パリオリンピック2024でアメリカ代表を5大会連続の金メダルに導き、スティーブ・カー・ヘッドコーチは立派な指揮官であることを証明した。
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ただ、彼の時代は長くないと見られている。2021年にグレッグ・ポポビッチ前HCの後を継いだ58歳のカーHCのアメリカ代表での時間は、まもなく終わるようだ。
複数の報道によると、カーHCがアメリカ代表を率いるのは、パリオリンピック2024が最後になるという。同HCは2023年、オリンピック後について、『The Athletic』で「私にとっては2年間だ。サイクルなんだ」とほのめかしていた。
「ポップ(ポポビッチHC)はワールドカップとオリンピックで指揮をとった。次は私がバトンを渡す番だ。そうあるべきだと思う。今の自分たちがいるところを考えると、ひとつのサイクルであり、前進していくんだ」
FIBAワールドカップ2023でアメリカを4位に、パリオリンピック2024で金メダルに導いたカーHCは、バトンを手渡すつもりのようだ。では、アメリカ代表の新指揮官候補となるのは、どんなコーチたちだろうか。ここではその候補をまとめる。
アメリカ代表の新ヘッドコーチ候補
1. エリック・スポールストラ(マイアミ・ヒート)
スポールストラはカーの有力な後任候補と位置づけられてきた。その理由は十分理にかなっている。アメリカ代表におけるアシスタントコーチという役割に加え、彼はバスケットボール界有数の優れたコーチだ。
スポールストラHCはヒートでNBA優勝を2回果たしており、NBAファイナル進出は6回。リーグ有数の戦術家で、タレントぞろいのロスターでも、それほど著名でない選手たちのロスターでも、それぞれ勝利を収めてきた。
スポールストラは賢く、カタールでのワールドカップや2028年のロサンゼルスオリンピックで、アメリカ代表のようなタレントぞろいのロスターにとって完璧な候補と感じている。
2. タロン・ルー(ロサンゼルス・クリッパーズ)
スポールストラ同様、ルーHCもアメリカ代表でアシスタントコーチを務めており、同代表の内情をよく理解している。
ただ、クリーブランド・キャバリアーズ時代や最近のクリッパーズでの仕事ぶりから、彼はNBAのトップコーチでもある。レブロン・ジェームズも、コーチやモチベーターとしてのルーHCを称賛した大勢のひとりだ。
もしもアメリカ代表が再びジェームズのオリンピック出場を望むなら、元ヘッドコーチのひとりを起用するのは間違いではないだろう。
3. ジョー・マズーラ(ボストン・セルティックス)
2024年のNBA優勝は、マズーラの狂気にメソッドがあるという事実を堅固なものとした。ボストン・セルティックスは堂々の勝利を収めたが、やすやすと優勝を果たしたかのように見えたのは、マズーラのシステムによるところが大きい。
そして、ジェイレン・ブラウン、ジェイソン・テイタムのコンビとアメリカ代表の間に起こり得る緊張を和らげるのに、彼らのヘッドコーチを起用する以上の方法があるだろうか。また、世界のバスケットボール界がアメリカのバスケットボールに追いついたという事実を懸念する人々もいるが、マズーラはチームが満たされることを許さないタイプの指導者だ。
金メダルが期待される中で、これは非常に重要となる。
4. マーク・フュー(ゴンザガ大学)
フューが選ばれたのは、彼もまたカーHCのアシスタントコーチだったからだ。マイク・シャシェフスキーほど名を上げたわけではないが、「コーチK」(シャシェフスキー)のアメリカ代表における成功が、大学ヘッドコーチには不可能という見方を一蹴するはずだ。
そして大学のヘッドコーチであれば、選ばれるべきはフューだろう。
5. ジャマール・モズリー(オーランド・マジック)
早すぎるかもしれないが、モズリーはアメリカ代表のレーダーにとどめておくべき指揮官だ。上り調子のマジックでほぼ前例のないような称賛を集めたのに加え、2023年と2024年にアメリカ選抜チームのコーチも務めている。
すべてが計画どおりに進んだ場合、2028年のアメリカ代表にはパオロ・バンケロが含まれるだろう。そして彼のヘッドコーチも一緒になるかもしれない。少なくとも、アシスタントコーチのひとりがモズリーでも驚かないだろう。
6. マーク・デイグノート(オクラホマシティ・サンダー)
デイグノートはシェイ・ギルジャス・アレクサンダーやルーゲンツ・ドートと国際舞台で対戦したくないかもしれない。だが、そういった場でチェット・ホルムグレンを指導したいと望むかもしれない。
NBAで最も若い部類に入る指導者のデイグノートだが、最も尊敬されているコーチのひとりでもある。NBAコーチのリストを作成するのに、サンダーの指揮官を含めないことはできないだろう。
原文:Steve Kerr head coach replacements: Erik Spoelstra, Tyronn Lue not only candidates to take over USA basketball(抄訳)
翻訳:坂東実藍
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