2024年のNBAトレードデッドライン(トレード期限)を迎え、多くの取引が行われた。一方で、ロサンゼルス・レイカーズは動いていない。
トレードデッドラインに至るまで、レイカーズは複数選手の取引が噂されていた。ロスターのアップグレードを図るのは不可避と思われていた。だが結局、レイカーズは戦力を変えないことに決めた。
噂が多かっただけに、レイカーズが取引をしなかったことは、多くの人を驚かせた。だが、球団は戦略的に動かなかったようだ。
ここでは、なぜレイカーズが今回のトレードデッドラインで動かなかったのかをまとめる。
なぜレイカーズは2024年のNBAトレードデッドラインで動かなかった?
レイカーズは現在のロスターに対する信念を再確認しつつ、次のオフシーズンにおける柔軟性を維持するために、2024年のトレードデッドラインで取引をしなかった。主に3つに分けて説明する。
NBAプレイオフ2024
『ESPN』のデイブ・マクメナミン記者によると、レイカーズは「実現可能なトレードは法外なコストでわずかなアップグレードしか見込めないと判断した」という。同記者と『LA Times』のブラッド・ターナー記者によるレイカーズの戦略考察には、今季残りへの大きな楽観が含まれている。
トレードデッドラインの時点で、レイカーズは27勝25敗。ウェスタン・カンファレンスのプレイイン・トーナメント出場圏内だ。現在は3連勝中で、そのうち2試合はロードでボストン・セルティックス、ニューヨーク・ニックスを下した。
レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスがともにオールNBA級のパフォーマンスを見せている一方で、レイカーズはサポーティングキャストへの信頼も表している。オースティン・リーブスや、直近でプレイのレベルをアップさせたディアンジェロ・ラッセルといった選手たちだ。
リーブスとラッセルに加え、レイカーズはジャレッド・バンダービルトやゲイブ・ビンセントが健康に復帰することへの信念も貫いた。
万能なディフェンダーで重要な役割を担うバンダービルトは、足のケガで2月の残り試合をすべて欠場する見込みだ。
一方、オフシーズンに契約したビンセントは、ひざのケガに悩まされ、出場わずか5試合とまだ存在感を見せられていない。だが、健康であれば、彼はレイカーズのバックコートのローテーションを強化するだろう。
『Yahoo』のジェイク・フィッシャー記者によると、レイカーズはビンセントが3月初旬に復帰できることを願っているという。
バイアウト市場
マクメナミン記者は、バイアウト市場でレイカーズに大きなアドバンテージがあるとも指摘した。
FAでビンセントに完全なミッドレベル例外条項を与えなかったため、レイカーズはバイアウトされたり、ウェイブ(保有権放棄)された選手により多くのサラリーを提示できる。
近く獲得可能になることが見込まれる選手には、スペンサー・ディンウィディーやダニュエル・ハウスJr.、カイル・ラウリー、マーカス・モリスらがいる。すぐにリストに連なる名前は増えるだろう。
レイカーズは現在、14選手とスタンダード契約を結んでいる。ロスターに加えられる選手はひとりだ。金銭的なアドバンテージや、ジェームズ&デイビスという両スターと一緒にプレイする機会から、レイカーズはバイアウト市場で大きな注目チームとなる。
2024年オフシーズン
マクメナミン記者と『CBS Sports』のビル・レイター記者は、きたるオフシーズンに大きく動くための柔軟性が増すと示唆している。
トレードデッドラインで動かなかったことで、レイカーズは夏を見据えることになる。NBAドラフト2024の日から、3つのドラフト1巡目指名権を取引に含められるようになるのだ。
マクメナミン記者の報道によれば、レイカーズは選手や3つのドラフト1巡目指名権を含む条件と引き換えに獲得できる「正真正銘のスター」候補として、クリーブランド・キャバリアーズのドノバン・ミッチェルとホークスのトレイ・ヤングに注目しているという。
ミッチェルとキャバリアーズは現在、リーグ有数の好調ぶりだが、ヤングとホークスは実りある状況にない。現在のホークスは、東地区のプレイイン・トーナメント出場圏内に踏みとどまろうとしているところだ。
トレードに使用可能な唯一のドラフト1巡目指名権だった2029年の指名権や、貴重な戦力を手放さなかったことで、レイカーズは少なくともオフシーズンにできるだけの条件をスター選手に提示できる位置につけている。
原文:Why didn't Lakers make a trade at 2024 deadline? Buyout market, offseason star-chasing plans impact LA's strategy(抄訳)
翻訳:坂東実藍