76ers対ラプターズ第5戦を前に注目すべき数字とは?

NBA Japan

76ers対ラプターズ第5戦を前に注目すべき数字とは? image

トロント・ラプターズとフィラデルフィア・76ersのイースタン・カンファレンス・セミファイナルが終わったときに、どちらのチームがより優れているのか、我々が知ることができるかは不明だ。

📺 NBAプレイオフ2019全試合配信(Rakuten TV / NBA公式視聴サービス)

これまでの4試合は、カンファレンス・セミファイナルで最も効率が良くないシリーズとなっている。両チームを合わせて、100ポゼッションあたりの得点はわずか104得点にとどまっており、勝ち残っている8チームの中で、オフェンシブ・エフィシェンシーは6位と8位だ。

ラプターズのニック・ナース・ヘッドコーチは、5月7日(日本時間8日)に「ここ数試合の我々はリズムが良くはなかった」と認めている。

第4戦でラプターズは93ポゼッションから101得点をあげたが、これがシリーズで2番目の数字。全体的には76ersのほうが攻撃面で優れているが、このシリーズで良かったのは1試合だけだ。第2戦は、勝利チームのポゼッションあたりの得点が1ポイントを下回った。プレイオフではこの試合を含めて2試合しかない数字だ。

 

スローペースなシリーズ

ラプターズと76ersのシリーズは、48分あたり95.4ポゼッションと、レギュラーシーズンのどのチームよりもスローペースとなっている。これは、レギュラーシーズンや、特にプレイオフでラプターズより速いペースでプレイしてきた76ersにとって問題かもしれない。ラプターズとオーランド・マジックのシリーズと比べると、95.4ポゼッションは0.3ポゼッション少ないだけだが、76ersとブルックリン・ネッツのシリーズと比較すると、10.2ポゼッションも下回っている。

第4戦を前に、ラプターズはレギュラーシーズンのようにトランジションから効率よく得点できていないことが明らかになった。一方76ersは、JJ・レディックがショットクロック最初の6秒間で3ポイントショットを6本中5本成功させたこともあり、トランジションから1.33得点をあげている。ただ、レギュラーシーズンやファーストラウンドと比べ、76ersはトランジションの機会が少ない。

レギュラーシーズンの76ersは、1試合あたり20.0回のトランジションポゼッションで、ポゼッションあたり1.07得点を記録した。ネッツとのファーストラウンドでは、1試合あたり19.0回で、ポゼッションあたり1.00得点だった。ラプターズとのシリーズでは、ポゼッションあたり1.33得点を記録しているが、1試合あたりのトランジションポゼッションは13.5回にとどまっている。

ネッツとのシリーズで、ベン・シモンズはショットクロック最初の6秒間で1試合平均3.6本のショットを放っていた。だが、カンファレンス・セミファイナルでは、同条件で合計5本しかフィールドゴールを放っていない。

ラプターズがペース争いに勝っているように見えるのは、ライブボールからのターンオーバーが1試合平均で5.5回と少ないからでもある。ネッツは7.8ターンオーバーを記録していた。

だが、76ersのブレット・ブラウンHCは、第2戦後に「できるだけ速いプレイを目指す」としたうえで、選手層の問題や残りの選手のプレイ時間から、常にトランジションにつなげるのは難しいと述べている。

 

76ersのネックはアウトサイドショット?

76ersが勝利した試合と敗れた試合で顕著なのは、ペイントからのショットの違いだ。勝利した2試合ではFG77本中45本成功(成功率58%)だが、敗れた2試合では79本中37本成功(成功率47%)だった。

第4戦でラプターズはサージ・イバカがインサイドで3ブロックを記録した。レギュラーシーズンの76ersは、ペイントからのFG成功率が57.4%とリーグ5位の好成績だった。だが、ペイントの外ではFG成功率49.3%と17位にとどまっている。ラプターズにとって、前者をいかに守るかが優先となる。

ラプターズがインサイドのショットを守ることに集中すれば、もちろん76ersは長距離ショットを狙うだろう。第4戦で76ersは12本の3Pを決めているが、この試合でトバイアス・ハリス(13本中2本成功)とマイク・スコット(3本中0本成功)は2人合わせて、16本中2本しか成功させていない。

4試合を通じて、ハリス(22本中7本成功)はレディック(20本中9本成功)より多くキャッチ&シュートの3Pを放っているが、ラプターズにとっては良いことかもしれない。

第4戦でも、カワイ・レナードがシリーズ最大のビッグショットを決めた直後、ハリスはワイドオープンの3Pを外している。決まっていれば、残り約40秒で1点差となっていた。だがそうはならず、ラプターズがシリーズを2勝2敗のタイに戻している。

原文: Three Keys: Numbers to know heading into Raptors-Sixers Game 5 by John Schuhmann/NBA.com(抄訳)​


NBA Japan

NBA Japan Photo

NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ