八村塁 一問一答「左でダンクするのは好きなんです」

NBA Japan

杉浦大介 Daisuke Sugiura

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八村塁(ワシントン・ウィザーズ)

ワシントン・ウィザーズの八村塁が、4月2日(日本時間3日)のチーム練習後に記者会見に応じた。チームはすでにポストシーズン進出を逃しているものの、八村自身は3月中旬からは昨季以来のスターターに復帰し、新加入のクリスタプス・ポルジンギスとのプレイも順調とあり、次のシーズンに向けて前向きな姿勢を保っているようだ。

この日の会見では、チームメイトのこと、オフの過ごし方、デトロイト・ピストンズ戦での豪快なダンク、今秋日本で開催されるNBAジャパンゲームズ、来季ウィザーズが着用する桜ジャージーなど、様々なトピックに言及した。

※前半は英語、後半は日本語での質疑応答。英語でのやり取りは翻訳、質問は要約。


オフに時間をかけて、身体を集中的に鍛えたい

――最近のウィザーズのプレイについて。

お互いの長所、短所を見極められてきていると思います。今のスタメン5人でプレイしたのは6試合くらいですが、過去3戦ではそれぞれの役割が見えてきて、おかげでオフェンスが容易になり、一丸となってプレイできています。

――クリスタプス・ポルジンギスはどんな選手?

彼はストレッチ・ビッグマン。すごいプレイヤーです。彼のような選手と一緒にプレイするのはこれが初めてですが、いい感じです。彼が相手の注意を引き付けてくれて、2~3人のディフェンダーがつくこともあり、おかげで他の選手たちのプレイが容易になるんです。だからオープンショットも打てるようになっています。

――コーリー・キスパートのプレイをどう思う?

彼は素晴らしいですよ。大学時代から良い選手でした。賢明で、バスケットボールをよく知っています。ゴンザガ大でも中心になって活躍し、NBAでも自分の役割もわかっています。いいプレイをしていますよ。

――ダニエル・ギャフォードとの関係は?

僕と彼はいつもふざけあっています。楽しいですよ。彼はアニメが好きなので、いつもその話をしています。彼はいつも『これはどういう意味なんだ』と尋ねてくるので、答えることもあります。ただ、彼のほうが詳しいので、答えられないこともあるんです(笑)

――オフは何を楽しみにしている?

夏がすべてオフになるのは僕の人生で初めて。だから時間をかけて、身体を集中的に鍛えたいです。良い身体を作るのが目標になります。

――ポルジンギスと一緒にプレイすること。

さっきも言ったように、彼は相手の注意を集め、2~3人を引き付けてくれます。長身なので視野が広く、パスもできます。自分をマークするディフェンダーだけでなく、いつも相手の5人のディフェンダーをよく見ています。それが(良いプレイができる)鍵なのでしょう。

――最近はスタメンで出ているが、変化は?

過去2年、僕はスターターでプレイしていたので、何かが変わったわけではありません。ベンチ出場で途中からゲームに入り、リズムを掴むほうが難しかったです。この6戦は先発していますが、そこでリズムを掴むのは簡単でした。

――来年の桜ジャージーを初めて見たのはいつで、どう思った?

初めて見たのは1か月くらい前でした。とてもクールですね。全身がピンク色になるとは思わなかったので、興味深かったです(笑)。来年、ジョーダン(ブランド)があのジャージーに合うどんなシューズを作ってくれるかも楽しみです。

※以下、日本語での質疑応答。

――ポストシーズン進出の可能性は消えたが、チームは好調。

プレイオフの可能性はなくなってしまったんですけど、僕らは若いチームなので、次のシーズンに向けてやっています。そのなかでこうやって試合に勝ってきているというのは、僕らにとってもすごく自信になりますし、次につながると思います。

――昨日は強豪チームのダラス・マーベリックスを相手に圧勝だった。

プレイオフチームにああやって勝てたのも良かったです。それ以上に、昨日はトレードがあったチーム(主力同士の交換トレードがあったマブスとの対戦)だったので、僕らも燃えていました。勝てて良かったです。

――ポルジンギスとのプレイ。

彼はすごくいいプレイヤーですね。アテンションをもらう(相手守備の注意を引き付ける)選手なので、そういうプレイヤーがいると僕らとしてもすごくやりやすいし、オープンショットの機会も生まれやすいので、そこはすごくいいなと思いました。

――3ポイントショットの精度を保てている鍵は?

ずっと試合をやってきていて、そのなかで試合に対するフィーリングがいいっていうのがあるんじゃないかなと思います。

――コーチはアグレッシブさを絶賛している。

もともと大学のときから、コーチ・フュー(ゴンザガ大のマーク・フューHC)とかトミー(ゴンザガ大のトミー・ロイド・アシスタントコーチ)からももっとアグレッシブにやれと言われてきていました。NBAに入って以降の1~2年のなかでも、いろんな人からアグレッシブにやれと言われてきました。「僕がアグレッシブにやるといつもいいことがある」と言われてきたので、それを心がけてやっています。

――コーチ陣の戦術に慣れてきた?

ここ最近、慣れてきたんじゃないかなと思います。

――ディフェンス面での手応えは?

ディフェンス面でも昔よりも相手のパーソネル(戦力)が分かってきて、やりやすくなってきているんじゃないかなと思いました。

――残り5試合で何を磨きたい?

来シーズンに向けて、この5試合もしっかりと自分のため、チームのためになるようにやっていきたいなと思います。

――3月25日(日本時間26日)のデトロイト・ピストンズ戦ですごいダンクを決めた。

左手でダンクするのは好きなんです。ボールをもらった瞬間、ゴールが空いていたので、思い切ってダンクにいこうと思ってやりました。

――ウインドミルダンクになったのは?

相手(のディフェンダー)も途中で入ってきたので、そこで思い切り振りかぶろうと思ってやりました。

――ダンク後に吠えて、テクニカルファウルももらった。

そうですね、はい。でもまあ、あれは価値があるテクニカルだったんじゃないかなと思いました。

――キャリア最高のダンクだと思う?

たぶんトップじゃないかなと思います。

――NBAジャパンゲームズについて。

すごく楽しみですね。僕が入ったときから、ジャパンゲームをやるっていう話が挙がっていたんですけど、コロナの影響でなかなかできなくて、今年やっとできるってことで僕もすごく楽しみにしてます。チームメイトも楽しみにしているので、来季がすごく楽しみです。

――食事管理について。

今年からシェフを雇い、ホームにいるときはずっとご飯を作ってくれています。そこが一番大きいんじゃないかと思います。

――もっと強引に行ってもいいときもありそうだが、それをしないから高確率。自身のショットセレクションについてどう思う?

いいと思いますね。人からももっとアグレッシブに行ったほうがいいんじゃないかとも言われるんですけど、僕としては3Pにこだわっているわけじゃないので、僕のタイミングで打っているので、そこまでこだわってないです。

――最近はスタメン出場し、プレイ時間が増えて数字も向上している。

ベンチから出るのに慣れてきたときにスターターになったので…僕としてはどっちでも全然やりやすいんですけど、スターティングから入るっていうのは僕がNBAキャリアでずっとやってきたことなので、それはもともとやっていたことだったので問題はないです。

取材、一問一答構成:杉浦大介 @daisukesugiura

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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ

杉浦大介 Daisuke Sugiura

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東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。