前評判は本当と示したビクター・ウェンバンヤマとチェット・ホルムグレン

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

前評判は本当と示したビクター・ウェンバンヤマとチェット・ホルムグレン image

ビクター・ウェンバンヤマとチェット・ホルムグレンに最初に注目した時から、スカウトたちは彼らがいかに特別な選手たちなのかを世界に伝えようとしてきた。そして10月9日(日本時間10日)、彼らは初のプレシーズン戦でその理由を示している。

わずか20分未満の出場で、ウェンバンヤマはフィールドゴール13本中8本成功(うち2本は3ポイントショット)の20得点を記録した。ホルムグレンも負けていない。たった16分強の出場で21得点、9リバウンド、1ブロックをマーク。その多才ぶりで試合に影響を及ぼした。

[AD] 楽天モバイル『Rakuten最強プラン』でNBA全試合見放題! 詳細&申し込みはこちらから

彼らのプレイがいかにとんでもないか、ボックススコアを見るだけでは分からない。NBAの舞台で彼らが見せてくれたことから学んだことをここでまとめる。

高さ活用で他選手にできないことをするウェンバンヤマ

ウェンバンヤマは最初の得点でそれを示した。ホルムグレンは7フィート1インチ(約216センチ)だ。しかし、7フィート4インチ(約224センチ)のウェンバンヤマは、味方のフリースローが外れたところをホルムグレンの上からティップイン。まるでホルムグレンがそこにいないかのように見せた。

ただ、ウェンバンヤマは得点をあげるのにサイズだけに頼っていたわけではない。彼が特別なのは、ビッグマンのプレイというより、ガードのような機動性を持つからである。空中で7フッターをかわし、アンダーハンドで決めるケンドリック・パーキンスのハイライトなどないはずだ。

ウェンバンヤマは守備も優れているとの呼び声が高かった。ウィングスパンが8フィート(約244センチ)のウェンバンヤマの上から得点するのがほぼ不可能なのは、すでに知られていたとおりだ。しかし、この日最も衝撃的だったのは、抜かれてからの反応の速さだった。

第1クォーター、ウェンバンヤマはリーグでも有数のドライブとフィニッシュを誇るジェイレン・ウィリアムズに後ろをとられ、レイアップに向かわれた。だが、そこから反転してプレイに戻り、ブロックしてみせたのだ。ウェンバンヤマがやったことは、リーグのほかの誰にもできないだろう。

[AD] スポーツ観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう

最も印象的だったのは、ホルムグレンに頭から突っ込み、バスケットの下へと吹き飛ばして、得点してからガッツポーズを見せたことだ。ホルムグレンからは自身のX(旧ツイッター)で「止められないムーブ」と賛辞が寄せられた。

ウェンバンヤマがパワー、流動性、圧倒的なサイズで特別なのは、誰もが耳にしていた。だが、NBAのタレント相手でもそれを見せつけ、前評判が本当だったと思い知らせたのだ。

フランスでの昨季が3P成功率わずか27.5%だったことで、ウェンバンヤマの攻撃に関する疑念もあった。だが、プレシーズンデビュー戦のウェンバンヤマは、たとえショットが決まらなくても得点する方法を見つけると示している。そして長さがあるだけに、守備もすぐに通用するだろう。

[AD] U-NEXTでSPOTV NOWをお得に視聴!

ウェンバンヤマと張り合うホルムグレン

先日、ウェンバンヤマはサンアントニオのメディアで、ホルムグレンは「この世代の素晴らしい選手のひとり」と評した。そしてホルムグレンはその賛辞にふさわしいことを示している。前評判はウェンバンヤマほどではなかった。だが、ホルムグレンもこのサイズの選手としては高いスキルを持つ。第2Qには、ウェンバンヤマに3Pを決められた直後に3Pをやり返す場面もあった。

また、ウェンバンヤマの豪快なダンクを受け、自らボールを運び、そのままリムに仕掛けてレイアップを決め、さらにファウルをもらうシーンもあった。

ホルムグレンは第1Qだけで14得点、7リバウンドを記録した。リーグを代表するスコアラーになることが予想されているわけではない。だが、ペリメーターで他のビッグマンが自身のドライブを抑えようとするのは極めて難しいということを示した。

両者のプレシーズン最初の対戦は、予想されていた以上に素晴らしかった。そしてこれは、試合後にホルムグレンが報道陣に話したように、新人王争いの有力候補である2人の素晴らしいライバル関係の始まりでしかないはずだ。ホルムグレンはこう述べている。

「僕は長くやっていくつもりだ。(ウェンバンヤマも)同じだろう。だから、やり合っていく以外はないさ」

原文:Victor Wembanyama, Chet Holmgren stats in preseason debut shows why the hype is real(抄訳)

[AD] AmazonでNBAグッズをチェック!

Stephen Noh

Stephen Noh Photo

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

坂東実藍 Miran Bando Photo

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。