バスケW杯で活躍したNBA選手 2023-2024シーズンの所属チームは?

大西玲央 Reo Onishi

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9月10日、ドイツ代表がセルビア代表に勝利し初優勝を決める形でFIBAバスケットボールワールドカップ2023は幕を閉じた。日本がアジア1位の座を確保し2024年のパリ五輪出場決めるなど、今年のW杯は大きな盛り上がりを見せた。

全員NBA選手で構成されたアメリカ代表がメダル獲得を逃すことになったものの、MVPとなったデニス・シュルーダー(ドイツ代表)を筆頭に、大会で最も活躍した5選手を表彰するオールスターファイブは全員NBA選手となった。ここではW杯で活躍したNBA選手をNBA 2023-2024シーズンどこで見られるのかチェックしよう。

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デニス・シュルーダー(トロント・ラプターズ)

まずは素晴らしい活躍でMVPに輝き、ドイツ代表を初優勝へと導いたシュルーダーだ。昨季はロサンゼルス・レイカーズで八村塁のチームメイトとしてプレイしていたのも記憶に新しいシュルーダーだが、このオフシーズンにトロント・ラプターズと契約している。

W杯では8試合に出場し、平均19.1得点、6.1アシスト、1.4スティール、3ポイント成功率32.7%を記録。昨季のレイカーズでは平均12.6得点、4.5アシスト、0.8スティール、3P成功率32.9%を記録しており、代表では大幅に数字を伸ばしていることがわかる。

レイカーズではレブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビス、オースティン・リーブスなどにボールを委ねる場面も多かったが、ラプターズではこれまでメインハンドラーを務めていたフレッド・バンブリートが抜けたこともあり、W杯ほどではないにしろ、これまで以上にオフェンスの中心を担う存在となり、活躍が見られるかもしれない。

渡邊雄太(フェニックス・サンズ)

日本が誇るNBA選手のひとりとして、日本代表をリードしていたのが今季からフェニックス・サンズでプレイする渡邊雄太だ。NBAではロールプレイヤーとしての役割を全うし、昨季のブルックリン・ネッツではリーグ屈指の3Pシューターとして注目されていたが、W杯では日本の中心選手として躍動。

5試合で平均14.8得点、6.2リバウンド、1.8ブロックの活躍で日本のパリ五輪出場枠獲得に大いに貢献した。NBAと比較して際立つのはやはり得点力だが、NBAでも見せるヘルプディフェンス時の秀逸なタイミングやブロック能力は、このW杯でも度々見られた。

2023-24シーズンはケビン・デュラント、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビールなどスター揃いのサンズでプレイすることもあり、再びロールプレイヤーとしての活躍が期待されるが、いざという時に多様な起用方法ができることはすでに証明済みだ。

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ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)

スロベニア代表のドンチッチが8試合で記録した平均27.0得点は大会トップで、得点以外にも7.1リバウンド、6.1アシスト、2.5スティールとオールラウンドに活躍した。NBAでもダラス・マーベリックスだけでなくリーグを代表する選手として、トリプルダブルを連発する活躍を見せるスーパースターだ。

マーベリックスはオフシーズンにもう1人のスター選手であるカイリー・アービングと再契約し、ルカ&カイリーのデュオ継続の道を選んだ。昨季途中にトレードで実現したこのコンビが、開幕から一緒にプレイできることでどれだけ連携を向上できるのかが気になるところ。

さらにマーベリックスはオフシーズン中にダンテ・エクサムとの契約も発表している。ここ数シーズンはユーロリーグでプレイしたエクサムは、W杯にオーストラリア代表として出場し活躍を見せた。3シーズンぶりのNBAでどんなプレイを見せるのか注目だ。

ディロン・ブルックス(ヒューストン・ロケッツ)

昨季はメンフィス・グリズリーに在籍し、レイカーズとのプレイオフでレブロンへの煽りなど、プレイ面以外でやたらと注目されてしまったブルックスだが、本来はその守備力の高さでチームにエナジーを注入することができるタイプの選手だ。

W杯ではカナダ代表のメンバーとして大会の最優秀選手に選出された。さらにディフェンスだけでなく、オフェンス面でもタッチの良さと力強いドライブでカナダに度々好機を作るプレイを見せた。アメリカとの3位決定戦では3Pを8本中7本きめる39得点の大活躍で、カナダ代表に銅メダルをもたらした。

W杯でのプレイがどれだけ今季のNBAでのプレイに繋がるかはまだわからないが、ロケッツに移籍したことでこれまで以上に目立つようになることは間違い無いだろう。若手の才能が多いロケッツだけに、ブルックスが自身を前に出しながらも、同時に若手を支えられるベテラン選手となれるかが今後のキャリアにとって重要だ。

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シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(オクラホマシティ・サンダー)

ブルックスと同じカナダ代表で圧倒的な活躍を見せたのがオクラホマシティ・サンダーのSGAことシェイ・ギルジャス・アレクサンダーだ。W杯では8試合に出場し、平均24.5得点、6.4リバウンド、6.4アシスト、1.6スティールを記録した。

さらに注目したいのが彼のターンオーバー数だ。ギルジャス・アレクサンダーは大会を通してわずか11回しかターンオーバーをしていない。決勝トーナメントまで進み8試合をプレイし、メインハンドラーとして平均32.1分も出場していながらもこの少なさは凄まじい。比較として、同じようにボールを多く持つドンチッチは通算34回のターンオーバーを記録している。

サンダーは多くの若手選手を抱えながらも、昨季はプレイイン・トーナメントまで出場し、プレイオフ出場まであと1勝というところまでいった勢いあるチーム。その主軸となっているのがギルジャス・アレクサンダーのプレイだ。W杯で大活躍を見せ、世界大会で結果を出せていなかったカナダ代表を銅メダルまで導いた実績を作った彼がどのような活躍を見せてくれるのかは、2023-24シーズンの楽しみのひとつだ。

ボグダン・ボグダノビッチ(アトランタ・ホークス)

ニコラ・ヨキッチ不在のセルビア代表を銀メダルへと導いたのがボグダン・ボグダノビッチだ。FIBAの大会となるといつも活躍しているイメージの強いボグダノビッチだが、このW杯でも8試合で平均19.1得点、4.6アシスト、2.1スティール、3P成功率42.3%という素晴らしい数字を残した。

NBAではシックスマンとしてベンチからのパンチ力として起用されることが多いボグダノビッチは、今季もアトランタ・ホークスで安定した活躍が期待される。先発メンバーにはデジャンテ・マレーとトレイ・ヤングがいることもあり、ボグダノビッチがベンチから出場することで、大幅に戦力を落とさずにベンチメンバーへシフトできるのが強みとなるだろう。

ホークスには他にオーストラリア代表として相変わらずのリーダーシップを見せたパティ・ミルズが今季から加わっている。

アンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

4位に終わったアメリカ代表だが、その中でエースとしての力があることを見せつけたのがミネソタ・ティンバーウルブズのアンソニー・エドワーズだ。W杯にドミニカ共和国代表として出場したカール・アンソニー・タウンズがチームの顔として長年プレイしてきたウルブズだが、リーグ入り3年でエースとしての頭角を表し始めているエドワーズを主体としてチームにすべきだという声も多い。

アメリカ代表というタレント揃いのチームでも、やはりエドワーズのこの力は突出したものがあった。チームと噛み合えば強力な戦力となることは間違いない。ただウルブズはタウンズだけでなく、フランス代表のルディ・ゴベアなどチームの中心になれそうな選手が多いチーム。どういった舵取りが行われるのか注目だ。

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W杯で活躍を見せたその他NBA選手たち

  • ジョシュ・ギディー(オクラホマシティ・サンダー/オーストラリア)
  • シモーネ・フォンテッキオ(ユタ・ジャズ/イタリア)
  • ヨナス・バランチュナス(ニューオーリンズ・ペリカンズ/リトアニア)
  • フランツ・バグナー(オーランド・マジック/ドイツ)
  • カーリック・ジョーンズ(シカゴ・ブルズ/南スーダン)
  • ラウリ・マルカネン(ユタ・ジャズ/フィンランド)
  • ジョーダン・クラークソン(ユタ・ジャズ/フィリピン)
  • RJ・バレット(ニューヨーク・ニックス/カナダ)
  • ミケル・ブリッジズ(ブルックリン・ネッツ/アメリカ)
  • オースティン・リーブス(ロサンゼルス・レイカーズ/アメリカ)
  • ニコラ・ブーチェビッチ(シカゴ・ブルズ/モンテネグロ)

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大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。