ベンチ登場で13得点、5リバウンド、4ブロック、2スティール。前日(現地7月6日)のサマーリーグ初戦では数字に残らない貢献が目立った渡邊雄太は、第2戦ではスタッツでも十分にアピールできたと言えるのではないか。
ブルックリン・ネッツの一員としてMGM Resorts NBAサマーリーグ2018に参加している渡邊は、7月7日(日本時間8日)にUNLV(ネバダ大ラスベガス校)のコックス・パビリオンで行なわれたオクラホマシティ・サンダー戦に出場した。
第1クォーターの残り5分32秒でコートに入ると、まずは7フッター(216cm超の長身選手)のセンター、ダカリ・ジョンソンのレイアップをブロック。これで勢いをつけると、直後にはフリースローと3ポイントショットで5得点をあげる絶好のスタートを切った。
一方、第2クォーターは終盤のレイアップによる2得点のみで、第1クォーター終盤から3Pを3本連続で失敗。単調なプレイに終始したチームも精彩を欠き、この10分間だけで13-30と大量リードを許してしまう。渡邊本人も「(シュートタッチは)悪くはなかったと思うんですけど、3本外して、外からは消極的になってしまった」と試合後に述べたように、一時的に思い切りを失くしたことを反省材料として挙げていた。
ただ、この日の収穫は後半に再びアグレッシブな姿を取り戻したことだろう。最大30点差をつけられたゲームでも集中力を切らさず、第3クォーター4分43秒ではサンダーの今年度ドラフト2巡目指名選手であるケビン・ハービーのレイアップを2本続けてブロック。第4クォーターにはドライブで2つのファウルをもらい、フリースローをすべて確実に決めて自身の得点を二桁にのせた。
「体力に関しては自信はある。連戦でも問題ないと思っています」。
そんな渡邊本人の言葉通り、実際にゲーム終盤に入っても動きは落ちず、チーム最多の約27分をプレイ。残り3分49分にはドライビングダンクを決めるなど、一時は12点差まで追い上げたチームを引っ張った。
ディフェンスではこの日もパワーフォワードの選手とマッチアップすることが多かったが、フィジカル面で圧倒されることはなく、インパクト大の4ブロックを記録した。渡邊も「まだ押されている部分はありますが、競り合った中でしっかりとブロックを合わせたりできた。そういう部分に関しては成長しているかな」と手応えを感じた様子だった。大差がついても守備面で集中力を切らさなかった渡邊の+/−(プラス/マイナス=当該選手のオンコート時のチームの得失点差)がネッツ内で唯一、プラスの数値(+8)だったのは偶然ではないはずだ。それゆえにチームも背番号42を長時間にわたって起用し続けたのだろう。
「みんな自分のアピールをすることに必死。ボールが回ってこない時間帯もあったりして、リズムの掴み方が難しくなってくる。ただ、終盤はちょっと立て直せたんで、そこに関しては良かった」。
この2試合で実力を披露した渡邊は、試合後には日本メディアだけでなく、アメリカ人記者たちにも取り囲まれて質問を浴びた。そのプレイはネッツの公式サイト、ツイッターでも取り上げられている。真夏のラスベガスで、23歳の日本人プレイヤーが存在感をアピールできていることは間違いないはずだ。
文・写真:杉浦大介 Twitter: @daisukesugiura
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