるところにいる。

  • トップでデジャンテ・マレーからボールを奪い取る。
  • ラプターズのバスケットの下で起きたトレイ・ヤングの緩いインバウンドバスを阻止する。
  • ピック&ロールを止めるためにコーナーからヘルプする。
  • 試合の流れを変える可能性のあったホークスのブロックのあとのアウトレットパスをスティールする。
  • スクリーンをすり抜けたあと、ディアンドレ・ハンターを執拗に追い詰め、スティールから速攻を決める。
  • ホークスのバスケット近くのコーナーで守備に付き、ヤングのクロスコートパスを弾く。

これはたった1試合のことで、毎試合繰り広げられる彼の破壊的なプレイのほんの一部に過ぎない。もし時間があれば、アヌノビーのスティールの数々をすべて見てみてほしい。

アヌノビーはどの状況でもどの角度からでもスティールを獲得する。彼はオフボールでもボールを持っているときと変わらぬ脅威となり、トップ・オブ・ザ・キーでポイントガードを苦戦させるのと同じように、リム周りでフォワードに対しても苦戦を強いる。

ハイレベルなパサーが揃ったチームで3P成功率40%以上を記録するアヌノビーは、あらゆるチームが求める項目すべてを擁している。最も価値のあるロールプレイヤーのための賞があったとしたら、アヌノビーは確実にその候補者に入るだろう。

まだわずか10試合の話だが、このベンチマークは念頭に置いておくべきである。

1試合平均の3P成功率40%で3スティールというスタッツがツーウェイプレイヤーに加わることは前代未聞で非常に魅力的だ。ストックトンのようなキャリアをアヌノビーに望む人はもう誰もいないが、ラプターズの「なんでもできる男」となったアヌノビーがストックトンと比較されるのは素晴らしいことだ。

原文:Stat Just Happened: OG Anunoby's steals and 3-point shooting for Raptors make him the NBA's most valuable (role) player
翻訳:YOKO B Twitter:@yoko_okc

▶スポーツ観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう

Micah Adams

Micah Adams Photo

Micah Adams is a Managing Editor and Head of Affiliate and Commercial Content at Sporting News. Prior to joining SN in 2021, Adams spent over a decade producing and leading content teams at ESPN, DAZN and The Social Institute. Adams graduated from Duke University in 2009 and remains a Cameron Crazie at heart well into his 30s. When not losing sleep or hair over the Blue Devils, Kansas City Chiefs, Chicago Bulls, and USMNT, Adams enjoys chasing his two small children around along with his wife, losing golf balls, spending time outdoors and binging terrible movies.