デマーカス・カズンズがウォリアーズ移籍を決断した3つの理由

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ゴールデンステイト・ウォリアーズは、過去4年で3回優勝したチームだ。そして主力の4選手は、将来バスケットボール殿堂入りを果たす可能性がある。つまり、このチームをさらに強化する方法などないと思われていた。

だがウォリアーズは、フリーエージェントのデマーカス・カズンズと1年530万ドル(約5億8400万円)で合意したと報じられ、今オフ最大のショックをNBAに与えた。

ウォリアーズのロスターはタレント揃いで、カズンズ、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ケビン・デュラント、ドレイモンド・グリーンという5人のオールスターを先発に起用できるほど理不尽だ。

それでも、どうやってウォリアーズはカズンズを獲得できたのか? そしてなぜカズンズはタックスペイヤー・ミッドレベル(ラグジュアリータックス支払い対象チームが使えるミッドレベル例外条項)での加入を決めたのだろう?

カズンズがウォリアーズ移籍を決めた3つの理由を考察したい。

デマーカス・カズンズはどのチームからもオファーを提示されなかった


そう遠くはない昔、カズンズはサクラメント・キングスとマックス契約を結ぶと見られていた(2017年2月にニューオーリンズ・ペリカンズにトレード)。だが、昨季中にアキレス腱断裂という重傷を負い、これまでの素行も重なって、選手としての能力に適するオファーは届かなかった。

『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者は、7月2日(日本時間3日)に出演した『ESPN』の『SportsCenter』で、「キャップスペースに空きがあっても、カズンズの獲得を希望していないチームもあった」と語っている。

それは昨季まで所属したペリカンズも一緒だった。

再建中のアトランタ・ホークスやシカゴ・ブルズ、それからキングスは、けがから復帰を目指しているスター選手に大金を支払うことに関心がない。ダラス・マーベリックスはFAのディアンドレ・ジョーダンと1年契約を結び、ロサンゼルス・レイカーズはレブロン・ジェームズを獲得した。

これだけ移籍市場がタイトになれば、カズンズの選択肢も狭まってしまう。そして、どのチームも彼にマックス契約を提示しなかった。カズンズは、860万ドル(約9億5000万円)のノンタックスペイヤー・ミッドレベル(ラグジュアリータックス支払い対象外のチームが使えるミッドレベル例外条項)での契約もできただろうが、わずか数百万ドル少ない金額でディフェンディングチャンピオンに加われるチャンスを無駄にするほどの価値はない。

ウォリアーズはカズンズにとって理想的な状況


アキレス腱断裂からの復帰を目指しているカズンズは、おそらく今年の12月か来年の1月まで出場できないと、ウォジナロウスキー記者は見ている。もっとも、心配する必要などない。ウォリアーズにはカリー、トンプソン、デュラント、グリーンがいるわけで、仮にカズンズが1試合も出場できなかったとしても、優勝できるだけの力は持っている。

カズンズはリハビリ、新たなチームメイトやコーチとの関係構築に集中できる。復帰後もシェイプを取り戻すために時間をかけられる上、キャリア初のプレイオフに出場する機会も得られる。ウォリアーズは、カズンズに十分なだけの時間を与えられる唯一のチームだ。そして、その時間が大いに役に立つ。

昨季ペリカンズで48試合に出場し、平均25.2得点、12.9リバウンドを記録したカズンズは、コート内外での評価を上げられるかもしれない。生産的なシーズンを過ごし、優勝に貢献できれば、2019年のオフに注目されるFA選手になり得る。そうなれば、高額契約を提示するリスクに見合う選手として見られるかもしれない。

カズンズはウォリアーズにないものをもたらせる


カズンズの能力を考えてみよう。非常に強力なリバウンダー(キャリア平均11.0リバウンド)で、ポストアップでも脅威(2016-17シーズンのパーセンタイル<Percentile>は80.5=ポストアップ時の得点力で全体を100とした場合に80.5に位置する)で、パサー(2017-18シーズンは平均5.4アシスト)としても能力にも優れ、3ポイントショット成功率(2017-18シーズンは35.4%)も高い。

昨季のウォリアーズに所属したセンター、ザザ・パチューリア、ジャベール・マギー、ケボン・ルーニー、ジョーダン・ベルは限定的な役割では有用だったが、カズンズほど試合にインパクトを与えられる選手ではない。カズンズはウォリアーズに新たな要素をもたらすだろう。カリー、トンプソン、デュラントらとのペリメーター内でのポストアップは脅威以外の何ものでもない。

もちろんカズンズも、ウォリアーズでのプレイに対応しなければいけない。ある選手がコートにいる際、チームの全ポゼッションのうち当該選手でプレイが終わった(シュート、フリースロー、ターンオーバー)割合を表す『Usage Percentage』が30%を超えることもなくなり、ボールを長く持つ時間も減る。それに守備にも集中しないといけなくなり、重要な局面でアンドレ・イグダーラを加えた『死のラインナップ』を用いる場合にはベンチに下がる必要も出てくる。

だが、これらの要素はウォリアーズ移籍を決める前の段階で知っておかなければいけないことだったはずだ。カズンズは賭けに出た。そしてウォリアーズも、王朝時代を次のレベルに到達させるため、カズンズの力を最大限に引き出せるほうに賭けたのだ。

原文:Three factors that led to DeMarcus Cousins joining with Warriors by Jordan Greer/Sporting News(抄訳)


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