カンファレンス・ファイナルで注目すべきラプターズのビッグスリー: カワイ・レナード、パスカル・シアカム、カイル・ラウリー

Tsuyoshi Kai

カンファレンス・ファイナルで注目すべきラプターズのビッグスリー: カワイ・レナード、パスカル・シアカム、カイル・ラウリー image

イースタン・カンファレンス第1シードのミルウォーキー・バックスと、第2シードのトロント・ラプターズによるカンファレンス・ファイナルが5月15日(日本時間16日)から開幕する。球団史上初のファイナル進出を狙うラプターズの鍵を握る3人の注目選手をここでは紹介する。

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カワイ・レナード

Kawhi Leonard Raptors

近年プレイオフでの失態が目立ったラプターズがカンファレンス・ファイナルに駒を進めることができたのは、ひとえにこの男のおかげといっても過言ではないだろう。

ここまでプレイオフ全12試合に出場し、そのうちの6試合で35得点以上を叩き出すなど、ポストシーズンに入って以降プレイのギアを上げている。アイソレーションからのプルアップジャンパーを基本に、強靭なフィジカルを駆使したポストアップや3ポイントショットと、内外問わずどこからでもシュートを沈め、現在ケビン・デュラント(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)に次ぐリーグ2位の平均31.8得点を記録している。守備でも、要所で相手のキープレイヤーを抑えるなど、リーグ最高峰の2ウェイプレイヤーとしてコート上を完全に支配している。

特に今プレイオフで際立っているのが、試合を決めるクラッチプレイだ。世界中のラプターズファンが歓喜したであろうカンファレンス・セミファイナル第7戦のブザービーターは記憶に新しい。また、そのほかにも勝負所で幾度もチームを窮地から救ってきた。その超人的な勝負強さは、マイケル・ジョーダンや、コービー・ブライアントといった歴代屈指のレジェンドに匹敵すると多くのメディアで称賛されているほどだ。

カンファレンス・ファイナルで最大の焦点となるのは、やはりヤニス・アデトクンボとのエース対決だ。身長211cmのサイズを誇る“グリーク・フリーク”をメインでマークすることはないと思われるが、レギュラーシーズンのMVP最有力候補に上がるアデトクンボを、今プレイオフのMVPと称されるレナードがパフォーマンスにおいて上回れるかどうかが、シリーズの趨勢を左右することになることは間違いないだろう。

 

パスカル・シアカム

Paskal Siakam Raptors

ラプターズ第二のキーマンとなるのは、MIP(Most Improved Player=最優秀躍進選手賞)の大本命と言われるライジングスターのシアカムだ。昨季まではリーチの長さと機動力を魅力とするロールプレイヤーの一人だったが、今季は課題だったシュート力とボールハンドリングを大幅に改善して覚醒した。ビッグマンとは思えぬような野性味あふれる鋭いドライブと、新たにレパートリーに加えた長距離砲を武器に、レギュラーシーズンでは平均得点を倍増(7.3→16.9)させるなど、この1年間で凄まじい成長曲線を描いている。

もともと定評のあった守備に加え、攻撃面でも頼れる存在となったことでチームにおけるセカンドオプションの地位を確立。その勢いはプレイオフでも止まることなく、ここまで平均20.8得点、7.3リバウンドとオールスター級のスタッツを残してチームに貢献している。

カンファレンス・ファイナルではアデトクンボのプライマリー・ディフェンダーとなることが予想されており、バックスを攻略するためには欠かせない存在となる。攻守におけるレナードの負担を軽減できるかどうかが、ラプターズにとってシリーズの勝敗を分ける大きなテーマとなるだけに、オフェンスでは積極的にドライブを仕掛けるとともに、ここまで成功率30.9%と不調の3ポイントの感覚も取り戻したいところだ。

「ただのエナジーガイではなく、アフリカ人(※カメルーン出身)でもスターになれることを証明したい」と本人が掲げる目標に近づくためにも、カンファレンス・ファイナルという大舞台でさらなる飛躍を遂げることができるか注目が集まる。

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カイル・ラウリー

Kyle Lowry Raptors

今シリーズ最大のXファクターは、チームのキャプテンを務めるラウリーだろう。ここ数年、プレイオフで結果を残せず「プレッシャーに弱い」というイメージがついて回っているが、今季もここまではその印象を払拭できておらず、キャリア13年目のベテラン・ポイントガードの苦難は続いている。

今プレイオフでの平均12.4得点、7.1アシストは、いずれもレギュラーシーズンの成績を下回っており、3ポイントも成功率28.1%とスランプ気味。気合のこもったハッスルプレーや、素早いカバーリングでチャージを奪うなど、数字に表れないプレイで貢献し、チームトップの±(+11.4)を記録してはいるものの、通算5度のオールスター出場を誇るスター選手としては物足りない活躍であることは言うまでもない。
良くも悪くもラウリーはラプターズのエンジンだ。彼が好プレイを見せれば呼応するようにチームは勢いづき、反対に調子が悪ければチームは停滞する。勝利時のFG成功率が46.5%に対し、敗戦時は31.8%と、その活躍が結果に直結していることは数字を見ても明らかだ。

カンファレンス・ファイナルでは本来の実力を披露することが求められるが、エリック・ブレッドソーを筆頭に、ジョージ・ヒル、そして右足の怪我から戦列に復帰したマルコム・ブログドンなど、バックスにはサイズのあるガードが揃っており、レギュラーシーズンでの直接対決時にラウリーは平均6.3得点と完全に抑えられた。そんな難敵に対して、チームのオフェンスを組み立てると同時に、自らも得点を狙う積極性を維持できるのか。ラウリーが重圧を跳ねのけることができないようであれば、シリーズの早期決着も十分に考えられるだろう。

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Tsuyoshi Kai