プレイオフ逃したウォリアーズのオフシーズン展望:注目はクレイ・トンプソンのフリーエージェント

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坂東実藍 Miran Bando

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ゴールデンステイト・ウォリアーズの2023-2024シーズンが終わった。プレイイン・トーナメントでサクラメント・キングスに大敗。これから、重要なオフシーズンを見据えていくことになる。

ステフィン・カリーは今季もまだ十分にやれると証明した。平均26.4得点、5.1アシスト、4.5リバウンドを記録している。来季は36歳になるシーズンだ。NBA有数の選手に残された時間を最大限に活用すべく、彼の周囲に適切な人材をそろえるための重要な決断がウォリアーズに迫っている。

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フリーエージェントになるクレイ・トンプソンと合意するのか。クリス・ポールの無保証契約をどうするのか。モーゼス・ムーディーやブランディン・ポジェムスキー、トレイス・ジャクソン・デイビスのような、浮き沈みのある一部の若手たちはどうなるのか。

『スポーティングニュース』がウォリアーズのオフシーズンの展望をまとめる。

注目ポイント:クレイ・トンプソンの無制限フリーエージェント

トンプソンのFA以上にウォリアーズが難しい決断を下さなければいけない問題はないだろう。

もちろん、トンプソンはウォリアーズが4回優勝し、王朝を築くのに大きく貢献した選手だ。過去5年で大きな手術を2回乗り越えてきた。今季はまずまずのレベルでプレイするようになるまで、肉体的・精神的・感情的に様々なことを経験している。

スターターからベンチスタートに降格となりながら、リザーブの役割で今季自己最高のプレイを見せ、スターティングラインナップ復帰を果たした挽回力は見事だ。しかし、プレイイン・トーナメントでキングスに敗れた際、フィールドゴール10本中0本成功に終わったことは、かつての安定性に頼ることができないことをあらためて思い起こさせた。

34歳のトンプソンはもはや、全盛期のようなオールスターやオールディフェンシブチーム選出級の選手ではなくなっている。しかし、ウォリアーズの文化や成功にとって非常に重要な存在であることは変わらない。NBAドラフト2011でウォリアーズに全体11位で指名されて以降、彼はすべての歩みをともに過ごしてきた選手だ。

4月8日(日本時間9日)、トンプソンはドレイモンド・グリーンに、ウォリアーズと夏に再契約を結びたいと話した。だが、今現在を大切にするとも述べている。

トンプソンは『The Draymond Green Show』で「確かにウォリアーズと再契約したい。でも、メンタルヘルスを優先させ、キャリアのこの段階で自分に何が重要かを計画する必要もある」と話した。

「これからやるべきことはたくさんあるから、あまり考えていないんだ。7月1日のことを考え出したら、自分で損するだけだからね。だから、大事なのは今にとどまること。シンプルなことだ。今にとどまり、NBAにいることに感謝するばかりさ」

ウォリアーズのシーズンが終わり、多くの人は彼らの王朝も終わったと考えた。だが、スティーブ・カー・ヘッドコーチ、カリー、グリーンは全員、オフシーズンにトンプソンをとどめたいと望んでいる。

カーHCは「我々にはクレイが戻ってくることが必要だ。まだ彼はあと数年しっかりやれる。球団の全員を代表して言っている。我々は、彼に戻ってほしい」と話した。

カリーは「ふたりと一緒にいないなんて、考えられない」と述べている。

グリーンは「もちろん、クレイに戻ってきてほしい。クレイが去るシナリオなんてないと思う。チームと球団にとってそれがベストの決定だ」と話した。

The Athletic』のティム・カワカミ記者は、若いタレントが豊富だがショット力を必要としているオーランド・マジックが、夏に「大金をクレイにオファーする」見込みと報じた。「リーグで最も知られている秘密のひとつ」としている。

カワカミ記者は、ウォリアーズのオーナーであるジョー・レイコブが、今夏でラグジュアリータックス(ぜいたく税)から抜け出すことを望んでいると話したことも指摘している。つまり、トンプソン(あるいはポール)に支払う金額に慎重にならなければいけないということだ。

ウォリアーズの今後のフリーエージェント

今オフシーズンに無制限FAとなるのは、トンプソンとダリオ・シャリッチのみ。制限つきFAはウスマン・ガルーバ、レスター・キニョーネズ、ジェローム・ロビンソンの3人。だが、いずれも安定したローテーションプレイヤーではない。

ギャリー・ペイトン二世は910万ドル(約14億140万円/1ドル=154円換算)のプレイヤーオプションがある。ウォリアーズがチームオプションを有している選手はいない。

無制限 制限つき プレイヤーオプション チームオプション
ダリオ・シャリッチ ウスマン・ガルーバ ギャリー・ペイトン二世 なし
クレイ・トンプソン レスター・キニョーネズ    
  ジェローム・ロビンソン    

ウォリアーズの今後のサラリーとロスター

トンプソンのFAを除くと、ウォリアーズが次に最優先すべきは、ポールとケボン・ルーニーの無保証契約の問題だ。

ウォリアーズはすでにカリー、グリーン、アンドリュー・ウィギンズが2025-2026シーズンまでの契約となっている。グリーンとウィギンズは2026-2027シーズンのプレイヤーオプションもある。

選手 2024-25 2025-26 2026-27 2027-28
ステフィン・カリー 5580万ドル 5960万ドル UFA  
クリス・ポール 3000万ドル(NG) UFA    
アンドリュー・ウィギンズ 2630万ドル 2820万ドル 3020万ドル(PO) UFA
ドレイモンド・グリーン 2410万ドル 2590万ドル 2770万ドル(PO) UFA
ギャリー・ペイトン二世 910万ドル(PO) UFA    
ケボン・ルーニー 800万ドル(NG) UFA    
ジョナサン・クミンガ 760万ドル RFA    
モーゼス・ムーディー 580万ドル RFA    
ブランディン・ポジェムスキー 350万ドル 370万ドル(TO) 570万ドル(TO) RFA
トレイス・ジャクソン・デイビス 190万ドル 220(NG) 240万ドル(TO) UFA
ギー・サントス 190万ドル(NG) 220万ドル(TO) RFA  

PO = プレイヤーオプション

TO = チームオプション

NG = 無保証

UFA = 無制限FA

RFA = 制限つきFA

ウォリアーズのNBAドラフト2024の指名権

ウォリアーズの2024年のドラフト1巡目指名権は、ポートランド・トレイルブレイザーズとのトレードでトップ4の保護条件付きとなっている。ロッタリーで驚きの展開がなければ、現状では指名権はブレイザーズに譲られる。

もうひとつの指名権は、ミルウォーキー・バックスからの2巡目指名権で、全体53位指名権になる見込みだ。

原文:Warriors eliminated from postseason: Klay Thompson's free agency headlines crucial offseason for Golden State(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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You read that wrong – not Kyrie Irving. From Boston, graduated from the University of New Hampshire. Sixth season as a content producer for NBA.com's Global editions. Covering the NBA Draft has become his annual "dream come true" moment on the job. Irving has a soft spot for pass-first point guards, with Rajon Rondo and Steve Nash being two of his favorite players of all time.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。