NBAの各チームが解雇通知をしまい込み、年間を通じてコーチを解任しなかったシーズンを経て、複数の指揮官が危険な立場にあったことは疑いなかった。だが不思議なのは、メンフィス・グリズリーズのデイビッド・フィズデイル・ヘッドコーチはそのひとりでなかったことだ。彼の立場が突然揺らいだのは、11月26日(日本時間27日)の試合でスターであるマルク・ガソルをベンチに置いたときだった。
数時間後、リーグの多くの人間にとって衝撃的なことに、フィズデイルHCは解任された。NBAのコーチの“回転木馬”が動き出す。次にグリズリーズにとって問題となるのは、誰をフィズデイルHCの後任にするかということだろう。我々が思いつくのは、以下の12名だ。
シェーン・バティエ
本人が準備できていると感じるなら、グリズリーズにとって道理にかなうのは、バティエの招へいだ。彼はしっかりと分析でき、メディアをよく知っていて、優勝メンバーの一員としての信任もある。
パトリック・ユーイング
ヘッドコーチとしては数年にわたってお呼びがかからず、イライラしているユーイングは、グリズリーズがフィズデイルを雇うまで最終候補のひとりだった。アシスタントコーチとしては経験を積んでおり、選手としては殿堂入り。チャンスが与えられたら、彼はジョージタウンからNBAにすぐに飛びつくだろうか?
ジョン・カリパリ
彼の名前をここに出すのは、それが起こり得ないということを示すためだけだ。もちろん、カリパリはメンフィス大学で指導した経験を持ち、そこでキャリアを再生させた。近しい人間は、彼がいずれNBAに戻ると主張する。それはおそらく本当だろう。だが、それはグリズリーズではない。そして、今でもないだろう。
デイビッド・ブラット
クリーブランド・キャバリアーズでの騒々しい1年半でファイナルまでたどり着いたブラットは、再びNBAで指揮を執るチャンスが欲しいと明確にしていた。クリーブランドに対する彼のアプローチのいくつかが細かく言われたものの、彼は行く先々で成功してきたコーチであり、勝者としての経歴も認められているだけに、グリズリーズでの仕事に就くこともあり得る。
J.B.・ビッカースタッフ
2015-16シーズンにヒューストン・ロケッツでケビン・マクヘイルが解任されたときに続き、2度目となる暫定ヘッドコーチに就任したビッカースタッフ。リーグで広く敬意を寄せられており、おそらくはヘッドコーチの仕事にふさわしい人材だ。グリズリーズは少なくとも彼にインタビューすべきだろう。
マーク・ジャクソン
ゴールデンステイト・ウォリアーズで変わった終わりを迎えてから、ジャクソンはメディアの世界へと戻った。以降、真剣なヘッドコーチの候補者となったことはない。だが、政治的側面ではまったくの失敗だったが、ジャクソンはウォリアーズの文化を変える中心にいた人物だ。再びヘッドコーチとして考慮されることへの準備を整えているかもしれない。
グレッグ・バックナー
メンフィスで現役としてのキャリアを終えたバックナーは、ロケッツで優れたアシスタントコーチとしての評価を築いた。ロケッツの現在の成功や、若手育成における彼の手腕から、バックナーはうまくフィットするかもしれない。グリズリーズがガソルのトレードとチーム再建を目指すならなおさらだ。
モンティ・ウィリアムズ
オクラホマシティ・サンダーでコーチを務めていた2016年、ウィリアムズは交通事故で妻を亡くす悲劇に見舞われた。その後サンアントニオ・スパーズの仕事を得た彼は、ヘッドコーチに戻る用意ができたようだ。ニューオーリンズ・ペリカンズでの最終シーズンに45勝37敗を記録しており、ペリカンズはその後苦しんでいる。
デイモン・スタウダマイアー
現役時代はキャリアの終盤にグリズリーズで2シーズン強プレイしただけのスタウダマイアーだが、アシスタントコーチとしてチームに従事。メンフィス大学でも2度にわたりアシスタントコーチを務めた。現在はパシフィック大学のヘッドコーチ。1年目の昨季は11勝22敗だったが、NBAでヘッドコーチとして試す価値はあるかもしれない。
ジェイ・ララナガ
ジョージ・メイソン大学やジョージア工科大学を含む複数の大学から関心を寄せられ、サクラメント・キングスが元グリズリーズのデイビッド・イェーガーを雇う前にジョージ・カールの後任候補でもあった。今季のボストン・セルティックスが最高のスタートを切っただけに、各チームはブラッド・スティーブンズHCのスタッフに関心を示すだろう。
スティーブン・サイラス
ロケッツがマイク・ダントーニを選ぶ前の最終候補のひとりだった。NBAのレジェンドである父ポール・サイラスから指導を受け、スカウトやアシスタントコーチとして17年の経験を積んでいる。父親よりもずっと温厚だが、伝統的なNBAへの想いと、試合へのアプローチにおける変化や分析への理解力を併せ持つ。
トニー・ベネット
NBAに飛躍できるだけ成熟している大学バスケットボールのコーチがいるとすれば、それはベネットだろう。その株は非常に高く、選手たちに規律を植え付ける能力は見事で、個々の選手のベストを引き出す力も示してきた。だが、グリズリーズが大学バスケの指導者に向かう可能性は低い。
原文: With David Fizdale out, Grizzlies could pursue these 12 coaching candidates by Sporting News(抄訳)