フェアなことであろうと、そうでなかろうと、チェット・ホルムグレンとビクター・ウェンバンヤマは、それぞれのNBAキャリアを通じてお互い比べられるだろう。
NBAドラフト2022で全体2位指名されたホルムグレンは、上位を競うオクラホマシティ・サンダーで、すぐに攻守両面においてインパクトを残した。一方、NBAドラフト2023で全体1位指名されたビクター・ウェンバンヤマも、再建中のサンアントニオ・スパーズで、やはり攻守両面ですぐにインパクトを残している。
ホルムグレンはケガで2022-2023シーズンを全休したため、ウェンバンヤマとともに2024年の新人王レースの最前線にいる。どちらの7フッターが受賞すべきか、シーズン半ばの時点では個人の意見で分かれそうだ。だが、ホルムグレンがわずかに有利に見える。
新人王争いはまだまだ続くが、ここで両選手の重要なスタッツを見ていこう。
(スタッツはすべて現地2024年1月23日終了時点)
ビクター・ウェンバンヤマ対チェット・ホルムグレン:スタッツ比較
レギュラーシーズンの数字を見ると、ウェンバンヤマとホルムグレンがそれぞれのチームで担う役割の違いが平均スタッツに表れている。どのスタッツでもウェンバンヤマが上回っているが、より効率的なのはホルムグレンだ。
ウェスタン・カンファレンスの最下位にあるスパーズは、ほぼすべてのことに関してウェンバンヤマに大きく頼っている。一方、ホルムグレンもサンダーで様々なことをこなすと見られているが、周囲のタレントの多さから、もっと明確な役割で活躍できている。
1試合平均スタッツ
ウェンバンヤマ | ホルムグレン | |
得点 | 20.3 | 17.1 |
リバウンド | 10.0 | 7.2 |
アシスト | 2.9 | 2.8 |
スティール | 1.1 | 0.6 |
ブロック | 3.2 | 2.6 |
ターンオーバー | 3.2 | 1.7 |
出場時間 | 28.5 | 30.1 |
フィールドゴール成功率(%) | 46.4 | 54.1 |
3ポイントショット成功率(%) | 29.9 | 38.2 |
フリースロー成功率(%) | 80.7 | 78.8 |
36分換算のスタッツ
ウェンバンヤマ | ホルムグレン | |
得点 | 25.7 | 20.4 |
リバウンド | 12.6 | 8.6 |
アシスト | 3.7 | 3.4 |
スティール | 1.3 | 0.7 |
ブロック | 4.0 | 3.1 |
ターンオーバー | 4.0 | 2.0 |
合計スタッツ
ウェンバンヤマ | ホルムグレン | |
得点 | 751 | 735 |
リバウンド | 370 | 311 |
アシスト | 108 | 121 |
スティール | 39 | 27 |
ブロック | 117 | 111 |
ターンオーバー | 118 | 73 |
出場時間 | 1,054 | 1,296 |
ビクター・ウェンバンヤマ対チェット・ホルムグレン:アドバンスドスタッツ比較
アドバンスドスタッツではホルムグレンが有利なのはすぐに分かる。いくつかの数字は、両チームの成功具合に大きな差があることの影響が大きい。
ホルムグレンは新人として見返りが大きい状況で活躍している。それが、勝利を積み重ねていくことに苦戦しているチームで大きな数字を残すよりも難しいことなのかどうかは、議論が分かれるところだ。
ウェンバンヤマ | ホルムグレン | |
Player Efficiency Rating | 21.5 | 20.5 |
Value Over Replacement | 1.2 | 2.0 |
Box Plus/Minus | 2.4 | 4.0 |
Win Shares | 1.2 | 4.7 |
True Shooting% | 55.7 | 64.0 |
Usage% | 31.6 | 21.6 |
- Player Efficiency Rating:プレイヤーエフィシェンシーレーティング、出場時間、得点、リバウンド、アシストなど様々な個人スタッツを基に計算される選手の活躍度。リーグ平均は15.0。
- Value Over Replacement:バリュー・オーバー・リプレイスメント、交代要員レベルの選手と比較して100ポゼッション平均で何得点貢献したかを測る数値。
- Box Plus/Minus:ボックスプラスマイナス、ボックススコアを基にコート上で選手がどれだけ貢献しているかを測る数値。リーグ平均は0.0。
- Win Shares:ウィンシェア、チームの功績を選手単位に分配する数値。選手たちの合計値がそのチームの1シーズンの勝利数とほぼ同じになる。
- True Shooting %:トゥルーシューティング成功率、3ポイントショットとフリースローも加味したシュート成功率。
- Usage %:ユーセージ率、ポゼッションを完了した割合。
原文:Victor Wembanyama vs. Chet Holmgren: The key stats you need to know in the Rookie of the Year debate(抄訳)
翻訳:坂東実藍