ザック・ラビーンのトレード候補:レイカーズ、76ers、ヒート、ラプターズなど

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

ザック・ラビーンのトレード候補:レイカーズ、76ers、ヒート、ラプターズなど image

シカゴ・ブルズは非常に残念なシーズンスタートとなり、ザック・ラビーンが移籍するかもしれない。

『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者は11月14日(日本時間15日)、「トレード模索に関して球団と選手の前向きな姿勢が強まっている」と報じた。ダーネル・メイベリー記者も、「今週、リーグの情報筋から、1か月でブルズのロスターは同じでなくなると聞いた。変更が近い」と伝えている。

[AD] NBAがWOWOWに帰ってきた!毎週7試合ライブ配信、注目の5試合を実況・解説付きで生中継!

ラビーンはオールスター選出2回のスターだが、今季は調子を落としている。1試合平均21.9得点、4.4リバウンド、3.0アシストを記録しているが、フィールドゴール成功率は40.9%、3ポイントショット成功率は30.9%にとどまっている。

だが、ラビーンは通算のFG成功率46.3%、3P成功率38.2%という水準に戻るはずだ。今季3試合目のデトロイト・ピストンズ戦で51得点をあげるなど、良いところもあった。そして彼は28歳と全盛期にある。

ラビーンはしばらく前からトレードの噂が絶えない。ブルズが見返りに求める可能性があることについても、以前から様々な情報がある。

あるリーグの情報筋は、『NBC Sports Chicago』のKC・ジョンソン記者に、ブルズが「ラビーンのトレードを決断したら、優れた若手、複数のドラフト1巡目指名権、サラリー条件を満たすような選手」を求めると話したそうだ。「1巡目指名権ひとつと績がある最高級の選手で十分に魅力的かもしれない」との声もあった。

ラビーンは5年総額2億1500万ドル(約324億6500万円/1ドル=151円換算)の契約の2年目であり、サラリー面での調整を難しくさせている。だが、ブルズが求める条件や、それに近い条件を満たすことができる可能性のあるチームは多い。ラビーンのトレード先候補となるチームをまとめた。

ザック・ラビーンのトレード先候補

Zach LaVine
(NBAE via Getty Images)

フィラデルフィア・76ers

候補となる理由

76ersにはスター選手の獲得に動くだけの資産がある。最高級の選手をあとひとり加えるだけで、ボストン・セルティックスを上回る優勝候補となり得るだろう。市場に出てくる中でラビーンは最高の選手かもしれない。

ラビーンは76ersで完璧にフィットしない。ジョエル・エンビードとタイリース・マクシーに並べるには、攻守両面に秀でたウィングのほうが良いだろう。だが、ダリル・モーリーは常に獲得可能性のあるタレントを狙い、フィットに関する心配は後回しにしてきた。

可能性のあるトレード案

トバイアス・ハリスの3920万ドル(約59億1920万円)というサラリーは、ラビーンの4000万ドル(約60億4000万円)とほぼ完ぺきに見合う。ハリスとドラフト1巡目指名権2つで、ブルズにとっては素晴らしい条件となるはずだ。

76ersはハリスの代わりに、契約満了となるマーカス・モリス、ニコラ・バトゥーム、ロバート・コビントンをまとめることもあり得る。その場合は、12月30日(同31日)までトレード完了を待たなければならないだろう。

ロサンゼルス・レイカーズ

候補となる理由

レイカーズはレブロン・ジェームズに並べるサポート選手を強く必要としている。今季のジェームズは1試合平均の出場が35分間で、攻撃における負担が大きすぎる。

オースティン・リーブスは昨季のウェスタン・カンファレンス・ファイナル進出からFIBAバスケットボールワールドカップ2023にも出場して疲れているようだ。ディアンジェロ・ラッセルはショットセレクションに苦しんでいる。ゲイブ・ビンセントは出場できていない。八村塁は良いプレイをしているが、負傷でいくつかの試合を欠場した。

レイカーズはラビーンがもたらす得点力で、リーグ25位の攻撃を活性化させられるはずだ。そしてラビーンの守備の問題は、アンソニー・デイビスのようなリムプロテクターの存在で軽減できるかもしれない。ラビーンはUCLA出身であり、トレードが実現すればロサンゼルスに戻るかたちだ。

可能性のあるトレード案

レイカーズは2029年か2030年のドラフト1巡目指名権をトレードに使える。ラビーンのサラリーに近づけるには、ラッセルと八村の双方を含めなければいけないだろう。両選手とも契約の制限で1月15日(同16日)までは移籍できない。

ラッセル、八村、リーブス、2029年ドラフト1巡目指名権と引き換えに、ラビーンとアンドレ・ドラモンド、ジュリアン・フィリップスを獲得するのが、レイカーズにとってベストの条件となり得る。

インディアナ・ペイサーズ

候補となる理由

ペイサーズは過去最高の攻撃を構築できた。ラビーンを加えてさらに強力にしようとしてもおかしくない。

ミネソタ・ティンバーウルブズでリッキー・リビオとプレイしたキャリア初期以降、ラビーンにはタイリース・ハリバートンのようなポイントガードがいなかった。すべてを自分でやるより、お膳立てしてくれる選手がいれば、ラビーンはさらなるレベルアップを果たせるかもしれない。

ペイサーズはフリーエージェントでスター選手を惹きつけることができなかった。そのため、ラビーンのような選手をトレードで獲得することが、ハリバートンと組ませる最高級の選手を手にするための最善策となる。

可能性のあるトレード案

ペイサーズは元来のドラフト1巡目指名権がすべてあり、さらに2024年の1巡目指名権もトレードできる。

ブルース・ブラウンとバディー・ヒールドで、ラビーンのサラリーと合わせることができるだろう。ただ、ブラウンは12月15日(同16日)までトレードできない。2選手と1巡目指名権2つで、ブルズにとっては良い条件となるだろう。

[AD] 楽天モバイル『最強プラン』なら追加料金なしでNBA全試合見放題!

トロント・ラプターズ

O.G. Anunoby guards Zach LaVine
(NBAE via Getty Images)

候補となる理由

ラプターズは守備がトップ10のレベルだが、攻撃がリーグ27位だ。得点力の面で助けを必要としている。

スコッティ・バーンズは明らかに飛躍を遂げており、そのスキルはパスカル・シアカムとややかぶっている。ラビーンが加われば、バーンズのためにもっとフロアを広げることが可能な異なるタイプのスコアラーとなるだろう。

ブルズにとって大きく理にかなうトレードではないだろうが、再建を望まない考え方にはフィットするだろう。メンバーを入れ替えることで、チームのケミストリーが良くなるかもしれない。

可能性のあるトレード案

シアカムとラビーンのサラリーはほぼ完ぺきにマッチする。お互いを直接トレードするかもしれない。

シアカムは契約が満了となるので、このトレードを実現させるには、シアカムがブルズでの長期契約を望むという、ある程度の確証がブルズに必要だろう。

マイアミ・ヒート

候補となる理由

ヒートは攻撃がリーグ24位で、ジミー・バトラーに助けが必要だ。すでにデイミアン・リラードの獲得を目指したトレード案があり、それをラビーンのために修正できる。

ラビーンの守備の欠点は、ヒートならうまくカバーできるだろう。ラビーンはハードワークする選手で、ヒートの文化に合うはずだ。そしてバトラーに次ぐ役割を担うことは明らかだろう。終盤の重要な局面における判断力の問題もあまり目立たなくなるかもしれない。

可能性のあるトレード案

ダンカン・ロビンソンとタイラー・ヒーローでは、ラビーンのサラリーを上回る。合わせるために、ブルズがジェボン・カーターを含めるかもしれない。カーターは12月15日(同16日)までトレード制限がある。

また、ヒートは2028年と2030年のドラフト指名権2つをトレードするかもしれない。

ゴールデンステイト・ウォリアーズ

候補となる理由

信じられないことだが、ウォリアーズは開幕から11試合、ステフィン・カリーのほかに21得点超をあげる選手がいなかった。クレイ・トンプソンとアンドリュー・ウィギンズの低調で、カリーの助けとなる選手を必要としている。

可能性のあるトレード案

トンプソンは契約満了を迎える。延長契約の締結で合意に近づいていない。ウォリアーズがトンプソンに対する信頼を失ったのなら、カリーがトップ5でいる最後の数年のひとつを無駄にすることはできない。

ラビーンとドラモンドでトンプソンとトレードされる可能性がある。ウォリアーズは必要としていたサイズも手に入れられるだろう。2028年のドラフト1巡目指名権を使え、2024年のポートランド・トレイルブレイザーズへの指名権の保護条件を修正し、2026年の指名権を加えることもできる。

原文:Zach LaVine trade destinations: Lakers, Sixers, Heat and Raptors among top landing spots for Bulls star(抄訳)
翻訳:坂東実藍

[AD] NBAがWOWOWに帰ってきた!毎週7試合ライブ配信、注目の5試合を実況・解説付きで生中継!

Stephen Noh

Stephen Noh Photo

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

坂東実藍 Miran Bando Photo

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。