[渡邊雄太 NBAサマーリーグ リポート]マジックとのデビュー戦で8得点「ここがスタート地点」(杉浦大介)

杉浦大介 Daisuke Sugiura

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渡邊雄太が上々のサマーリーグデビューを果たした。ブルックリン・ネッツの一員としてラスベガスでのMGM Resorts NBAサマーリーグ2018に参加した渡邊は、7月6日(日本時間7日)にUNLV(ネバダ大ラスベガス校)のコックス・パビリオンで初戦に臨んだ。

オーランド・マジックを相手に合計約20分をプレイした渡邊は、8得点(フィールドゴール 3/9)、4リバウンド、2アシスト、2ブロックをマーク。ディフェンスでも主に2017年のドラフト1巡目全体6位指名のジョナサン・アイザックを大いに苦しめるなど、攻守両面で貢献した。

試合後、渡邊は「限られた機会の中でいかに良いシュートを打って決められるか。あとはディフェンスで今日みたいな自分より大きくて長い選手を相手にどれだけやれるかというところをしっかりアピールしていきたい」と語った。
この日、ネッツは80-86で惜しくも敗れたものの、実際に渡邊はオールラウンドなプレイで周囲に存在感を印象付けたはずだ。

▶ 渡邊雄太 マジック戦ハイライト

背番号42をつけた渡邊は、第1クォーター残り6分47秒のところで登場。このクォーターの残り2分11秒にはゴール前でオフェンシブリバウンドを掴み、ゴール下にいたジョーダン・マクラーリンへのパスで初アシストを記録した。第2クォーター終盤にはモハメッド・バンバのショットをブロックし、守備面でもハイライトを生み出した。

前半は9分間出場して無得点(FG 0/2)に終わったものの、1アシスト、1リバウンド、1ブロックをマーク。他の選手たちが自己アピールに熱心な中で、献身的にディフェンス、チームプレイに奔走する渡邊の姿は好印象だった。

第3クォーターの活躍はさらに鮮やかだった。残り4分51秒でコートに立つと、残り3分14秒にオフェンシブリバウンドからのレイアップで初得点。これで自信を得ると、その後に2本の3ポイントショットを決めて、このクォーターだけで8得点をあげた。加えて残り3分25秒には、昨季マジックで62試合に出場したウェス・アワンドゥのショットをブロックするシーンもあった。

「今回は4番(パワーフォワード)で使われることが多くなる。正直、こういう場面で自分がどのポジションをやりたいとかわがままは言っていられません。いろいろなポジションができるというのが僕の強み。4番でも自分の役割をしっかりこなせればと思っています」。

カレッジではガード選手とマッチアップすることが多かった渡邊だが、本人の言葉通り、この日はサイズ、パワーに恵まれたPFにも対応できることを示した。アイザックはゲーム全体で20得点をあげたものの、渡邊がマッチアップしている時間帯には自由を許さなかった。複数のポジションを精力的に守り、ロングジャンパーとゴール周辺のスキルで得点する渡邊の長所は、このレベルでも通用している。

「ここがある意味、1つのスタート地点。ここでどれだけできるかによって、次につながってくる」。

新たなスタートとなったサマーリーグ初戦で目論見通りに自らの能力をアピールし、明日のオクラホマシティ・サンダー戦でも今日と同等の出場時間を得る可能性は高い。初戦で早くも自信を掴んだ渡邊の2戦目以降のプレイがさらに楽しみになってきた。

文・写真:杉浦大介  Twitter: @daisukesugiura

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杉浦大介 Daisuke Sugiura

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東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。