NBA開幕戦の反響:ウェンバンヤマの新人王確定やレブロンの出場時間制限問題など

Stephen Noh

YOKO B

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ついにNBAが開幕し、視聴者は初戦から素晴らしい試合を観ることができた。10月24日(日本時間25日)にはウェスタン・カンファレンスの強豪4チームが対戦し、25日(同26日)には24チームがシーズンデビューを飾った。

長いシーズンの幕開けの一戦に過剰に反応するのは自然な流れだ。私はその衝動に抗うよりも、むしろその衝動に身を任せている。

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開幕から2日間の試合で最も注目すべきことを以下にまとめる。

ウェンバンヤマがホルムグレンとヘンダーソンを抑えて新人王を獲得するのは確実

Victor Wembanyama
(Getty Images)

ビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)のデビュー戦は好不調の波が激しいものだった。ファウルトラブルに悩まされ、第3クォーターまではほとんど活躍できずにわずか6得点に終わった。

しかし、第4Qに入ると2本のダンクと2本のジャンパーで9得点を記録。また、試合序盤にはカイリー・アービングのジャンパーをブロックするなど、ディフェンス面の実力を見せた。最終的には、15得点、5リバウンド、2アシスト、2スティール、1ブロックという堅実なスタッツを残している。

まずまずのスタートとなったウェンバンヤマが新人王を獲得する可能性は、初日を終えてますます強くなった。スクート・ヘンダーソン(ポートランド・トレイルブレーザーズ)は11得点を記録したが、4ターンオーバーと振るわず、チェット・ホルムグレン(オクラホマシティ・サンダー)は試合を通してシカゴ・ブルズのセンターたちに押されまくっていた。

Andre Drummond is manhandling Chet Holmgren. Shoving him on every screen, giving him back-to back welcome to the NBA moments. pic.twitter.com/0i2wzg8MK4

— Steph Noh (@StephNoh) October 26, 2023

ウェンバンヤマと直接対決したデレック・ライブリー二世(ダラス・マーベリックス)は、ルカ・ドンチッチの素晴らしいアシストもあって16得点、10リバウンドをマークし、おそらくルーキーの中で最高のデビューを飾っている。ビッグマンの良いプレイを必要としていたマーベリックスで、ライブリーは今シーズンその役割を担うかもしれない。

レイカーズはレブロンの出場時間制限で苦戦するだろう

LeBron James
(Getty Images)

21年目のシーズンを迎えたレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)は、24日(同25日)にデンバー・ナゲッツに119-107で敗れた試合でもチーム最高の選手だった。しかし、ジェームズは29分間しかプレイしておらず、ダービン・ハム・ヘッドコーチ曰く、これが今シーズンの新たな標準になるのだという。

ジェームズが出場時間を制限されている状態でレイカーズが勝つのは難しいだろう。彼がベンチにいた時間帯にレイカーズは19点差をつけられたのだ。

ディアンジェロ・ラッセルはプレイオフ同様、ショットセレクションが安定していなかった。アンソニー・デイビスは後半になると気配を消して無得点。八村塁は、プレイオフで活躍した選手というよりもワシントン・ウィザーズ時代の選手のようだった。

レイカーズは以前として主力選手層が厚いチームで、プレイオフでは手強いことが予想されるが、開幕戦ではロールプレイヤーがほとんど何も貢献できなかった。ハムHCがレギュラーシーズン中に彼らを重用するとしたら、レイカーズがプレイオフでホームコートアドバンテージを獲得するのは厳しい。

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ブッカーがサンズのポイントガードになる準備はできている

Devin Booker
(NBAE via Getty Images)

クリス・ポールをゴールデンステイト・ウォリアーズにトレードしたフェニックス・サンズには、より正統派のポイントガードが必要になるという懸念があった。ブッカーはプレイオフでその仕事の一部を引き継いだが、サンズがウォリアーズに108-104で勝利した試合で、レギュラーシーズンでもその役割をこなせることを見せつけている。

ブッカーはシーズン開幕戦となったその試合で、ゲームハイの32得点、8アシストを記録し、個人としても見事な活躍をした。クランチタイムでは圧倒的な強さを発揮し、チームの最終15得点は彼の得点かアシストによるものだった。

ブッカーはパサーとして正当に評価されていない。コーナーでオープンになったジョシュ・オコーギーにクロスコートパスを出し、勝敗の決め手となるエリック・ゴードンのスリーをお膳立てし、ゴール下に飛び込こんだユスフ・ヌルキッチにジャンプしながらパスを通してレイアップをアシストするなど、彼は試合終盤には正しい読みをしていた。

ブッカーのゲームコントロールは、2021年にサンズがNBAファイナルに進出した際のポールを彷彿とさせた。ブラッドリー・ビールを欠き、ケビン・デュラントは珍しく珍しくショットが不調で、チームは万全の状態ですらなかった。

しかし、そんなことは関係がなかった。ブッカーが指揮を執るサンズは非常に良いチームになるだろう。

ポールは控え選手としてウォリアーズで素晴らしい存在になる

Chris Paul
Getty Images

ポールはスタッツが示すよりも良いデビューを飾っている。フィールドゴール成功数は15本中わずか4本で、うち3P成功数は6本中0本という結果だったが、フリースローラインには7回立ち、14得点、9アシストを記録した。

ポールはウォリアーズのセットプレーにうまく馴染み、オープンなチームメイトを見つけると同時に、これまで見てきた彼よりも多くのドライブでリムにプレッシャーをかけていた。彼はまた、スティーブ・カーHC時代を通じて大きな課題となってきたターンオーバーの数も減らすことに成功している。

こうしたポジティブな要素があったにもかかわらずウォリアーズがサンズに敗れたのは、ウォリアーズがリバウンドを取れなかったからだ。サンズにオフェンシブリバウンドを17本も献上し、セカンドチャンスでは27得点も許してしまった。

サンズに取られたリバウンドの多くは、単に背の高い選手がポールとステフィン・カリーよりも高く飛んだだけだった。あらゆるポジションのサイズが小さいウォリアーズでは、ポールとカリーの2人はサイズが小さすぎて一緒にプレイさせることができない。

ポールはウォリアーズにうまくフィットするだろうが、ラインナップにはもっとサイズが必要だ。ドレイモンド・グリーンが復帰したら、彼はおそらくスタメンからは外れるだろう。

ポールの最大の仕事はセカンドユニットのフロアジェネラル(プレイメイカー)としての役割を担うことだろうと、『ESPN』のケンドラ・アンドリューズ記者は話している。そこがずっと大きな問題だったウォリアーズにとって、彼は素晴らしい存在になるだろう。

原文:NBA overreactions: Victor Wembanyama is Rookie of the Year lock; LeBron James' minutes plan will hurt Lakers

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Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

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静岡県出身。大学卒業後渡米し、オクラホマ大学大学院修士課程修了。2014年よりオクラホマシティ在住。移住前にNBAのオクラホマシティ・サンダーのファンとなり、ブログで情報発信を始める。現在はフリーランスライターとして主にNBA Japan/The Sporting Newsに寄稿。サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。