日本時間23日のスパーズ戦でデビューへ
ザイオン・ウィリアムソンは、本来なら3か月前にNBAデビューを果たしているはずだった。だが、ひざの負傷によりそれはずっと延期され続けてきた。1月21日(日本時間22日)、今季のドラフト全体1位指名ルーキーであるウィリアムソンは、リハビリ期間は多大なる忍耐力を要し、苛立ちもあったことを認めた。しかし19歳のウィリアムソンは、母のシャロンダからのアドバイスでそれを乗り越えてきたと言う。ウィリアムソンは「母はいつも僕に『簡単に全てがいくとは誰も言っていない』と言うんだ」と、NBA公式戦デビューが予定されている22日(同23日 AM11時30分~)のサンアントニオ・スパーズ戦を前に語っている。
「これも旅路の一部。しっかりと受け止めなければならない」。
2019年の10月中旬にひざを手術して以来、デューク大学出身のウィリアムソンは、走り方や着地の仕方など、身体の使い方の基本部分に集中することに時間をかけてきた。予想外に長くコートから離れていたこの時間が、長期的に見れば助けになるかと問われると、「母が全く同じことを言っていたよ」と、説明した。
「母は、身体に集中する、修正すべき部分に集中する時間だって言っていた。(ここ3か月は)今後起こりうる可能性のあるけがを予防するのに役立ったと思う。今後けがする可能性を少しでも下げるために、これは続けていかなければならない。トレーニングスタッフとも話し、彼らが用意してくれているプログラムをしっかりとこなし、続けていくことが大切なんだ」。
10月のプレシーズンでユタ・ジャズと対戦して以来、ペリカンズの本拠地スムージー・キング・センターのコートに初めて立つまでもう24時間を切っている。ここ20年で最も注目された大学出身選手のひとりであるウィリアムソンのデビュー戦に対する世間の期待を抑えるのは困難かもしれないが、ペリカンズのベテラン選手たちは、彼がチームを救うために無理をする必要はないと主張し続けている。
20日(同21日)に勝利したメンフィス・グリズリーズ戦で36得点を記録したガードのドリュー・ホリデーは「彼が我々の救世主にならなければならないなんて考えは持っていないよ」と語る。
「でも、彼のエナジー、リバウンド力、爆発力はチームが欲しているものだ。オフェンスでも当然脅威になる。リム周りで彼と競い合える選手なんていないだろうからね」。
ガードのロンゾ・ボールは「ただ自分のプレイをすればいい」と、NBAデビューを迎えるルーキーにアドバイスを送る。
「自分にプレッシャーをあまりかけないことだ。彼はまだ19歳でルーキーなんだから、学ぶことも多い。彼が帰ってくることが何より嬉しいよ」。
▼ザイオン・ウィリアムソン ハイライト| 2019.10.9
ザイオン「1、2試合で順応できるだろう」
就任5年目のアルビン・ジェントリー・ヘッドコーチは「これは初めから言っていたことだ」と、新人に必要以上の期待をかけないように気をつけている。
「彼がこのフランチャイズを救ってくれる白馬の王子であることを期待しているわけじゃない。彼はとても良いバスケットボール選手で、彼が加わってもチームのケミストリーが変わらず、より勝利できることを望んでいる」。
ウィリアムソン抜きで開幕を迎えたペリカンズは1勝7敗のスタートで、その後13連敗も経験した。だが、そこから11勝5敗と持ち直し、17勝27敗まで成績を上げている。彼のデビューを前にいくつかの強豪チームにも勝利をあげた。
「この時期に復帰できることに興奮している」とウィリアムソンは述べる。
「悪い時期もあったけど、今は好転している。全員がより良いプレイをしており、そこに僕も加わって、より楽しめるようになるだろう」。
ペリカンズのラインナップに戻ることに関して、ウィリアムソンはフィットするまでに多少の時間がかかることは想定しながらも、そこまで長くならないと予想している。
「学ぶ時間は当然必要だが、そこまで大きなものにはならないと思う。周りもプロ選手なんだ。みんな1、2試合で順応できるだろう」。
ニューオーリンズは「サーカス」に
ジェントリーHCは22日(同23日)のニューオーリンズの雰囲気は「サーカス」になるだろうと表現している。ウィリアムソンが復帰することで、この試合は全米放送に追加され、多くのメディアが取材しにやってくる。しかし、ジェントリーHCはそういったことも気にかけてはいない様子だ。チームは最近勝ちが続いていることで、1か月前には無理だろうと思われていたプレイオフ進出さえもが現実味を帯びてきているのだ。
ジェントリーHCは「(ウィリアムソンを)プレイさせられるのは良いことだろう」と語る。
「我々にとって重要なのは、とにかく彼をプレイさせることで、周囲の余計な雑音を落ち着かせることだ。そこからローテーションや、どういったプレイをするかを考える。我々が今やっていることに、彼を組み込んでいくよ」。
原文:Zion Williamson on debuting for red-hot Pelicans: ‘It’s very exciting to come back at this time’ by Jim Eichenhofer/Pelicans.com