バックスのソン・メイカーがオーストラリア代表として来日「チームメイトと一緒にプレイするというプロセスを楽しんでいる」

大西玲央 Reo Onishi

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ミルウォーキー・バックスのソン・メイカーが、オーストラリア代表としてFIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区1次予選に参戦する。6月29日の日本戦前日に千葉ポートアリーナで行なわれた練習後に、ミックスゾーンで話を聞いた。

僕とデリーはすぐに溶け込めた。楽しい試合になるはずだ


――2015年4月にオーストラリア代表でプレイしたいという意向を表明してから、今回初めてプレイすることとなったわけですが、ここまでの代表経験はいかがですか?

楽しいね。とても楽しいよ。今のところはチームメイトと一緒にプレイするというプロセスを楽しんでいる。練習だけでなく、一緒に遊んだり、食事をしたりしてお互いを知る時間を作れている。そしてチームミーティングを通して、僕がいない時期にあったことをアップデートしてもらい、今後の話もしている。

――国際試合はNBAとは少し違うわけですが、その辺りの順応はどうですか?

そこについてはコーチ陣と話し合った。つい2時間前ほどにルーク(ロングリー/オーストラリア代表アシスタントコーチ)とも国際試合とNBAでのプレイの違いや、何ができて何ができないかについて話していたところだ。明日の試合での審判の笛の吹き方や、フィジカルなプレイがどれくらいあるかとかね。その辺りはしっかり話し合えた。

――日本代表についてどれくらいご存知ですか?

速いプレイを好む。ペイント内や3ポイントラインからたくさんシュートを打ってくる。どの選手もいつでも打ってくるし、積極的にプレイしてくるだろうから、ディフェンスでは正直にプレイし、常に注意力を高めている必要がある。

――ウィンドウ1(昨年11月)のオーストラリアと日本の試合を見て、自分がチームにもたらすことができるものは何だと感じていますか?

いろいろあるよ。まずはサイズを駆使したリバウンド。インサイドでの得点、オフェンシブリバウンド、ディフェンシブリバウンド。さらにシュート面でもコートを広く使うことができるから、相手ディフェンスはそれに対応する必要がある。

――マッチアップはご存知ですか?

話し合ってはいるけど、まだ決まってはいない。明日の夜のシュート練習までには確定しているだろう。

――ディフェンスではスウィッチを多用する形ですか?

その辺りはまだ話し合っていなくて、各選手について分析しているところだ。まだどう守ろうかというのは確定していない。

――バックスでもチームメイトであるマシュー・デラベドーバとの関係性を教えてください。国際試合についていろいろアドバイスはもらっていますか?

国際試合に関してはそこまで話していないけど、アメリカに行く前に僕はずっとオーストラリアでプレイしていたから大丈夫だよ。彼と僕は、チームとしてどういうことができるかについて話し合っている。今言っていたように彼とはバックスで何度も一緒にプレイしているから馴染みはあるんだ。今回の試合ではしっかりと自分たちのプレイをすることが大切だ。ボールをしっかり回して全員でプレイをする。このチームはとてもアンセルフィッシュだから、僕とデリーはすぐに溶け込めた。楽しい試合になるはずだ。

――オーストラリア代表にNBAファンが知っておくべき選手は誰かいますか?

間違いなくいるよ。楽しみにしていて欲しいね。これだけは言える、全員シュートが上手い。このチームは全員シュートがとても上手いんだ。だからそこはしっかりチェックして欲しい。あとはウィングにいい選手がたくさんいる。クリス・ゴールディング、キャメロン・ギドン、ネイサン・ソービーなんかがいる。

ビッグマンも全員がしっかりとシュートを打てて、ひとりに絞るのが難しいくらいだよ。ここ数日練習で僕も対戦してきたけど、多くの選手がとても才能に溢れており、NBAでもプレイできるはずだ。プレイタイムさえ与えれば、すぐに活躍できると思う。

もっと良い結果が出せたのではないかと思っている


――メイカー選手にとってNBAでの昨シーズンはいかがでしたか?

厳しい1年だった。アップダウンが激しかったけど、個人的なプレイ面では最後に良い形を迎えることができた。ただ最後のプレイオフ第7戦(ボストン・セルティックスとのファーストラウンド)は、チームとしても個人としてももっと良い結果が出せたのではないかと思っている。それ以外ではとにかくアップダウンのある年だったね。

怪我も何度かあったけど、最後は健康で終われたから、来シーズンは最初からしっかりとプレイできる準備をして、シーズンを通して健康でプレイしたい。

――メイカー選手はケビン・ガーネットとこれまでたくさんワークアウトしてきています。彼はメイカー選手が自分に似ているとコメントもしていますが、目標としている選手像はありますか?

やはりKG(ガーネット)みたいな選手だね。KGはとてもエナジー溢れるプレイで、攻守ともに気迫に溢れている。彼は攻守どちらもしっかりとプレイするんだ。みんなそれは当然見てきたと思うけど、それをみんなに気づかせたのは彼自身なんだ。コートに持ち込む積極性や態度、コート外では話したり友達でいたりするけど、コートに一歩踏み込めば対戦相手のことをなんとも思わないメンタリティ。僕も試合にはそういったメンタリティで挑んでいる。

スキル面に関しては、ケビン・デュラントのような何でもできるタイプという評判で僕はリーグ入りした。でも、僕は自分がケビン・デュラントのような選手だと言ったことはないよ。単純に海外でプレイしてきたからそういったスキルが備わったんだ。向こうではどこがプレイエリアになるかわからないからね。外で3Pを打つかもしれないし、ペイント内でインサイドをやるかもしれないし、コーナーで待ち構えるかもしれない。どこでもプレイできる準備が必要だったんだ。


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大西玲央 Reo Onishi

大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。