【試合後一問一答】渡邊雄太との日本人対決を終えた八村塁「久しぶりに対戦できてよかった」

NBA Japan

杉浦大介 Daisuke Sugiura

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1月21日(日本時間22日)にキャピタル・ワン・アリーナ(ワシントンDC)で行われたトロント・ラプターズ対ワシントン・ウィザーズの試合後、ウィザーズの八村塁が記者会見に登場し、メディア対応を行なった(試合は109-105でラプターズが勝利)。ラプターズの渡邊雄太とは約2年ぶりの対戦とあって、『日本人対決』として注目を集めた一戦を終えた八村は、「久しぶりにこうやって対戦ができてよかった」と、東京五輪バスケットボール日本代表のチームメイトとの再会を振り返った。

試合後の八村の一問一答は以下の通り(前半は英語、後半は日本語での質疑応答。質問は概略、英語部分は翻訳)。


「2人で切磋琢磨して頑張っていきたい」

――復帰後、フォーカスしている部分は。

八村:まずはリズムを取り戻すことです。実戦からしばらく遠ざかっていたので、まずはリズムをつかもうとしていて、実際に戻ってきていると思います。このチームには新加入の選手が何人かいるので、彼らと良好なケミストリーを養成することにもフォーカスしています。

――ローテーションがなかなか定まらないなかでプレイするのは難しいか。

八村:現在、(ローテーションには)11人の選手がいます。みんな良いプレイができるので、コーチ(の仕事)は難しいでしょう。僕は自分のプレイ時間の中でチームの勝利を助けることに集中しています。15、20、30分だろうが、ハードにプレイし、チームの勝利を助けるつもりです。

――プレイを重ねることでより快適に感じられるようになっているか。

八村:間違いないです。さっきも言ったように、リズムを取り戻そうとしています。コーチ、トレーナーや他のスタッフともコミュニケーションをとっています。良くなっていくでしょう。

――3ポイントショットもより快適に打てるようになっているか。

八村:それも間違いないです。ドラフトされて以降、ずっと練習してきました。間違いなく自信がついてきて、3ポイントはより快適に打てています。こうして3ポイントをものにできたら僕にとって大きいでしょう。

――序盤はリードしたが、試合中に流れが大きく変わったことをどう思ったか。

八村:今日は最初に相手にパンチを打ち込もうと試合前から話し合っていました。実際にその通りにできたのですが、継続できませんでした。難しいですが、続けなければいけないと思います。つらいい負けですが、先週、やっと14人が揃ったばかりで、ケミストリーを見つけようとしているところです。いずれそれを手にできると思います。

――つらい負けが2つ続いたが、ロッカールームのムードは。

八村:大丈夫です。もちろんみんな負けるのは大嫌いです。まだ僕たちはどうするべきかを見極めようとしているところなんです。ただ、悪いエナジーが蔓延しているわけではありません。僕たちは向上しようとしています。明日は練習がありますし、話し合い、フィルムを見れば僕たちは大丈夫です。

※以下、日本語での質疑応答。

――最後、懸命に追い上げたが一歩及ばなかった。

八村:チームとしてもこの一戦はすごく(勝利が)欲しくて、最初の出だしから僕らが先にパンチを、ということで、それはできたと思うんですけど、続けることができなかったなっていうのが敗因になったと思います。それがこれからの課題じゃないかなと思います。

――復帰7戦目でリズムは戻ってきたか。

八村:少しずつリズムは戻ってきていますし、ミニッツ(出場時間)も上がってきているので、もう少し様子を見ながらやっていきたいなと思います。

――約20分をプレイし、欠場したカイル・クーズマの穴を埋めた。

八村:僕としても、オフェンスでもディフェンスでもできていたことはあると思うんですけど、もう少し良くできたこともあるんじゃないかなと思う。そこはまたフィルムで見て、やっていきたいなと思います。

――3ポイントショットは4試合連続で決めているが、シュートタッチは。

八村:シュートタッチも上がってきていると思いますね。僕のミッドレンジ(中距離ショット)も少しずつ上がってきていると思うので、そこもしっかりと考えながらプレイしていきたいなと思います。

――シュートの弾道、アークの手応えは。

八村:それもずっと課題としてやってきているので、そこも調整しながらやっていきたいなと思います。

――渡邊雄太選手との2シーズンぶりの対戦について。

八村:いつも対戦するときにどちらかが何かあってできなかったので、久しぶりにこうやって対戦ができてよかったなと思います。彼みたいに日本人で頑張っている人が僕と同じNBAの舞台にいるってことは、僕にとってもすごく良い影響というか、そういうこともあるんじゃないかなと思うので、僕ら2人で切磋琢磨して頑張っていきたいなと思います。

――第1クォーターにはいきなりマッチアップがあった。

八村:試合前にもマッチアップできたら良いねという話をしていたので、すぐにそれができてよかったなと思いました。

――1対1の際の渡邊選手の守りは堅かったか。

八村:彼もディフェンスが得意な選手なので。そうですね、良いディフェンスをされました。

――試合後はかなり長い間話していたようだったが。

八村:調子はどうだって感じで。シーズンももう中盤に入ってきたので、どういう感じかってことを話し合っていました。

――『ジャパニーズ ヘリテージ ナイト』(日米友好を祝うイベント)ということで、地元の日本人コミュニティから声援を浴びた。

八村:(ワシントン)DCでジャパニーズナイトということで、試合に出れて良かったですし、そういうなかで日本のコミュニティが広がっていると思うので、すごく嬉しいです。

――良い状態になってるように見えるが、まだ足りないのは具体的にどういった部分か。

八村:チームとあまり(練習や試合を)やってきていないので、チームのケミストリーとかそういうところでは少しまだわからないところもあります。そこをもうちょっとできたらいいなと思いますね。

――これまでずっとスタメンでやってきたが復帰後はベンチ出場。スターターへのこだわりはあるか。

八村:僕はないですね。チームも良い感じで来ているので、僕もそのなかに入ってリズムをつかめればいいなと思っています。全然そこは気にしていないです。

――復帰7戦目だが、バスケをしていて楽しいと感じるのはどんな部分か。

八村:こうやって会場に人がたくさんいる前でやるのもすごく、なんだかんだいって久しぶり。コロナの前以来だと思うので、観客が応援してくれて、そのなかでプレイできるっていうことはすごい楽しいです。DCはファンも良い人たちばかりなので、そういうなかでやっていけるっていうのはすごく楽しいですね。

――渡邊選手と一緒に楽しそうにプレイすることで刺激になった部分は。

八村:こうやって日本人として2人同じコートに、こういう大きい舞台で立てるっていうのはすごく嬉しいことですし、誇りに思うこと。これからも僕はNBAのコートに立ち続けようと思っていますし、彼もそういうふうにやっていくと思うので、2人で頑張っていきたいなと思います。

取材、一問一答構成、写真:杉浦大介 @daisukesugiura


【動画】八村塁 ラプターズ戦後記者会見

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ

杉浦大介 Daisuke Sugiura

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東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。