FIBAバスケットボールワールドカップ2023で、アメリカ代表は4位という落胆の結果に終わった。パリオリンピック2024に向けて埋めるべき穴が露呈された。どのようにするのがベストだろうか。
トップクラスのタレントという点で、世界は急速にアメリカに追いついた。それでも、アメリカはまだ多くのタレントを選ぶことができる。うまくフィットする組み合わせをもっと考えれば、4大会連続で手にしている金メダルを再び獲得できるはずだ。
12人のベストスコアラーでロスターを編成するアプローチは、もう機能しない。上層部もそれは分かっているようだ。『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者によると、ドリュー・ホリデーの選出が検討されているという。実現すれば、エリート級のペリメーターディフェンダーが加わるかたちだ。ワールドカップでも役立っていただろう。
また、シャラニア記者によると、「チームの主軸と見られている」のは、デビン・ブッカー、ケビン・デュラント、レブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、ジョエル・エンビード、ジェイソン・テイタムだ。
そのほかに検討されているのは、アンソニー・エドワーズ、タイリース・ハリバートン、バム・アデバヨ、アンソニー・デイビスといった選手たちだ。
タレントという意味で豪華なチームなのは明白だが、ワールドカップでアキレス腱となったサイズの問題は解決されない。国際試合ではルールやスタイルが異なり、守備の3秒ルールがないため、リムプロテクションやオフェンシブリバウンドがもっと重要になる。
ここでは、そういった問題を解決する理想的なロスター、アメリカ代表のベストメンバー候補をあげてみた。
パリオリンピック2024のアメリカ代表予想
ガード
国際舞台ではショットのラインがNBAよりも近く、ゾーンでのプレイが増えるため、ショットが非常に重要となる。ショットのスキルは貴重となるだろう。
ステフィン・カリー
カリーはまだオリンピックで金メダルを獲得していない。スティーブ・カー・ヘッドコーチが指揮を執るアメリカ代表でそれを達成する以上の方法があるだろうか。
カリーはNBA史上最高のシューターだ。一緒にプレイするのが簡単で、みんなが彼とプレイするのが大好きという選手だ。簡単な選択だろう。
アンソニー・エドワーズ
エドワーズはすでに国際舞台で活躍できることを示した。夏のワールドカップでアメリカ代表のベストプレイヤーだった。
攻撃で極めてダイナミックな選手であることはもちろんだ。思うがままにリムにたどり着くことができ、3ポイントショットも向上した。相手の攻撃の起点を守るディフェンダーとしても、評価されている以上の選手だ。身体能力の高さであらゆるサイズの相手を完全にシャットダウンできる。
デビン・ブッカー
ブッカーはNBA最高のショットメーカーのひとりだ。ここ数年はファシリテーターとしての役割や守備の幅も広げている。東京オリンピックではアメリカの金メダル獲得に貢献した。それをさらに増やすことができるはずだ。
次点：デイミアン・リラード、ジャ・モラント、ジェームズ・ハーデン、ドノバン・ミッチェル、ジェイレン・ブランソン、ザック・ラビーン、タイリース・ハリバートン、オースティン・リーブス、トレイ・ヤング、ディアロン・フォックス、カイリー・アービング、ジェイレン・ブラウン、ドリュー・ホリデー、ブラッドリー・ビール
フォワード
アメリカはあまりに多くの優れたフォワードを選ぶことができる。攻守両面で活躍できる選手が重要だ。ベストの中のベストとなるのは、以下の選手たちだろう。
ケビン・デュラント
35歳となったシーズンも、デュラントは卓越したレベルを保っている。リーグ屈指のシューターであることは変わらず、常に周囲を見渡せる。非常に優れたディフェンダーでもあり、6フィート11インチ（約211センチ）のサイズで二番手の優れたリムプロテクターにもなれる。
アメリカはいくつかビッグサイズのチームと対戦することになるだろう。そのため、フォワードにデュラントのサイズがあることは非常に重要となるはずだ。
レブロン・ジェームズ
説明の必要があるだろうか。39歳にしてなお、リーグのトップ15に入る選手だ。すでに金メダルを2回獲得している。3つ目は国際キャリアを締めくくる物語となるだろう。
ジェイソン・テイタム
テイタムは2回目のオリンピック出場を望んでいると話した。攻守両面に優れた選手で、ショットでフロアを広げることができるエリート級のスコアラーだ。
26歳だけに、年上の選手たちが去った時にチームを率いる良い橋渡し役となるだろう。
ポール・ジョージ
ジョージもサイズのあるフォワードで、ほぼすべてをこなせる選手だ。どんなチームにもフィットする。常に自分がベストプレイヤーとなる必要がないこのチームならなおさらだ。その役割で成功できることは、ロサンゼルス・クリッパーズでの今季が示している。
次点：ジミー・バトラー、カワイ・レナード、ザイオン・ウィリアムソン、クリス・ミドルトン、デマー・デローザン、ミケル・ブリッジズ、ブランドン・イングラム
ビッグマン
アメリカ代表のロスターを編成する上で、肝となるのがここだ。国際舞台でアメリカが苦しむ時は、大きなセンターの必要性を見過ごしているからだった。
ここでは5人のビッグマンを取り上げている。様々なタイプの相手に対抗できるよう、それぞれ明確な強みを持つ選手たちを選んだ。得点力はガードとフォワードで十分に足りる。それに、これまでアメリカにとって問題となってきたのは攻撃ではない。
選んだのは、守備、リバウンド、タフネスをもたらせる選手たちだ。
ジョエル・エンビード
このロスターで最も重要な存在となるかもしれないのがエンビードだ。10月のトレーニングキャンプでアメリカ代表としてプレイすることを望んでいると明かした。半月板を断裂したが、代表が集まる時には完全に回復しているはずだ。
エンビードのプレイは国際舞台に完璧に合う。フィラデルフィア・76ersはエンビードをできるだけバスケットの近くにとどめようとする。そこで彼がリムを守ってくれるからだ。飛び出していく必要なしにエンビードがその位置にそびえているところを想像してほしい。パリで最高のショットブロッカー候補となるはずだ。
アンソニー・デイビス
デイビスもエリート級のリムプロテクターで、アメリカにさらなる万能性をもたらす。エンビードよりもスイッチがうまく、縦のリムの脅威も増すだろう。
国際舞台の相手は、うまく走れるビッグマンに苦しんできた。その意味で、デイビスはこのロスターに完璧にフィットする選手だ。
ドレイモンド・グリーン
非常に興奮しやすい選手であることは確かだ。しかし、グリーンをよく知るカリーとカーHCが感情を抑える助けとなるだろう。そしてグリーンはカリーが力を解放させるのに大きく役立つ。
また、グリーン極めてレベルの高いディフェンダーでもある。ショートロールパサーとしてはリーグ最高かもしれない。より得点の才能を持つチームメイトたちをダブルチームする選択肢を相手から奪うだろう。
ブルック・ロペス
ロペスを選ぶのは、7フィート1インチ（約216センチ）、282ポンド（約128キロ）という圧倒的なサイズからだ。エンビードが休む時や、ビッグマンを2人にする時に、ロペスはリバウンドやブロックができ、フロアを広げることのできる存在となる。
バム・アデバヨ
アデバヨは素晴らしいパサーで、年間最優秀守備選手賞の候補となる選手だ。様々なタイプのスキームでプレイすることができる。リバウンダーやボールハンドラーとしても優れ、走ることもできる。
次点：エバン・モーブリー、ジャレット・アレン、ロバート・ウィリアムズ三世、ジャレン・ジャクソンJr.、ニック・クラクストン、マイルズ・ターナー
原文：USA Olympic roster predictions: LeBron James, Stephen Curry headline most worthy 2024 U.S. basketball team picks（抄訳）
翻訳：坂東実藍
