5月31日(日本時間6月1日)のNBAファイナル第1戦、第4クォーター残り1分を切り、ゴールデンステイト・ウォリアーズはクリーブランド・キャバリアーズに2点のリードを許していた。ジェフ・グリーンのマークを受けながらドライブしたケビン・デュラントが、レブロン・ジェームズと衝突する。
笛が吹かれ、審判ケン・マウアーはデュラントのチャージングと宣告。残り36.4秒でキャバリアーズは2ポゼッションをリードするチャンスを手にした。
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— FanSportsClips (@FanSportsClips) 2018年6月1日
だが、これで終わりではなかった。審判団はサイドラインでプレイを見直し、ジェームズが「合法な守備位置にいなかった」として、ブロッキングのファウルを犯したと判定を覆す。デュラントは2本のフリースローを決めて104-104の同点とし、試合の様相が変わった。
この大きな判定変更は、アナリストとファンを「そんな風にブロッキングかチャージングかを変えていいのか?」と驚かせた。答えはイエス。この状況をカバーする特定のルールがあるのだ。
第4Qないしオーバータイムの残り2分間で、守備側が制限エリア内にいたか疑問がある場合、審判団は問題の場面を映像で見直すことが認められている。その見直しの一環として、審判団は守備側が合法な守備位置にいたかどうかを決めることもできる。
マウアーの説明は以下のとおりだ。
「きっかけとなったのは、ジェームズが制限エリアにいたかどうか我々には疑問があったということだ。それから、我々は彼が合法な守備位置にいたかを決めることが許されている」
「彼は制限エリアの外にいたが、デュラントの別々のシュートモーションの前に合法な守備位置にいなかったのが確実だった。それでブロッキングのファウルに変更しなければならなかった」
NBAが6月1日(同2日)に認めたように、これはルール上正しい。明らかに制限エリアの外だったにもかかわらず、ジェームズは左足をスライドさせ、デュラントがショットを試みる前にしっかりと確立された位置にいなかった。それはブロッキングのファウルだ。これで良いだろうか?
正確には、違う。キャバリアーズのタロン・ルー・ヘッドコーチは試合後の会見で、「レブロンが制限エリアの4フィート(約1.2メートル)外にいたのは明らかだった」と、一連の流れについて確実な論点を示した。
「だから、映像を見直すことが道理にかなっていないんだ。ライン上なのか、半円の近くなのかということなら、見直しだ。彼は(制限エリアの)近くにいなかった。ならば、何を見直すんだ?ブロッキングか攻撃のファウル、どちらを宣告するかだ」
「このようなことは今までなかった。制限エリアの外にいると知りながら、判定を覆し、ブロッキングだったと言うなんてね。バスケットボールの歴史でこれまでになかったことだ。それが今夜、ファイナルという最大の舞台で、我々のチームが良いプレイをしていたときに起きたんだ。正しくない」。
はっきりさせておくと、これは以前にも起きたことだ。昨年12月のインディアナ・ペイサーズとオクラホマシティ・サンダーの試合中にも、一連の出来事があった。サンダーのジョシュ・ヒュースティスが最初はチャージングと宣告されたが、見直しを経てブロッキングに判定が覆っている。似ていないだろうか?
A charging call outside of the restricted area was overturned in a Pacers/Thunder game earlier this season pic.twitter.com/HUQa8G53kj
— The Render (@TheRenderNBA) 2018年6月1日
それでも、全体的な流れに対するルーHCの懸念は正しい。ジェームズは明らかに制限エリアの外にいた。審判団の誰もそれを見ることができなかったのなら、角度が悪かったとしてもそれは別問題だ。ブロッキングの判定は正しかった。だが、そこにたどり着くために、後戻りしたかのような感じだった。だからこそ、ルーHCとジェームズは、最終的な判定を受け入れ難かったのだ。
もっとシンプルに言えば、審判団がその結論にたどり着くためにルールに関して技術的に動けると知りつつ、審判団が正しい判定をすることを望むかということだ。
ジェームズは「自分のこれまでのキャリアにおけるほかのプレイと同じように読んだと思う」と述べている。
「ドライブしてくるのを見て、そのラインから自分は外れていた。そこに入り、コンタクトがあった。大きなプレイだった」。
大きなプレイだった。その点は、我々全員が賛同できるだろう。
原文: Why refs got charge-block call on LeBron James correct — and why Cavs should still be upset by Sporting News(抄訳)