東京五輪バスケ男子準決勝:フランス代表がスロベニア代表との激戦を制し21年ぶりの決勝進出

大西玲央 Reo Onishi

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8月5日、さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市)にて東京オリンピック男子バスケットボール競技の準決勝、フランス代表対スロベニア代表の試合が行なわれ、フランスが90-89と接戦を制し、21年ぶりの決勝進出を決めた。

フランスはナンド・デ・コロ(フェネルバフチェ/トルコ)、エバン・フォーニエ(ボストン・セルティックス)、ニコラ・バトゥーム(ロサンゼルス・クリッパーズ)、ガーション・ヤブセレ(レアル・マドリード/スペイン)、ルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)が先発メンバーに名を連ねた。

スロベニアはルカ・ドンチッチ(#77/ダラス・マーベリックス/NBA)、ゾラン・ドラギッチ(#30/バスコニア/スペイン)、ヤカ・ブラジッチ(#11/セデビタ・オリンピヤ/スロベニア)、ブラッコ・チャンチャー(#31/デンバー・ナゲッツ/NBA)、マイク・トービー(#10/バレンシア/スペイン)がスタート。

第1クォーターはドンチッチとトービーの連携で得点を重ねるスロベニアに対して、フランスも積極的なアタックを見せて接戦に。スロベニアが29-27とフランスに2点をリードする展開となった。

第2クォーターになると、これまでの高得点ペースから一転し、両チームのディフェンスが光るロースコアゲームとなる。両チームわずか15得点しか記録せず、やはりスロベニアが44-42と2点リードのままハーフタイムを迎えた。

後半はドンチッチの3ポイントショットでスロベニアが先制したが、フランスもバトゥームやフォーニエの3Pショットで対抗する。途中流れがフランスに傾き始めると、第3クォーター残り2分26秒にはフランスがこの日最大となる10点リードを作った。

71-65とフランスの6点リードで迎えた最終クォーター、フランスは1点差まで詰め寄られながらもその後連続5得点をあげて78-72と再びリードを広げる。

逃げるフランスと追うスロベニアという構図になった第4クォーターは、残り33秒でフランスが90-89の1点リードという大接戦となる。だが、スロベニア最後の攻撃でクレメン・プレペリッチ(バレンシア/スペイン)が放ったレイアップをバトゥームが見事なブロックで阻止し、フランスに勝利を呼び込んだ。

決勝ブロックを決めたバトゥームは「オリンピックの決勝戦に出場するのはずっと夢だった」と試合後に語っている。

「オリンピックを初めて見たのは1996年。ドリームチーム(アメリカ代表)を見て、そこからNBAを見るようになった。こういった試合に出ることをずっと夢見ていた。自分のオフェンスは今日良くなかったが、ああいったプレイを見せなければ決勝にはいけないと分かっていた。そしてそれができたんだ」。

ドンチッチは「このチームがとても誇らしい」と敗戦を振り返った。

「全員が100%を出した。ここに来るために2か月頑張ってきたんだ。多くの人を驚かせたと思うし、全員のことがとても誇らしい。でもまだもう1試合ある。まだ諦めていないよ」。

フランスはデ・コロが25得点、7リバウンド、5アシスト、フォーニエが23得点、ティモテイ・ルワウ・キャバロ(#3/ブルックリン・ネッツ)が15得点、5リバウンド、バトゥームが3得点、5リバウンド、4ブロックをマークした。

敗れたスロベニアは、ルカ・ドンチッチが16得点、10リバウンド、18アシストでオリンピック史上3度目となるトリプルダブルを記録。そのほか、トービーが23得点、8リバウンド、プレぺリッチが17得点を記録した。

決勝戦に進出したフランスは、準決勝でオーストラリア代表に勝利したアメリカ代表と対戦する。決勝戦は7日に行なわれる予定だ。

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大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。