アメリカ代表がナイジェリア代表との親善試合に敗れ、新チームは黒星スタート

大西玲央 Reo Onishi

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7月10日(日本時間11日)、ネバダ州ラスベガスのマンダレイベイ・イベンツ・センターにてアメリカ代表(FIBAランキング1位)とナイジェリア代表(同22位)による東京オリンピックに向けた調整のための親善試合が行なわれた。アメリカは87-90で敗れ、新チームとして初の実戦は黒星スタートとなった。

ゴールデンステイト・ウォリアーズのマイク・ブラウン・アシスタントコーチがヘッドコーチを務めるナイジェリアは、序盤から3ポイントショットが好調で、前半を41-43の僅差で終えると、第3クォーターには逆転に成功し、66-64の2点リードで最終クォーターを迎えた。

第4クォーターに入ってもナイジェリアは好調なシュートタッチを維持し続け、試合残り1分13秒には88-80と8点のリードを作った。

ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)の3Pショットやフリースローで残り16.5秒、88-87の1点差まで詰め寄ったアメリカだったが、ナイジェリアのゲイブ・ビンセント(マイアミ・ヒート)が残り13.2秒でフリースローを2本決めて90-87とリードした。

その後、アメリカはファウルを受けたザック・ラビーン(シカゴ・ブルズ)が1本目のフリースローを外したため、2本目を意図的に外してリバウンドを狙う作戦に出たものの、失敗に終わった。

ナイジェリアは最終的にチームとして20本の3Pショットを決めている。ビンセントが3Pショットを8本中6本成功させ、ゲーム最多となる21得点を獲得。そのほか、この夏にデンバー・ナゲッツのサマーリーグチームでプレイすることが決まっているケイレブ・アガダ(Hapoel Be'er Sheva BC/イスラエル)が17得点、アイク・ヌワム(サマラ/ロシア)が13得点、7リバウンドをマークした。

ビンセントは試合後に「我々はナイジェリアだけではなく、アフリカ大陸を代表してプレイしているんだ」と、代表でプレイする想いを語った。

ナイジェリアはほかにも、KZ・オクパラ(ヒート)、プレシャス・アチウワ(ヒート)、ジョシュ・オコーギー(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、チメジー・メトゥ(サクラメント・キングス)、ミイェ・オニ(ユタ・ジャズ)など、多くのNBA選手が出場した。

敗れたアメリカは、デュラントが17得点、5リバウンド、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)が15得点、7リバウンド、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)が14得点、バム・アデバヨ(ヒート)が11得点、5リバウンドを記録した。

過去の両チームの対戦では、2012年のロンドン・オリンピックでアメリカが156-73で圧勝しており、2016年の親善試合でもアメリカが110-66で大勝していた。それだけに、ここ数年でのナイジェリアの急成長を物語る試合となった。アメリカはこれで1992年にプロ選手が代表に参加するようになってからの親善試合の成績が54勝3敗となった。

アメリカは次戦、12日(同13日)にオーストラリア代表と親善試合を行なう予定だ。

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大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。