5月21日、ジョージ・ワシントン大学を卒業した渡邊雄太がブルックリン・ネッツのワークアウト(コーチやスカウトの前で行なう能力チェック)に参加した。この日に招待されたのは、今年のNBAドラフトで上位指名候補に挙げられるグレイソン・アレン(デューク大)、デアンソニー・メルトン(USC)、ジェフリー・キャロル(オクラホマ州立大)らを含む計6人。ブルックリンにあるネッツの練習施設で、1on1、3on3、シューティングドリルなどのメニューをこなした。
渡邊は、前夜午前3時に目を覚ましてしまい、以降は集合時間の午前7時まで眠れなかったという。それほどの緊張を味わいながらも、ワークアウトでは自身の実力をアピールできたと自負する。特に、得意とするディフェンスは好調で、シカゴでのNBAドラフトコンバインにも参加した選手が4人もいたハイレベルなメンバーの中でも「1対1のときは1本も決められてない」と胸を張った。
「ディフェンスは1on1、3on3の両方で良いところが見せられました。オフェンスでもオープンで打ったシュートはしっかり決めて、ドライブもできました。最後のシューティングドリルだけはひどかったんですが、それを除けばかなり良かったと思います」。
明るい表情でそう述べた渡邊は、ワークアウト終了後にネッツのショーン・マークスGMから賞賛の言葉をかけられ、ジェレミー・リンとも言葉を交わしたとか。
大学を卒業し、NBA入りを目指して各チームのワークアウトに参加する渡邊雄太 Photo by Daisuke Sugiura
今後、渡邊は24日にワシントン・ウィザーズのワークアウトにも参加する。その後、29日には契約するエージェンシーであるワッサーマンがNBAのスカウトやエグゼクティブをロサンゼルスに招いて行なう“プロ・デイ”、来月上旬にはイタリアで開催されるNBAドラフトコンバインにも参加予定だ。さらに6月21日のドラフトまでに、あと6つほどのNBAチームとワークアウトを行なうつもりだという。
「現状、僕がドラフトにかかる確率はほぼない」と現実的な渡邊だが、たとえドラフト外だとしても、これからの頑張り次第で道は開ける。サマーリーグで活躍すれば、NBAのトレーニングキャンプに呼ばれる可能性も十分あるだろう。
大きな一歩を踏み出した23歳は、「5月末から6月のドラフトまでのワークアウトが本当に大事な時期になってくる。この1か月が本当に勝負」と意気込む。
文:杉浦大介 Twitter: @daisukesugiura