ウォリアーズはラインナップ問題をどう解決すべき? クミンガの出場時間増加など4つの修正点

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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負傷や出場停止、効果のなさや死にもの狂いになったこともあるなど、様々な要因の組み合わせから、今季のゴールデンステイト・ウォリアーズは異なる13のスターティングラインナップを試してきた。それがうまく機能したかどうかは、順位を見るだけで分かるだろう。

ウォリアーズがステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、アンドリュー・ウィギンズ、ドレイモンド・グリーン、ケボン・ルーニーのスターティングラインナップで優勝したのは、わずか2シーズン前のことだ。それが今季は同じメンバーで開幕してから5勝6敗。このラインナップでのネットレーティングは-7.9と、10勝25敗のポートランド・トレイルブレイザーズよりも悪い。

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スティーブ・カー・ヘッドコーチはもう、試合を乗り切るのにかつてのグループを頼りにすることができない。シンプルに、彼らは不十分だった。今季の流れを変えそうにもない。では、指揮官にできるのはどんなことだろうか?

カーHCが注目すべき4つの修正点をまとめる。

ウォリアーズはラインナップの問題をどう解決すべきか

アンドリュー・ウィギンズ起用がチームに痛手

ウィギンズの落ち込みぶりは衝撃だった。オールスターで先発出場してから2年。ウィギンズはリーグで最も良くないローテーションプレイヤーのひとりとなってしまったのだ。

ウィギンズのエフェクティブフィールドゴール成功率は46.5%。『Basketball-Reference』のスタッツに載るだけの出場時間を記録している141選手のうち、140位という数字だ。今季の3ポイントショット成功率は29.7%。相手チームは彼をワイドオープンにさせている。そのため、ウォリアーズはスペースがふさがれているのだ。

また、一時期のウィギンズはプレイオフでルカ・ドンチッチを素晴らしい守備で止めていた。だがもう、そういうことはなさそうだ。大きく後退しており、オフボールの守備は完全に崩れ去った。

今季のウォリアーズはウィギンズがプレイしている時間で、相手チームに150点も上回られている。チームで2番目に悪い数字は、ルーニー出場時の64点差だ。ウィギンズとの差がいかに大きいかが分かるだろう。

12月中旬、カーHCはウィギンズをスターティングラインナップから外した。だが、1月7日(日本時間8日)のトロント・ラプターズ戦で再びチャンスを与えている。だが、ウォリアーズは118-133で敗れた。

ウィギンズがコートの上でこれを解決することを、ウォリアーズは待っていられない。少なくとも、一時的に彼をローテーションからは外すタイミングだ。

 

ジョナサン・クミンガの出場機会増加

クミンガの出場時間に関するカーHCの決定は安定していない。そのため、選手が指揮官に対する信頼を失ったとも報じられたほどだ。オーナーのジョー・レイコブも最近、記者会見でカーHCがクミンガの出場時間制限について説明するのを聞いている。

クミンガにはウォリアーズで最高のディフェンダーのひとりとなるほどの力がある。しかし、ショットが不安定で、感覚に浮き沈みがある。これは、それらの欠点を隠すために、一定のチームメイトたちとプレイすることが必要ということだ。

今季同じ問題を抱えてきたウィギンズと一緒にクミンガをプレイさせるのは、そういった問題をさらに強調することにしかならない。2人が一緒に出場した時間は、まったくの大失敗だった。100ポゼッションあたりで20.7点差をつけられている。デトロイト・ピストンズの試合平均の約2倍という数字だ。

ウィギンズの代わりにクミンガを起用するというのが、簡単な答えだろう。そのラインナップでウォリアーズはネットレーティングが+9.1と非常に良かった。

Trayce Jackson-Davis, Moses Moody, Brandin Podziemski and Jonathan Kuminga
(NBAE via Getty Images)

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モーゼス・ムーディーの解放

ムーディーほどウォリアーズで出番が与えられていない選手はいない。そしてその理由は不明だ。クリスマス以降、直近の7試合のうちの5試合で、ムーディーの出場時間は6分に満たなかった。3試合は出場機会なしだ。本人もカーHCの下での役割にフラストレーションを感じているとの声もあった。

ピストンズ戦で第4クォーター終盤にようやくクミンガが投入された際、観客から大きな声援が送られたほどだ。だが、カーHCがベンチに呼び戻すまで、出場時間はわずか5分35秒だった。

クリス・ポールが左手を負傷している中、ムーディーはもっと出場時間を得るべきだ。少なくとも、ラプターズ戦では22分の出場で21得点をあげている。

ムーディーは3P成功率34.7%、フィールドゴール成功率48.5%と、ウォリアーズで最も効率が良い選手のひとりだ。テイクチャージもする万能なディフェンダーで、ヘルプもうまい。シンプルに、彼がもっとプレイする必要がある。

トレイス・ジャクソン・デイビスとブランディン・ポジェムスキーへの注力

カーHCの名誉のために言うと、彼は若手の起用を嫌う指揮官ではない。新人の2人、ジャクソン・デイビスとポジェムスキーは、今季のウォリアーズで特に良かった選手たちの部類に入る。そしてカーHCは彼らを信頼している。

ジャクソン・デイビスは今季のリーグ有数の新人ビッグマンで、ドラフト2巡目指名の掘り出し物だ。素晴らしい身体能力と感覚を見せており、アウトサイドからのショットを除き、ほぼすべてに関してウォリアーズに少しずつもたらしている。

ポジェムスキーはウォリアーズのシステムに自然にフィットした。バランスがとれており、感覚が優れたガードで、リバウンドやプレイメーク、ショット、エネルギーをチームに与えている。

今はウォリアーズにとって厳しい移行の時期だ。しかし、一時しのぎではなく、カーHCは多くの優勝リングを勝ち取ってきたベテランたちから前進する必要がある。まさにこの問題から、前ゼネラルマネジャーのボブ・マイヤーズはオフシーズンに退任したのだ。だが、カーHCはまだ続投している。そして厳しい決断を下すために報酬を得ている。今のウォリアーズのロスターには、優れた若いアスリートたちがいるのだ。

ベテランたちにはそれぞれチャンスがあった。次は、新しい選手たちが何をもたらせるかを見るべき時だ。

原文:How Warriors can solve lineup issues: Less Andrew Wiggins, more Jonathan Kuminga among rotation solutions(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。