ビクター・ウェンバンヤマは、NBAの歴史で最も偉大なムーブのひとつに取り組んでいる。
NBAドラフト2023でサンアントニオ・スパーズに全体1位で指名されたウェンバンヤマは、『Bleacher Report』のインタビューで、今完璧にしたいことを問われると、現在では誰もやっていないことだと答えた。
ウェンバンヤマは「スカイフックに少し取り組んでいるんだ」と話している。
「カリームのスカイフックだよ。いつか武器として加えられることを願っている」
スカイフックを有名にしたのは、カリーム・アブドゥル・ジャバーだ。彼が40年近くにわたってNBAの通算得点記録を保持していく上で大きな役割を果たしたのが、スカイフックである。歴代最高のムーブのひとつと見なされているが、世代をまたいで受け継がれてはいない。
その理由はいくつかある。例えばシャキール・オニールは、あまりクールではないと考えていた。アブドゥル・ジャバー自身は、現在の世代は3ポイントショットにとわれすぎだと話している。ダーク・ノビツキーはかつて、見た目以上にとても難しいのだと語った。オスカー・ロバートソンも同様だ。
昨年のこの時期、スロベニア代表のいくつかの親善試合でルカ・ドンチッチがスカイフックを使った時、マスターしたら彼にとってどういう意味があるかを考えたものだ。ウェンバンヤマもスカイフックに取り組んでいるという。実際には日の目を見ることはないかもしれない。しかし、彼にとって大きな武器になるかもしれないことも否定できないだろう。
素晴らしいフットワークやボディコントロール、そしてタッチに加えて、アブドゥル・ジャバーがスカイフックで成功した理由には、彼のサイズもある。7フィート2インチ(約センチ)の登録身長だけでなく、ウィングスパンも大きかったのだ。それにより、ウィルト・チェンバレンやマヌート・ボルのようなビッグマンたちも含め、かなり多くの選手たちの上からショットを打つことができたのである。
かつて、アブドゥル・ジャバーは、マークしていた相手にスカイフックをブロックされた記憶がないと言った。実際にはあるのだが、どれだけのスカイフックを放ったかを考えれば、思っている以上にまれなことだった。
アブドゥル・ジャバーは『ESPN』のJ.A.・アダンデ記者に「ショットを打つ時は、自分が上に行くのを相手に待たせるんだ」と話している。
「そして自分がショットを打ち始めるまで待たせたら、相手は距離とタイミングを判断しなければいけない。そしてとらえられる前に打ってしまう。それが美しいんだと思う。いつどこで放つかによってコントロールできるんだ」
「相手の守備はそれを見て、ブロックする機会を得る前に、すべてを計算しなければならない」
ウェンバンヤマの恐ろしいところは、彼がアブドゥル・ジャバーよりもさらに大きいことだ。スパーズはサマーリーグでウェンバンヤマを7フィート3インチ(約221センチ)としたが、実際にはシューズを履くと7フィート5インチ(約226センチ)という報道もある。ウィングスパンは8フィート(約244センチ)で、これらの組み合わせはNBA史上最も大きな選手のひとりだ」
すでに、ウェンバンヤマは他のビッグマンを小さく見せている。このフックショットは決まらなかったが、6フィート10インチ(約208センチ)のジェームズ・トンプソンはブロックに近づけなかった。
こちらはもうひとつの例だ。2021年のもので、アブドゥル・ジャバーのスカイフックみたいではないが、それに近い。
ここで見る限り、リリースポイントはリングの上のようだ。
ウェンバンヤマがアブドゥル・ジャバーのスカイフックを身につけるかは、まだまだ分からない。だが、いつか彼がそれをマスターしたらと考えると興奮だ。
原文:Why Victor Wembanyama adding Kareem Abdul-Jabbar's iconic skyhook would be a cheat code for Spurs(抄訳)