改革のサンダー、サム・プレスティGMが現状を説明

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オフシーズンにロスターを大きく変えたオクラホマシティ・サンダーは、以前と比べてかなり異なるチームとなって2019-20シーズンに臨む。MVP候補のオールスター選手、ポール・ジョージがロサンゼルス・クリッパーズとのトレードで去り、MVP受賞者で球団の顔だったラッセル・ウェストブルックも、トレードでヒューストン・ロケッツに向かった。

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代わりに、サンダーは貴重な将来のドラフト指名権を手に入れ、ウェストブルックのトレードでオールスター選手であるクリス・ポールを、ジョージのトレードでダニーロ・ガリナリとシェイ・ギルジアス・アレクサンダーを獲得している。

だが、長年にわたってプレイオフを戦い、時にはファイナル進出を競えるほどだったサンダーだけに、来季は一歩、あるいはそれ以上の後退になるとみられている。

7月25日(日本時間26日)、サンダーのサム・プレスティGMは、『The Oklahoman』に寄稿した記事の中で、オフシーズンに関する自身の考えや、球団の今後について語った。また、ほかの地元メディアでも、ジョージのトレードなど、様々なテーマに言及している。

『The Oklahoman』の記事の中で、プレスティGMは、過去11シーズンのサンダーの成功が、いかに「あまり注目されなかった街や州に自信と自覚をもたらした」のかを述べた。そして、今のサンダーが移行期にあり、オクラホマシティのような市場の小さいチームが直面する「戦略的挑戦」や、「不利」の中での運営について触れている。

「この夏、オクラホマシティ・サンダーのストーリーは、新たな段階へと移行している。ここ数週間で、我々は重要な選手たち、世界で我々の街を代表し、我々のために犠牲を払って、我々のために活躍してくれた選手たちに、別れを告げてきた。痛みを伴うことだったが、状況を鑑みて、必要なことだったとも私は信じている。過去に別れを告げ、我々は自分たちの未来を計画し始めた。いつか、次の偉大なるサンダーが生まれるはずだ。だが、続いていくためには、時間と規律が必要となる」。

「オクラホマシティは素晴らしい成功を望んでおり、それにふさわしい。それを実現させることが我々の原動力だ。だが、そういった期待が必要とするプロセスに関しては、透明かつ現実的でありたい。我々の街は急速に成長してきたが、まだNBAで2番目に小さな市場規模だ。それは利益につながる一方で、戦略的挑戦も課す。リーグのシステムから、市場規模が小さいチームは、大きな不利を抱えて運営しているのだ。我々が大きく成功できないという意味ではない。我々や市場規模が中小のチームたちは、そういう現実を乗り越えられる最高の模範だ。ただ単に、我々は楽観的に、違う考え方で、別の手段で独自のアドバンテージを見つけなければいけないということだ」。

「本当に偉大なチームをつくり、それを持続させていくには、一つのメソッドが必要となる。そのメソッドは、都合の良いメッセージや当て推量ではない。どの産業でも、本当に素晴らしいものをつくり、持続させていくには、時間をかけ、経験に基づいた勝算ある勝負をすることが求められる。戦略的規律や思慮に富んだ忍耐が必要となるのだ。だが、それらは我々の球団が常に大事にしてきた価値であり、そうやって長く続いてきた。それを思い出すことが大切だ」。

「再び奮い立ち、立て直して、チームを再建していくのには、時間がかかるだろう。ここからさらに大変になるのは避けられない。この移行期間のどこかで、今までのようなチームではなくなるだろう。だが、我々は恐れを抱かず、集中し、長期的なポジションを向上させるための機会を探し続ける」。

24日(同25日)の『ESPN』のインタビューでは、ジョージは自分とサンダーがお互い合意した上でのトレードだったと話した。だが、プレスティGMは積極的に合意したのではなく、チームはジョージのトレードを望んでいなかったとしている。

プレスティGMは「カワイ(レナード)とプレイする機会、ロサンゼルスに行く機会が、彼にとって最大の要因だった。我々はそれを理解し、状況を最大限に生かすことができた」と述べた。

ジョージが先にクリッパーズへと去ったことで、“再起動”への扉は予想より早くに開くこととなった。ウェストブルックより前にジェレミー・グラントもトレードされ、一方でサンダーは複数のドラフト1巡目指名権を手に入れた。ビリー・ドノバン・ヘッドコーチは、ラインナップを修正し、若手に経験を積ませる十分な機会を得るだろう。

ジョージのトレードでサンダーが手にした1巡目指名権は5つ。ウェストブルックのトレードでさらに2つを獲得し、デンバー・ナゲッツとのグラントのトレードでも2020年の1巡目指名権を得た。

『The Oklahoman』の記事で、プレスティGMは、再び成功するチームを作ることが今の目標と話した。「近道や安易な修正、直近の満足を手にしようという誘惑」もあるだろうとした上で、プレスティGMはそれを避けたいと述べている。彼の目標は「最善の将来的成功に向け、球団を再び立て直し、奮い立たせる」ことだからだ。

プレスティGMは「この2週間の我々の反応や適応ぶりが出発点となった」と書いている。

「だが、本当の仕事はこれからだ。我々の目標は、持続的で長期的な集団として卓越することだ。オクラホマシティの人々は、再び偉大なチームが出てくることをいつか目にできるようでなければいけない。街の再建も目にしてきた人たちだからだ。偉大なだけでなく、持続的な何かを目にしてきたからだ。長続きする明日のために、今は投資だ」。

原文: Thunder GM Sam Presti pens article to address franchise's outlook by NBA.com(抄訳)


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ