1997-98シーズンのブルズと同様にドキュメンタリー作品を制作するべき5チーム

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偉大なチームにとって、関係する物語、主役に焦点を当てるドキュメンタリー作品は欠かせないものだ。

マイケル・ジョーダンとシカゴ・ブルズが優勝した1997-98シーズンを追ったドキュメンタリーシリーズ『The Last Dance』(邦題『マイケル・ジョーダン: ラストダンス』/Netflix)への関心が高まるなか、同様のドキュメンタリー作品の題材になってもおかしくない、NBAの歴史を彩る5チームを紹介しよう。


2003-04シーズンのロサンゼルス・レイカーズ

Lakers 2003-04

ポスト・ジョーダン以降、レイカーズはリーグで最も支配的なチームとして君臨していた。ゴール下には鉄壁のシャキール・オニール、そして当時すでにスター選手になっていた若きコービー ・ブライアントという他を圧倒できる主軸を擁していた。

2000年から2002年まで3連覇を果たし、彼らが望む限りリーグを席巻できると思われた。だが、2003年のカンファレンス・セミファイナルでサンアントニオ・スパーズに敗れ、チームは次の段階に進んだ。

2003-04シーズンは開幕から21勝7敗と好スタートを切ったものの、新加入のカール・マローンはけがに苦しみ、ブライアントは性的暴行容疑で裁判所とコートを行き来する生活を余儀なくされたものの、その年のレイカーズはレギュラーシーズンを56勝26敗で終えた。そしてプレイオフでも、ヒューストン・ロケッツ、スパーズ、ミネソタ・ティンバーウルブズを下してNBAファイナルに勝ち進んだが、デトロイト・ピストンズに敗れるという番狂わせが起こった。

仮にこの年のレイカーズのドキュメンタリーが作られたら、チームの中心メンバーの関係性、スタニスラフ・メドベデンコやデビン・ジョージの台頭、そしてもちろん、コンビ解散に至ったブライアントとオニールに焦点が当てられるに違いない。

 


2007-08シーズンのボストン・セルティックス

2018 celtics

ケビン・ガーネット関連のドキュメンタリーは、必見に値する。

近年のNBAで、2007-08シーズンのセルティックスを上回るV字回復を見せたチームはない。前年に最下位だったチームが、オフシーズンを経て翌シーズンにNBAで優勝を果たしたからだ。ダニー・エインジGMの手腕、当時のヘッドコーチだったドック・リバースの指導力は、近年のNBAでも最も興味深い事例のひとつだろう。

トレードでチームに加わったガーネットとレイ・アレンは、ファンや在籍していたセルティックスの選手に歓迎された。特にガーネットとボストンのファンの関係性は、彼がTDガーデンを訪れるたびにわかるほどだ。

このチームのドキュメンタリーの主題になるのは、非常に厳しいプレシーズンの練習から、NBAファイナル第6戦でレイカーズを下すまでの間にチームが構築されていく過程になるだろう。また、チームの進化、そしてアレンの移籍により解体に至った話も、このチームのドキュメンタリー作品が興味深いものになる理由だ。


2018-19シーズンのゴールデンステイト・ウォリアーズ

2019 warriors

一時代を築いたチームが最下位に転落したことを考えれば、ゴールデンステイト・ウォリアーズを中心としたドキュメンタリーは、ひとつの作品だけでは不十分かもしれない。

しかし、主力3選手(ケビン・デュラント、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーン)が契約満了を迎え、宿敵として争い続けたクリーブランド・キャバリアーズのレブロン・ジェームズがイースタン・カンファレンスからウェスタン・カンファレンス(ロサンゼルス・レイカーズ)へと移籍した2018-19シーズンのウォリアーズの物語は、面白い作品になるだろう。

5年で3度優勝したスーパーチームの秘密、2000年代のレイカーズ以来となるスリーピート(3連覇)の可能性を手にした彼らの内部事情を徐々に解き明かしていく内容だ。チームがどう変わっていったのか、そしてスティーブ・カーHCとグリーンの衝突に関する話も興味深い。


2011-12シーズンのマイアミ・ヒート

2012 heat

レブロン・ジェームズがNBA初優勝を達成するまでの道のりは、決して平坦なものではなかった。故郷の球団であるクリーブランド・キャバリアーズを離れてマイアミ・ヒートに移籍したものの、1年目の2010-11シーズンには優勝を逃し、“キング・ジェームズ”は窮地に立たされた。

それだけに、オクラホマシティ・サンダーを4勝1敗で下して優勝した2011-12シーズンから約10年の月日が経つ今、この年のヒートに関係する面白い話は盛りたくさん出てくるに違いない。

ドキュメンタリーの冒頭は、2011年のロックアウトから始まる。試合ができない日々をジェームズがどう過ごしていたのか、そして難航した労使交渉の様子も収められるだろう。同年にキャリア3度目のシーズンMVPを受賞したジェームズは、全盛期にあった。そして、ようやくキングの称号に相応しい結果を残した。

このドキュメンタリーを支える脇役たちは、ヒートのパット・ライリー球団社長、エリック・スポールストラHC、それからスーパースターデュオのドウェイン・ウェイドとクリス・ボッシュららだ。もし実現したら、必見の作品になるはずだ。

Netflixで「マイケル・ジョーダン: ラストダンス」を視聴する


2000-01シーズンのフィラデルフィア・76ers

2001 76ers

最後は、キャリア絶頂期のアレン・アイバーソンだ。その個性的な性格と技術により、リーグに革新をもたらしたアイバーソンは、フィラデルフィア・76ersをNBAファイナルへと導いた。

2000-01シーズンは、76ersにとって成功を収めた1年になった。アイバーソンがシーズンMVPを受賞し、ラリー・ブラウンが年間最優秀コーチ賞、ディケンベ・ムトンボが年間最優秀守備選手賞、アーロン・マッキーがシックスマン賞に輝くなど、当時最強と呼ばれたレイカーズのライバルに相応しいチームだった。

もちろん、このドキュメンタリー作品の主役は、コート内外で印象に残る姿を見せた“The Answer”ことアイバーソンだ。ファイナル第1戦でショットを決めたあと、レイカーズのタロン・ルーを跨いで見せたシーンは外せない。

原文:Cinco equipos de la historia de la NBA que merecen un documental como "The Last Dance" by Sergio Rabinal/NBA Spain(抄訳)


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