ブルズのザック・ラビーンが足の手術で今季終了 NBAトレード期限に及ぼす影響とは?

Kyle Irving

YOKO B

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シカゴ・ブルズのスター選手、ザック・ラビーンが今季終了となる右足の手術を受けることになった。これはNBAのトレードデッドライン(トレード期限)を揺るがす決断だ。

ラビーンは11月末から足の故障に悩まされており、2023-2024シーズンはここまで23試合の出場にとどまっている。11月30日から1月5日(日本時間12月1日から1月6日)までで17試合に欠場したが、最近になって7試合に復帰。2度のオールスターであるラビーンは、右足首をひひねって足のケガが再燃し、再び戦列を離れていた。

2月2日(同3日)、『NBC Sports Chigago』のKC・ジョンソン記者は、ラビーンが2月8日(同9日)のトレード期限まで欠場になるだろうと報じ、28歳のラビーンは市場で最も話題の選手の1人となっていた。

ジョンソン記者の報道の翌日、ブルズはラビーンの手術を発表している。

ザック・ラビーンのケガの最新情報

ブルズはプレスリリースの中で「シカゴ・ブルズのトレーニングスタッフ、医療スタッフと相談した結果、ザック・ラビーンとクラッチスポーツグループは、彼の回復プロセスの次のステップとしてラビーンの右足の手術を選択した」と述べている。

ラビーンは来週手術を受け、その後4か月の離脱を余儀なくされる。トレード期限における優勝候補チームの最重要人物の1人と目されていた選手にとってはタイミングの悪い話だ。

「骨ばった、突出した部分が気になるんだ」と、ラビーンは今季終了が発表される前に話している。

「第5中足骨のあたりは慎重にしないといけない。気をつけないとますます炎症がひどくなる」

通常なら大量得点をあげるラビーンにとって今季は、1試合平均20得点未満で、フィールドゴール成功率(45.2%)と3ポイントショット成功率(34.9%)は2017-18シーズン以来最低という不本意なシーズンだった。ブルズの49試合のうち、ここまで25試合にしか出場できなかった。

ザック・ラビーンのケガがNBAトレード期限に与える影響は?

シーズン開幕後のブルズの不振に不満を表明して以来、ラビーンの名前は常にトレードの噂に上っていた。彼は入手可能な大スターの1人として、ロサンゼルス・レイカーズやフィラデルフィア・76ersのような強豪チーム、さらにはデトロイト・ピストンズのような再建中のチームとの噂もあった。

ケガに悩まされた1年だったとはいえ、ラビーンは過去5シーズンでNBA屈指のオフェンスのエースとしての地位を確立していた。

ラビーンはその期間に1試合平均25.1得点、4.5アシスト、3Pを2.7本を記録し、出場したら即得点を取れるスコアラー、スペースを作れるシューター、そして、どんなバックコートとも噛み合う副次的なクリエイターであることを証明した。

今季終了となる手術が発表された今、2024-25シーズンまで活躍が期待できないとわかっていながら、この負傷したスター選手をトレードで手に入れるほど急を要すると感じるチームはないだろう。

ラビーンは、2022年のオフシーズンに締結した5年2億1520万ドル(約318億5000万円/1ドル=148円換算、以下同)の延長契約の2年目に入ったばかりだ。つまり、トレードの可能性がある相手は、短期間の優勝争いのためにラビーンをレンタルするのではなく、2026シーズン(2026-27シーズンには4900万ドル(約72億5千万円)という巨額のプレイヤーオプション付き)まで彼にコミットする意思がなければならない。

ラビーンが頂点を極めるための選手となることを期待していたチームが、2024年のトレード期限で即座にインパクトを与えたいのであれば、アトランタ・ホークスのオールスターガードであるデジャンテ・マレーのような似たような才能の持ち主にそのターゲットを移さなければならなくなった。

その一方で、ブルズは将来の再建に向けたリターンを得られるようにラビーンをオフシーズンまで温存することになるだろう。

ブルズは現在23勝26敗でイースタン・カンファレンス9位。プレイオフ圏内確定の6位から3.5ゲーム差で、2シーズン連続のプレイイン・チームになりそうだ。

原文:Zach LaVine injury update: Bulls star set to have season-ending foot surgery ahead of NBA trade deadline
翻訳:YOKO B

Kyle Irving

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You read that wrong – not Kyrie Irving. From Boston, graduated from the University of New Hampshire. Sixth season as a content producer for NBA.com's Global editions. Covering the NBA Draft has become his annual "dream come true" moment on the job. Irving has a soft spot for pass-first point guards, with Rajon Rondo and Steve Nash being two of his favorite players of all time.

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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。