東京五輪バスケ男子決勝:アメリカ代表がフランス代表を破りオリンピック4連覇を達成

大西玲央 Reo Onishi

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8月7日、さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市)にて東京オリンピック男子バスケットボール競技の決勝、アメリカ代表対フランス代表の試合が行なわれ、アメリカが87-82で勝利を収めてオリンピック4連覇を達成した。通算16度目の金メダル獲得となる。敗れたフランスは2000年のシドニー大会以来、3度目の銀メダル獲得となった。

アメリカはデイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)、ドリュー・ホリデー(ミルウォーキー・バックス)、ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)、バム・アデバヨ(マイアミ・ヒート)が先発メンバーに名を連ねた。

フランスはナンド・デ・コロ(フェネルバフチェ/トルコ)、エバン・フォーニエ(ボストン・セルティックス)、ニコラ・バトゥーム(ロサンゼルス・クリッパーズ)、ガーション・ヤブセレ(レアル・マドリード/スペイン)、ルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)がスタート。

今大会なかなか出足が安定しないアメリカだったが、第1クォーター残り2分4秒でようやくデュラントの3ポイントショットが決まり、15-15の同点とした。少しずつトランジションからの攻めを見せ始めたアメリカは同クォーター終盤にリードを奪った。

アメリカが22-18と4点リードで迎えた第2クォーター、フランスが7フッターを並べるビッグラインナップで立ち向かうのに対して、アメリカはスピードで対抗。トランジションからの攻めを展開したアメリカは44-39とリードを5点に広げてハーフタイムを迎えた。

後半に入るとアメリカはさらに勢いに乗り始め、堅い守りからのオフェンスを繰り返し、第3クォーター残り1分18秒にはこの日最大となる14点のリード(71-57)を作った。同クォーター終盤、ベンチに下がっていたゴベアがコートに戻ると、インサイドを再び攻めたフランスが追い上げ、アメリカのリードを8(71-63)に削って最終クォーターに突入する。

第4クォーター、アメリカがなかなかリードを広げられないなか、フランスは徐々に反撃を開始する。試合残り1分8秒にフォーニエが3ポイントショットを決めて78-84とすると、フランスは試合残り10.2秒で82-85の3点差まで追い上げる。

しかし、そのタイムアウト明けで、フリーになったデュラントにボールが渡ると、フランスはファウルをすることしかできず、フリースローをデュラントが2本とも決めて勝利を決定づけた。

同じ年にNBA制覇とオリンピック金メダル獲得の両方を成し遂げたホリデーは「最高の夏になったし、ようやくそれを楽しめるときが来たね」と話した。

「最初に対戦したのがフランスで、その試合は負けていた。決勝でもう一度戦うべき相手だと思っていた。とにかく1試合ずつ臨んでいった。ディフェンスでもオフェンスでも集中し、チームとして成長することができた」。

フランスのゴベアは「相手が才能にあふれた選手の揃ったチームであることは当然のことだ」と敗戦を振り返った。

「しかしそれ以上に、こういった相手にはちょっとしたターンオーバーだったり、フリースローを外すことが許されないんだ。そうなったときに、相手に一気に12、14点差のリードを作られてしまった。そこからは追う立場になってしまい、なんとか追い上げて接戦にすることはできたが、逆転するまでには至らなかった」。

4大会連続で金メダルを獲得したアメリカは、デュラントが29得点、6リバウンド、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)が19得点、7リバウンド、ホリデーとリラードがそれぞれ11得点をマークした。

デュラントは3つの大会(2012、2016、2021年大会)でそれぞれ通算100得点以上を記録したオリンピック史上初の選手となった。

敗れたフランスは、フォーニエが16得点、ゴベアが16得点、8リバウンド、ヤブセレが13得点を記録した。

ボックススコア

大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。