渡邊雄太「自分の今までの良さを伸ばしていければ、このチームでも僕は活躍できる」|ピストンズ戦後一問一答(10月9日/現地8日)

杉浦大介 Daisuke Sugiura

渡邊雄太「自分の今までの良さを伸ばしていければ、このチームでも僕は活躍できる」|ピストンズ戦後一問一答(10月9日/現地8日) image

フェニックス・サンズの渡邊雄太が10月9日(現地8日)に敵地リトル・シーザーズ・アリーナ(ミシガン州デトロイト)で行われたデトロイト・ピストンズとのプレシーズン戦後にメディアの取材に応じた。

この試合で渡邊は30分24秒間のプレイで3ポイントショット6本中2本成功を含むフィールドゴール9本中4本成功の10得点、5リバウンド、1アシスト、2スティールをマークし、オーバータイムの末に130-126で勝利している。

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以下、渡邊の試合後の一問一答(すべて日本語での質疑応答。質問は要約)。

自分にすごく自信があるというか、力をどんどんつけてきてというのを感じています

――初戦から30分以上、プレイした。

渡邊:割と長くなるんじゃないかなっていうのは、試合前からコーチと話していました。今日、どういう流れにかかわらず、こういうローテーションでいくっていうのを聞いたときに、結構長くなるよなっていうのは分かっていたんです。だからオーバータイム以外は、最初から言われていた通りのプレイタイムです。オーバータイム(での再出場)に関しては、試合前から「今日はいろいろやりたいことがあるけどとにかく勝とう」っていうことを言っていたんで、勝ちにいくのに(自分が)最後必要と思ってくれたのかなと、プラスに考えています。

――10得点を挙げ、フランク・ボーゲル・ヘッドコーチはディフェンスも良かったと話していた。

渡邊:自分にすごく自信があるというか、力をどんどんつけてきてというのを感じています。もちろん100%の力でやっていますけど、空回りはせず、冷静に一生懸命できるようになったっていうのが何よりも自分の成長かなというふうに思っています。今日も自分の中で余裕を感じながらプレイもできていましたし、自分の成長を感じました。

――3Pももちろん重要だが、エリック・ゴードンからパスを受けてプルアップジャンパーを決めた今日の2度目の得点の機会のような形でNBAでも得点ができるようになれば攻撃の幅は広がる。

渡邊:ああいうシュートはおそらく試合で打っても1、2本くらいでしょう。特にスターターがもっと長い時間出だせば、僕のああいうシュートの数はそんなに多くないんだろうなとは思います。それでもあれを武器として持っておくというのは、すごく大きいこと。できるけどやらないのか、できないからやらないのかでは全然、話が変わってきます。ああいうのを武器として持っておくのは、自分の強みになるかなと思います。

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自分の今までの良さを伸ばしていければ、このチームでも僕は活躍できる

――新しいチームでもこれまで同様、役割は3Pとエナジー供給だと思うが、それ以外に必要だと感じているのは。

渡邊:スターターと一緒にプレイする時は、そこが一番、必要になってくるので、そこは今までとあまり変わらないかなと。今までやってきていることをより高いレベルでやっていくっていうのが、このチームで求められていることだと思いますし、優勝に必要なことだと思います。自分の今までの良さだったりを伸ばしていければ、このチームでも僕は活躍できるというか、このチームを助けられるんじゃないかなと思っています。

――契約が保証されたものに変わり、1年間を戦い抜けるようなイメージで開幕前から臨むのか。

渡邊:レギュラーシーズンが始まったら、もちろんもうちょっとパフォーマンスを上げていきたいなと思っています。今までとは違うのは、今まではプレシーズン1戦目に自分のピークをまず持ってきておかなければいけませんでした。そこでアピールできないと、次の試合にも繋がらないですし、その後の契約にも関わってきていました。

特に去年なんかは本当にそうですけど、プレシーズン1戦目にピークを持っていって、そこでユータは使えるなと思わせることが次の試合につながり、レギュラーシーズンにつながっていった形でした。今回、2年間の契約をもらったことで、ここにピークを持ってくる必要がないというのは精神的にこんなに楽なんだっていうのを6年目にして初めて感じています。

特に今年は夏も代表のことやっていたおかげで身体はすごくいいので、しっかりと健康を維持しつつ、まずプレシーズンは乗り切っていけたらと思っています」。

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今年は(3P成功率)50%とか、ちょっと目標を大きくしたい

――数字こだわらないと思うが、頭にあるのはやはり3P成功率40%以上か。

渡邊:いや、今年はそれこそ50%とか、ちょっと目標を大きくしたいです。それくらいの確率で決めていかないといけません。シーズン中、ケガ人が出なかったら、おそらく僕がシュートを打てる回数は1試合で多くて4、5本くらいになってくるでしょう。3、4本の3Pを打つチャンスがあったら、確実に2本ずつは決めていきたいというのが今シーズンはあります。3、4本を打って、2本決めていったら単純計算で50%以上の確率になりますよね。もちろん口で言うほど簡単ではないです。シーズン通して50%の確率で決めるなんて、なかなかありえないことではあるんですけど、それぐらいの目標は持っておきたいと思っています。

――去年は一時期、成功率57%くらいをキープしていた。

渡邊:まあ、そうですね(笑)。去年、あの段階では、入り過ぎていたなっていうのがありました。ただ、今季は今までの練習でも(良かったし)、今日は2/6だったですけど、打ったシュート全部感覚は良かったんで、全部決められていたと思っています。そういう意味では去年のように50%以上を決めても自分の中では驚かないレベルには来ているんじゃないかと思っています。

もちろんディフェンスも去年に比べてチェックは激しくなるので、そんな簡単にいくとも思ってないですけど、それでも50%というちょっと高い目標設定にしたいなと思っています。

楽しいっすよ、本当に

――今日の試合、ケビン・デュラント、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビールというビッグ3は第1クォーターだけで揃って二桁得点。優勝狙うチームとして爆発力に手応えを感じるか。

渡邊:いやあ、もうベンチで見てても「チームメイトで良かったー」と思いながら(笑)。あんなのねえ、ディフェンスは嫌でしょう。KD(デュラント)がいて、ブッカーがいて、ブラッドがいて……いやいや、楽しいっすよ、本当に。

――今夜、最初の3Pはブッカーからパスを受けて決めた。連携は取れているのか。

渡邊:練習の時からすごくよく見てくれていますし、僕が少しでも空いたらああいうふうにパスをくれます。KDもそうですし、ブラッドもそうですけど、パスが本当に素晴らしい選手たち。だから少しでもスペースができたら、僕はいつでも準備しておかなければいけません。もちろんレギュラーシーズンが始まったら、彼らは自分でガンガン攻めていくでしょうけど、ああやって空いたところできっちり決めていくっていうのが僕の仕事になってきます。そこはしっかりやっていきたいなっていう感じです。

――チーム内にピュアポイントガードがいなくとも、特に問題にならなそうか。

渡邊:そうですね。あれだけの得点力があったら、別に切っていく選手がいなくても、特にあの3人が良い場所でボールをもらえさえすれば良いので、そこにパス通すことはPGではなくてもできます。まして、あの3人の誰かがボールを運んで、残りの2人でオフボールで動いてみたいな形はもう最強でしょう。だからそこはもう全然心配していないです。

――今日はデュラントと入れ替わりで出場したが、KDの控えとしての出場が増えそうなのか。

渡邊:今日に関しては多分、コーチもいろいろと見たかったんだと思います。僕とKDは去年一緒にプレーしているんで、そこまで見る必要がないっていうのがあったんでしょう。そこまで深いコミュニケーションは取ってなく、今日はこういう感じでいくと1人1人が何分から何分、何分から何分みたいに細かく書かれた紙を見せられました。だから今日はKDとはプレイしないっていうのはそこで分かっていました。おそらく見る必要が特にないということなんじゃないかなと勝手に推測してます。

取材・一問一答構成:杉浦大介


ネッツは次戦、10月11日午前11時(現地10日)にホームのフットプリント・センターで昨季覇者のデンバー・ナゲッツと対戦する。

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杉浦大介 Daisuke Sugiura

杉浦大介 Daisuke Sugiura Photo

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。