なぜバックスはうまくいかなかったのか? ヤニスとリラードを擁しながらプレイオフ1回戦敗退

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坂東実藍 Miran Bando

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ミルウォーキー・バックスは今シーズンに臨む際、タイトルを手にするか破滅するかと見られていた。だが、目標には遠く及ばず、NBAプレイオフ2024のファーストラウンドでインディアナ・ペイサーズ相手に敗退を余儀なくされている。

昨季のプレイオフ・ファーストラウンドで第8シードのマイアミ・ヒートに敗れ、バックスは大きな変化が必要と感じていた。そして2023-2024シーズンのトレーニングキャンプが始まる前、フロントオフィスはドリュー・ホリデーと2029年のドラフト1巡目指名権、2つのドラフト1巡目指名権交換権と引き換えに、ポートランド・トレイルブレイザーズ、フェニックス・サンズとの三角トレードで、スーパースターのデイミアン・リラードを獲得した。

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この大型取引はNBAの展望に大きな衝撃を与え、バックスは優勝の有力候補となった。

ヤニス・アデトクンボのようにインサイドで強い選手と、3ポイントショットを次々に沈めて得点を量産するリラードのようなスコアラーがコンビを組んだにもかかわらず、バックスは何がうまくいかなかったのだろうか。『スポーティングニュース』がここでまとめる。

最悪のタイミングでバックスを襲ったケガ

2024年の優勝を目指すのに、バックスが最高のチャンスを手にしていなかったことは否めない。

レギュラーシーズン最終週にアデトクンボがふくらはぎを負傷したのを始め、バックスはケガの問題に苦しめられた。

残り5試合の時点で、バックスはまだイースタン・カンファレンスの第2シードを競っていた。それは、プレイオフを前に他のスター選手たちと違い、アデトクンボに休む余裕がなかったことを意味する。長期的にバックスはその代償を払うことになったのだ。

プレイオフまで2週間という4月9日(日本時間10日)、バックスはリーグ首位のボストン・セルティックスに勝利したが、アデトクンボが接触のないところでふくらはぎを負傷。ペイサーズとのシリーズに出場することはなかった。

これにより、バックスはリラードの負担が大きくなった。リラードは自分の役割を果たそうとしたが、第3戦で負傷。アキレス腱の痛みで第4戦と第5戦を欠場している。

さらに、バックスはクリス・ミドルトンが右足首の負傷を抱えてのプレイとなり、シックスマン賞候補のボビー・ポーティスは大事な第4戦の第1クォーターに退場となった。

1勝3敗となり、アデトクンボを起用できなかったことで、シリーズは終わったようなものだったのだ。

うまくいかなかったバックスの守備

近年のバックスの最大の強みは守備だった。ホリデー、アデトクンボ、そしてブルック・ロペスと、年間最優秀守備選手賞の候補となる3人を擁し、堅固なディフェンスを築いていた。

リラードのような守備は積極的でない選手と引き換えにワールドクラスのディフェンダーであるホリデーを手放し、バックスが守備で成功し続けられるかどうかは疑問だった。そしてその懸念は現実のものとなったのだ。バックスの今季のディフェンシブレーティングは、球団史上ワーストだった。

近年のバックスのディフェンシブレーティング
シーズン ディフェンシブレーティング ランキング
2023-24 115.0 19位
2022-23 110.9 4位
2021-22 111.1 14位
2020-21 110.7 9位
2019-20 102.5 1位
2018-19 104.9 1位

ホリデーの穴を埋めるのは不可能だった。ただ、それはリラードが及ばなかっただけではない。今季はミドルトンが守備で後退し、開幕から指揮をとったエイドリアン・グリフィン・ヘッドコーチは、多くの解決策を提示できなかったのだ。

ドック・リバースHCになって守備はやや改善されたが、ここ数シーズンの出来にはほど遠かった。

バックスの指揮官交代劇

オフシーズンにマイク・ブーデンホルザー元HCを手放したことを、バックスは後悔しているだろうか。彼の下で、バックスはいつもアデトクンボを筆頭に攻守両面でNBAトップクラスだった。

ブーデンホルザーはプレイオフでの調整力の不足を批判されることが多かった。だが、彼が指揮した5年間、バックスは常にポストシーズンに進出している。

昨季のファーストラウンド敗退後、ブーデンホルザーHCは解任された。それまでの4年は、イースタン・カンファレンス・セミファイナル進出が2回、イースタン・カンファレンス・ファイナル進出が1回、そして2021年のNBA優勝だ。

しかし、バックスはヘッドコーチ1年目というグリフィンを選んだ。そしてその実験は、開幕から43試合での解任に終わった。グリフィンはチームの複数メンバーやスタッフと衝突していたと報じられている。

だが、彼が解任された時、すでにシーズンは折り返し地点を過ぎていた。そのため、優勝候補の一角とされるチームを率いることになった後任のリバースHCは、彼が「誰にも望まない」と話したほどの厳しい状況に立たされた。

バックスはリバースHCの下、残りのレギュラーシーズンで17勝19敗と苦しんだ。優勝が期待されたこのロスターにとって適切な声を、本当の意味で見つけることができなかったのだ。

原文:What went wrong for the Bucks? Giannis Antetokounmpo, Damian Lillard eliminated by Pacers in 2024 NBA Playoffs(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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You read that wrong – not Kyrie Irving. From Boston, graduated from the University of New Hampshire. Sixth season as a content producer for NBA.com's Global editions. Covering the NBA Draft has become his annual "dream come true" moment on the job. Irving has a soft spot for pass-first point guards, with Rajon Rondo and Steve Nash being two of his favorite players of all time.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。