アメリカ代表がフランス代表との初戦に敗れ、オリンピック25連勝が途絶える

大西玲央 Reo Onishi

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7月25日、埼玉県のさいたまスーパーアリーナにて東京オリンピック男子バスケットボール競技のグループA、アメリカ代表対フランス代表の試合が行なわれ、フランスが83-76で勝利した。大会3連覇中だったアメリカは、この敗戦で2004年から続いていた大会25連勝が途絶えることとなった。

アメリカはデイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、ザック・ラビーン(シカゴ・ブルズ)、ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)、ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、バム・アデバヨ(マイアミ・ヒート)が先発メンバーに名を連ねた。

一方のフランスはナンド・デ・コロ(フェネルバフチェ/トルコ)、エバン・フォーニエ(ボストン・セルティックス)、ニコラ・バトゥーム(ロサンゼルス・クリッパーズ)、ガーション・ヤブセレ(レアル・マドリード/スペイン)、ルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)がスタートした。

前半こそトランジションから攻めを中心に最大10点リードを作るなど、アメリカは45-37のリードでハーフタイムを迎えていた。

しかし後半に入ると、フランスがアメリカのスウィッチディフェンスに対してふたりの7フッター、ゴベアとヴァンソン・ポワリエ(レアル・マドリード/スペイン)を並べたビッグラインナップで攻勢に出た。

スウィッチされたところのサイズ差を攻め続け、フランスが第3クォーター中に逆転に成功。一方のアメリカは得点源であるデュラントが早々に4つ目のファウルを取られ、ベンチに下がることとなった。

最終クォーター、アメリカはNBAファイナルから合流しばかりのドリュー・ホリデー(ミルウォーキー・バックス)が攻守で活躍し、一時は逆転に成功。しかし試合残り3分41秒で74-67とリードししてから、フランスに連続14得点を許しリードを再び奪われた。

決定的な場面となったのは、試合残り57秒、ゴベアの外したショットをヤブセレがコート外に飛び出しながらもセーブし、ボールを受け取ったフォーニエが冷静に3ポイントショットを決め76-74とフランスが逆転したシーンだ。

続くポゼッションではラビーン、デュラント、ホリデーがそれぞれフリーで3Pショットを放ったものの、全てがリングに弾かれた。

フォーニエは勝利に対して「自分がこのチームをリードできるのは、彼らのことをよく知っているからだ」と話した。

「とてつもない勝利だ。国もとても誇りに思ってくれるだろう。しかし、正直に言えばただの1勝に過ぎない」。

リラードは「これまで圧倒してきた過去があり、最近では圧勝は無いかもしれないが勝ち続けてきた歴史がある」とアメリカ代表としての責任について語った。

「アメリカ代表が初戦から敗れるというのはあまり見慣れたものではない。だから多くの人がこの世の終わりかのような反応をするのかもしれない。しかし我々として、この後もプロフェッショナルとして、この国の代表として、掲げてきた目標を達成するためにやるべきことをやるんだ」。

フランスはフォーニエが28得点、ゴベアが14得点、9リバウンド、デ・コロが13得点、5リバウンド、5アシストをマーク。

敗れたアメリカはホリデーが18得点、7リバウンド、アデバヨが12得点、10リバウンド、リラードが11得点を記録した。

次戦は28日にフランスがチェコ、アメリカがイランと対戦する。

ボックススコア


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大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。