NBA 2021-22シーズン開幕前 ヘッドコーチランキング

Benyam Kidane

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NBA創設75周年を記念する2021-22シーズンを前にしたトレーニングキャンプの開始まで数週間。NBAの7チームがヘッドコーチを新しくし、そのうちの5名は初挑戦となる。

今回はその2021-22シーズンに各チームの指揮を執る現役ヘッドコーチ30名のランキングを発表する。

ランキングはNBA.comグローバル版のスタッフ8名による投票で決定し、1位票が30ポイント、2位票が29ポイント、3位票が28ポイント…と進み、1ポイントの30位票まで投じる。

トップ10のヘッドコーチたち

10位 トム・シボドー(ニューヨーク・ニックス)

Tom Thibodeau, New York Knicks
 

最高順位:8位
最低順位:14位

昨季のニックスは7年ぶりにプレイオフに進出し、イースタン・カンファレンスで4位の記録を残した。トム・シボドーの功績は大きい。

シボドーは守備第一の姿勢をニックスに植え付けた。フィジカルでハードなスタイルをニックスに戻し、守備はリーグ4位。また、ジュリアス・ランドルをオールスターに選出されるほど開花させた。

ニックスはロスター全体でシボドーの試みを実践し、すぐに結果につなげた。2021-22シーズンに向けてロスターが向上しているニックスはこれからだ。

9位 フランク・ボーゲル(ロサンゼルス・レイカーズ)

Frank Vogel, Los Angeles Lakers

最高順位:6位
最低順位:13位

昨季のレイカーズはプレイオフ・ファーストラウンドで敗退した。だが、コーチングの面以上に負傷が大きく響いたかたちだ。わずか1シーズン前に、ボーゲルがレイカーズを優勝に導いたことを忘れてはいけない。

レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスの土台に、ほぼまったく新しくなったグループのレイカーズ。ボーゲルHCが率いるのはベテランのチームだが、そのピース全員のフィットをともに保つことができれば、2021-22シーズンに向けて興味深くなる。2020年にリングへと導いた守備のアイデンティティーを、彼はこのグループに認めさせられるだろうか?

7位タイ クイン・スナイダー(ユタ・ジャズ)

Quin Snyder, Utah Jazz

最高順位:5位
最低順位:12位

昨季のプレイオフではセカンドラウンドで敗退したが、レギュラーシーズンのジャズはリーグ最高の52勝20敗という成績で圧倒的なベストチームだった。

ジャズは試合に勝っていただけでなく、攻守両面で結果につなげていた。ルディ・ゴベアとドノバン・ミッチェルがけん引し、守備はリーグ3位、攻撃はリーグ4位だ。

スナイダーHCの下でジャズは毎シーズン成長している。レギュラーシーズンで勝てることは証明した。だが、2021-22シーズンは、それをポストシーズンの成功につなげることに集中するだろう。

7位タイ リック・カーライル(インディアナ・ペイサーズ)

Rick Carlisle, Indiana Pacers

最高順位:4位
最低順位:14位

カーライルHCは近年のNBAで有数の指導者と広くみなされている。過去2シーズンで若きダラス・マーベリックスをプレイオフに導き、次はインディアナで新たな挑戦だ。

過去数シーズンのペイサーズは負傷者が出ていたが、健康なマルコム・ブログドン、TJ・ウォーレン、キャリス・ルバート、ドマンタス・サボニス、マイルズ・ターナーがいれば、彼らが一緒にコートに立っていることができれば、カーライルHCはペイサーズをイーストのサプライズにできるだろう。

6位 タロン・ルー(ロサンゼルス・クリッパーズ)

Ty Lue, LA Clippers

最高順位:4位
最低順位:11位

クリッパーズはまだカワイ・レナードとポール・ジョージのスーパースターコンビを王者にできていない。だが、球団初のウェスタン・カンファレンス・ファイナルに導いたルーHCの功績は十分だ。

レナードのケガ次第で、ルーHCにとっては違う状況となっていたかもしれない。だが、今季のウェストは非常にオープンなだけに、シーズンが終わった時に、クリッパーズが再びうまくやっている可能性はある。

5位 スティーブ・カー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)

Steve Kerr, Golden State Warriors

最高順位:2位
最低順位:11位

5年連続ファイナル進出で優勝3回。過去10年のNBAで最も成功してきたコーチがカーHCだ。だが、ここ2シーズンは54勝83敗と大きく成績を落としている。

ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンの負傷に悩まされたウォリアーズだが、スプラッシュブラザーズが完全に健康に戻れば、ウェスト上位の座を取り戻す準備が整うはずだ。

4位 グレッグ・ポポビッチ(サンアントニオ・スパーズ)

Gregg Popovich, San Antonio Spurs

最高順位:1位
最低順位:14位

上位勢の中で最も票が割れたのが、ポポビッチHCだ。22年連続プレイオフ進出の記録後、2シーズン連続でプレイオフに進めなかったことを考えれば、それも妥当かもしれない。だが、現在のロスターは何世代にもわたって支配してきたロスターとはまったくの別物だ。

オフシーズンにパティ・ミルズが離れたことで、スパーズでタイトルを獲得した最後の選手が球団を去った。サンアントニオでは正式に新たな時代が始まったのだ。彼らはデジャンテ・マレー、デリック・ホワイト、ロニー・ウォーカー四世、ケルドン・ジョンソンといった若い主力のさらなる成長を目指している。

3位 モンティ・ウィリアムズ(フェニックス・サンズ)

Monty Williams, Phoenix Suns

最高順位:2位
最低順位:14位

ウィリアムズHCはわずか2シーズンでサンズをシーズン19勝のチームからNBAファイナルへと変貌させた。かつての球団の暗い見通しを考えれば、目覚まし快挙だ。

クリス・ポールを加え、デビン・ブッカーやミケル・ブリッジズ、ディアンドレ・エイトンといった選手たちが成長を続けたことで、サンズは正当なタイトル候補となった。おそらくは、予定より早くに――。

大舞台の味を知った今、プレイオフの間にウィリアムズHCが示した信頼もあり、サンズの若い選手たちは血気盛んだ。もちろん、ポールはさらに1歳、年を重ねる。だが、サンズは昨季が偶然でなかったことを示すはずだ。

2位 ニック・ナース(トロント・ラプターズ)

Nick Nurse, Toronto Raptors

最高順位:2位
最低順位:6位

ニック・ナース以上に、選手からより多くを引き出せるコーチがいるだろうか?

攻守両面における創造性、試合中のマネジメント、ボックスワンと、トロントでナースHCはフレッド・バンブリートやOG・アヌノビーらからさらなる力を引き出し、成功を収めてきた。また、若い選手たちに自分を表現させてきた。例えばクリス・ブーシェイだ。

ラプターズはドラフト全体4位でスコッティ・バーンズを指名した。ナースHCが才能あるフォワードを1年目からどう育てるか、期待が寄せられる。ラプターズはロッタリーチームから再びポストシーズンに進むことを目指しているからだ。

1位 エリック・スポールストラ(マイアミ・ヒート)

Erick Spoelstra, Miami Heat

最高順位:1位
最低順位:2位

2位票ですらわずかに2つと、ほぼ満場一致の結果だ。昨季の最優秀ヘッドコーチに関するGM調査で46%の得票率だった理由も簡単に分かる。

スポールストラHCは安定を絵に描いたようであり、すでにリーグ有数の経歴を持つ。2020年にNBAファイナルを戦ったヒートは今季、イーストでミルウォーキー・バックスとブルックリン・ネッツからトップの座を奪うのに最も適した位置にいるチームだろう。

近年、スポールストラHCのチームは予想以上の成績を残してきた。だが、スポールストラHCが手にした現在のロスターは、レブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュの時代以降で最も才能があるものとなっている。確かに新たなピースが多く、それらをフィットさせなければいけない。だが、スポールストラHCには、彼のシステムの中で物事をうまくまとめてきた実績がある。

ファイナルリスト

順位 コーチ チーム ポイント
1位 エリック・スポールストラ ヒート 238
2位 ニック・ナース ラプターズ 223
3位 モンティ・ウィリアムズ サンズ 209
4位 グレッグ・ポポビッチ スパーズ 207
5位 スティーブ・カー ウォリアーズ 197
6位 タロン・ルー クリッパーズ 193
7位タイ クイン・スナイダー ジャズ 180
7位タイ リック・カーライル ペイサーズ 180
9位 フランク・ボーゲル レイカーズ 177
10位 トム・シボドー ニックス 166
11位 マイク・ブーデンホルザー バックス 165
12位 ドック・リバース 76ers 161
13位 マイケル・マローン ナゲッツ 157
14位 ネイト・マクミラン ホークス 143
15位 タイラー・ジェンキンズ グリズリーズ 134
16位 スティーブ・ナッシュ ネッツ 127
17位 ビリー・ドノバン ブルズ 108
18位タイ ジェームズ・ボレーゴ ホーネッツ 100
18位タイ ドウェイン・ケイシー ピストンズ 100
20位 スティーブン・サイラス ロケッツ 84
21位 クリス・フィンチ ウルブス 82
22位 マーク・デイグノート サンダー 67
23位 JB・ビッカースタッフ キャバリアーズ 63
24位 イメイ・ユドカ セルティックス 54
25位 ウィリー・グリーン ペリカンズ 40
26位 ジェイソン・キッド マーベリックス 38
27位 ジャマール・モズリー マジック 35
28位 ルーク・ウォルトン キングス 27
29位 チャウンシー・ビラップス ブレイザーズ 26
30位 ウェス・アンセルドJr. ウィザーズ 17

原文:This year's draft class has a different type of potential(抄訳)


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Benyam Kidane

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Benyam Kidane is a senior NBA editor and has been covering the league for The Sporting News since 2016. In his spare time you can find him watching Allen Iverson highlights on repeat.