八村塁のプレイに見るブレイク・グリフィンの要素

Carlan Gay/NBA Canada

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八村塁はゆっくりとNBAでのキャリアを築き始めた。だが、12月16日(日本時間17日)のデトロイト・ピストンズ戦の前までの8試合で、ワシントン・ウィザーズの新人は重要な選手であることの兆候を見せている。

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この8試合で八村は平均18.4得点、7.4リバウンドを記録し、8試合連続で二桁得点をマークした。彼のことを入念に見てみると、現在ピストンズでプレイするオールスター選手のブレイク・グリフィンを感じさせるところがある。

八村とグリフィンをつなげるようなことは多くない。実際、ドラフト前に『NBA.com』のドラフト専門家たちの多くが比較したのは、アントワン・ジェイミソンやジャバリ・パーカー、サディアス・ヤングといった選手たちだった。

しかし、八村にグリフィンとのつながりを見出すには、表面以上のことに目を向けなければならない。

 

伝統的な選手比較の枠にはまらない八村

若かりし頃のグリフィンを思い出して、多くの人がまず考えるのは、別次元の運動能力だ。八村には人々が評価する以上の運動能力がある。

選手の比較は通常、若い選手と同タイプの以前の選手を比較する。だが、若手が頭角を現してきた時のそういった伝統的な選手比較という枠にはまらないのが八村だ。

八村が本当に比較されるべきは、ロサンゼルス・クリッパーズ時代の重力を感じさせない、高く飛ぶグリフィンではない。成熟し、洗練され、バランスが取れている彼、デトロイトでオールスター選手としての地位を保っているグリフィンと比較するほうが良い。

 

リングへのフィニッシュは新人時代のグリフィン以上

新人の八村が地位を確立しているグリフィンと同じように、あるいはそれよりもうまくやれているのが、リングへのフィニッシュだ。

新人時代のグリフィンはいつもリングにアタックしているような感じで、大半のプレイがハイライトとなるようなフィニッシュで終わっていた。ショットの40.8%がバスケットから3フィート(約91cm)以内で、そのうち68.9%を決めている。その多くがダンクで、このシーズンのグリフィンは214本のダンクを叩き込んだ。

グリフィンのプレイは進化するにつれ、衝撃を吸収し、守備者の上からではなく、彼らをかわしてのフィニッシュや、混雑の中で巧みにショットを決めるようになっていった。

八村が新人時代のグリフィンのようにリングに対して自信をもってフィニッシュすることはない。だが、彼は成熟したグリフィンのような精度でフィニッシュする。

今季の21試合で、八村はバスケットから3フィート以内のショットを73.1%の確率で成功させている。グリフィンがそれほど安定したのは、一芸に秀でていただけの選手から多才なスキルを持つスコアラーに徐々に成長し始めた2年目からだ。

 

被ブロックは多いが…

シーズンの最初に八村はかなりブロックされたが、これは新人時代のグリフィンと似ている。彼が自己最多の被ブロック(93)を記録したのは、1年目のことだった。21試合での八村の被ブロック数(31)も、グリフィンのそれに達するペースだ。

ただ、ブロックされるのが悪いことだけとは限らない。リングを狙い、囲まれる中でもプレイしようという意欲を示しているからだ。新人時代のグリフィンは何度もブロックされたかもしれないが、平均8.5本のフリースローとファウルももらっている。エンドワンは自己最多の83回だった。

今季の八村のFT試投は平均2.2本だが、二桁得点を記録した8試合では平均3.6本だった。八村がNBAで次のレベルのタレントになりたいのなら、彼の進化における次のステップはこの点になる。FT成功率は新人でトップ20に入る84.9%。そのFTを得る道を見つける、ということだ。

そして、それは徐々にできつつある。

ロサンゼルス・レイカーズ戦でレブロン・ジェームズ相手に体を使い、コンタクトをしてからショットを決めたようなプレイが増えれば、グリフィンのように頻繁にできるようになっていくはずだ。

原文:Washington Wizards' rookie Rui Hachimura is showing signs he can become a version of Blake Griffin by Carlan Gay/NBA Canada(抄訳)​

Carlan Gay/NBA Canada