フリーエージェント市場を前に、様々なポジションにおける獲得可能なベストプレイヤーたちを見てきた。今回は、最高のリムプロテクターだ。
各選手を分析するのに、以下の4つのカテゴリーを用いる。
- The blocks: 今季の1試合平均ブロック数
- The stops: リムプロテクターが大事になる場所だ。ブロックは貴重だが、ショットコンテストなどはカウントされない。『NBA.com』を使い、1試合平均でその選手がどれくらいバスケット付近でショットを守り、相手のシュート成功率がどれくらいかを見ることができる。
- The versatility: 『BBall Index』のKrishna Narsuは、マッチアップデータを通じて各選手のバーサティリティー・レーティングを導き出すためのツールを持つ。レーティングが高くても、優れたディフェンダーとは限らないが、いかにスイッチ可能かを示すことができる。
- One Stat: リムプロテクターとしての価値を大局的に見る統計
なお、アンソニー・デイビスやアンドレ・ドラモンドを含めていないのは、このオフシーズンで実質的に獲得可能な選手と思われないからだ。デイビスはプレイヤーオプションをオプトアウトしてロサンゼルス・レイカーズと再契約すると言われ、ドラモンドはプレイヤーオプションを行使してクリーブランド・キャバリアーズにとどまると言っている。
ハッサン・ホワイトサイド(センター、ポートランド・トレイルブレイザーズ、完全FA)
The blocks: 今季は1試合平均2.9ブロックと最多。自己最多の平均3.7ブロックを記録した2015-16シーズンに続き、2度目のリーグ最多記録だった。
The stops: 今季はバスケットから6フィート(約183センチ)以内でのショットに対するコンテストが1試合平均9.7本とリーグ最多。その際の相手の成功率は49.5%で、ルディ・ゴベア、マイルズ・ターナー、クリスタプス・ポルジンギス級だった。
The versatility: 今季のバーサティリティー・レーティングは52.7で、ほとんどがセンター(60.6%)とパワーフォワード(17.4%)を守った。
One Stat: 今季10試合以上で5ブロック超を記録したリーグの2選手のひとり。ブルック・ロペスが11試合だったのに対し、ホワイトサイドは14試合で5ブロック超を記録した。
ジャベール・マギー(センター、ロサンゼルス・レイカーズ、プレイヤーオプション)
The blocks: 今季は1試合平均16.6分ごとに1.4ブロックを記録。レイカーズではデイビス(2.3)に続く2位で、リーグで19位だった。36分ごとでは平均3.0ブロックとリーグ6位。
The stops: 今季はバスケットから6フィート(約183センチ)以内でのショットに対するコンテストが1試合平均4.6本。相手の成功率は50.3%だった。
The versatility: 今季のバーサティリティー・レーティングは54.7とホワイトサイドに似ている。出場時間の59.7%でセンターを守り、16.4%でパワーフォワードを守った。
One Stat: 2019-20シーズンを終えて通算1077ブロックは歴代85位。
ナーレンズ・ノエル(センター、オクラホマシティ・サンダー、完全FA)
The blocks: 今季は61試合出場でそのうち54試合がベンチスタート。リザーブとして1試合平均1.4ブロックは、ニューヨーク・ニックスのミッチェル・ロビンソン(1.9)に次ぐ数字だ。
The stops: 今季はバスケットから6フィート(約183センチ)以内でのショットに対するコンテストが1試合平均5.0本。相手の成功率は54.9%と、このグループでは最低の数字だ。
The versatility: 今季のバーサティリティー・レーティングは55.5。だが、パワーフォワードに対する守備が23.7%と、ホワイトサイド(17.4%)やマギー(16.4%)以上に時間を費やしている。
One Stat: 通算で平均1ブロック&1スティール超は、現役選手でノエルを含め9名のみ。
クリス・ブーシェイ(パワーフォワード/センター、トロント・ラプターズ、制限付きFA)
The blocks: 今季は1試合平均13.2分ごとに1.0ブロックを記録。36分ごとでは2.7ブロックと11位。
The stops: 今季はバスケットから6フィート(約183センチ)以内でのショットに対するコンテストが1試合平均3.7本。相手の成功率を49.8%に抑えた。
The versatility: ブーシェイはだいたいセンターをガードするが、ポイントガードやシューティングガード、スモールフォワード、パワーフォワードに対する守備にも多くの時間を費やしており、バーサティリティー・レーティングは72.0とこのリストで最高の数字だ。
One Stat: 『PBP Stats』によると、今季は12本の3ポイントショットをブロック。ブーシェイ以上の数字はデイビスやロビンソン、パスカル・シアカムなど6選手だけだ。
ロビン・ロペス(センター、ミルウォーキー・バックス、プレイヤーオプション)
The blocks: ロペスは重要な時間帯のショットブロッカーだ。今季は1試合平均0.7ブロックで、キャリア通算では1試合平均1.2ブロック。
The stops: 今季はバスケットから6フィート(約183センチ)以内でのショットに対するコンテストが1試合平均3.5本。相手の成功率を46.1%にとどめている。
The versatility: ロペスの今季のバーサティリティー・レーティングは53.4。バックスのマイク・ブーデンホルザー・ヘッドコーチは相手をペイントの外にとどめるためのドロップスキームを好むため、システムの影響もある。だが、ロペスが高いスイッチアビリティーだったことはない。
One Stat: 今季はリム付近での相手のシュート成功率がヤニス・アデトクンボに続くリーグ2位だった。
ヤコブ・パートル(センター、サンアントニオ・スパーズ、制限付きFA)
The blocks: 今季は36分ごとに平均2.9ブロックとホワイトサイド(3.5)、マギー(3.0)に続く数字。ノエル(2.9)と並び、ブーシェイ(2.7)を上回る。
The stops: 今季はバスケットから6フィート(約183センチ)以内でのショットに対するコンテストが1試合平均5.2本。相手の成功率は51.3%だった。
The versatility: バーサティリティー・レーティングは54.2とホワイトサイド、マギー、ロペス並みだった。
One Stat: 今季は36分換算で好ましく、理論上はリーグ有数のリムプロテクター。まだ25歳でこのリストでは最年少だ。
その他注目選手
ドワイト・ハワード(センター、ロサンゼルス・レイカーズ、完全FA)
今季のハワードはタンクにまだガソリンがあることを証明し、優勝したレイカーズでベンチから貢献した。かつてのようなショットブロッカーではないが、今でも力強くリムを守ることができる。
サージ・イバカ(センター、トロント・ラプターズ、完全FA)
キャリアのこのステージに至り、守備よりも攻撃でより優れた選手だ。それでも、7フィート(約213センチ)の身長と7フィート3インチ(約221センチ)のワイドスパンを持ち、リム付近で素晴らしい。
マルク・ガソル(センター、トロント・ラプターズ、完全FA)
明らかに衰えているが、レギュラーシーズンのラプターズの守備は彼が出場している時に最高だった。出場時は100ポゼッション当たり98.9得点を許したのに対し、ガソルがベンチの時は106.6得点を許している。
モントレズ・ハレル(センター、ロサンゼルス・クリッパーズ、完全FA)
サイズのためにショットブロッカーとしては限界があるだろうが、今季はリム付近で彼が守った相手のシュート成功率が51.4%だった。前述のホワイトサイド、ブーシェイ、ロペスらと似た数字だ。
原文:The best rim protectors available in the 2020 free agent class by Scott Rafferty/NBA Canada(抄訳)